77.ナンパ
また夢を見た。
リリアの夢。
「ハルカは素敵なお友達がいるね。
羨ましいな…。」
「何いってるの?
リリアの友達でもあるでしょう?」
「え…?」
「私が元の世界に戻ったら、
リリアは元の通りにリリアとして生きるんだから。
リリアの友達でもあるんだよ?」
「そう…なの…?
私の…友達…?」
「そうだよ!」
「まだ、よくわからないや…。」
またうっすらしてきたリリア。
あぁ、また聞きたいことがいっぱいあるのに。
また朝だ。
またこの夢を見たってことは、
リリアはこっちに居る。
それは確定っぽいな。
ほんとあの手紙誰なんだ?
中々返事返ってこないし!!
あー、もー!
イライラをぶつけるために、
もう一通催促の手紙を書いた。
【とっとと出てきなさいよ!
黒幕はあんたなんでしょ?
早く私を元の世界へ戻せ! 】
と書いて送る。
あーお腹減った。
朝ご飯たくさん食べてやる!!
----
今日からキアバで歌うことになっている。
ジョナサンさんもそこまで暇ではないので、
巫女さんの演目前後に
時間を作ってもらって、話をして
この日と決めた。
キアバまで馬車にするか、走るかと迷って居ると、
窓の外から声が。
「リリアー!馬車で迎えきたから、
おめかししてからこいなー!!」
ニールさんだ。
声デカイ。
恥ずかしいからやめて!
めっちゃ注目浴びてるし。
そういやぁ、結構外部者スルーして入ってくるけど、
この学校セキュリティ大丈夫なのかな…。
最初だからそんな派手じゃない服の方がいいのかな…
うーん…
最初だからインパクトのある服の方がいいのか…
結局、安パイにケイさんの作ってくれた服にした。
結構大切に着ているし、おしゃれ着だもん。
それでは肌寒いのでストールを羽織る。
髪はざっくり編んでまとめた。
仕度を済ませ、ニールさんの元へ行くと、
数人の女子に囲まれていた。
遠巻きから聞いていると、
「お兄さんどこから来たんですかー?」
「どこで働いてるんですかー?」
とか。
…ナンパだね。
その年ですごいな…。
やはり、おモテになるよーで。
まぁ、ニールさんも
「キアバで働いてるから、
あそびに来たってやー。」
と軽くいなしていたけど。
会った頃に子供には興味ない
って言ってたしね…。
影からひょっこりシャロンちゃんとエリーちゃんが
出て来て、
「ヤキモチですか…?」
と言ってきたので、それは否定しといた。
2人もニールさんの声で、キアバに行くと分かって
出て来たらしい。
あんだけデカイ声で呼んだらそりゃ気づくよね。
一緒に行っていいか確認しようと思ったけど、
囲まれてて声をかけられずにいたんだとか。
あ、それはわかります。
そんなことを話していたら、
ニールさんがこちらに気づいた。
「リリアー♪ほないこかー。」
周りの子たちもこちらも見て、
あ、という顔をして帰っていく。
シャロンちゃんが
「私達やっぱりお邪魔かしら…?」
と言って帰ろうとするので、
手を掴んで引き止める。
「ニールさん、
シャロンちゃんとエリーちゃんも
一緒にキアバに行きたいんだけど!」
と言って、もう逃げられないようにした。
「えーよ。2人でも4人でも一緒や。」
と言っているので、2人の手を掴んで
「行こ!来くれた方が嬉しい!」
と言ったら、2人は頷いてくれた。
読んでくださってありがとうございます!
目標だった10万字を突破。
おかしいな…まだ2章が終わらない…。