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73.カモメじゃない方

「いやー、君やっぱり巫女だったんだねー。

毎週熱心に観てるなーとは思ったんだ。」


拍手しながら近寄って来る。

ニールさんが明らかに警戒して、

私を自分の背中の方へ移動させる。

いや、警戒しすぎじゃね?


「あなたが護衛ですか?

僕はキアバのジョナサンと言います。

この世界では有名だと自分では思ってましたが。

ご存知ない?」


ジョナサンと名乗ったこの人は

かなり線の細い、銀髪の男性だ。

細目で物腰は柔らかい、優しい印象だった。


「あ、私は巫女ではないので。

キアバで毎週お見かけしてましたので

顔は知ってはいます。」


「知り合いか?」


ニールさんが小声で聞いて来たので、

まぁ、とだけ言っておく。

お互い顔くらいは知っている程度だけど。


キアバのジョナサンと名乗った彼は

キアバに来る巫女全員をチェックしている、

よく言えば、アイドルウォッチャーのような人だった。

悪くいうとDDだ。

私もそうだけどね!!


私もここしばらく毎週のように通っているので、

「お仲間」か教会関係者だと思っていたらしい。

ブレイ大陸のバナンの街へ「遠征」に

行った帰りの船で歌っている私を見かけて声をかけた、

というわけのようだ。

アイドルウォッチャーなら

巫女の事情には詳しいに違いない。

手探り状態の今、

少しの情報でもいいから欲しい。

今ならニールさんもいるし、

危ないことにはならないだろう。


「巫女になりたい?

関係者じゃないの?」


私は首を横に振る。


「だって、君に声をかけてる人たちの中に

教会関係者も居たから…」


えっ!?

そうなの?

正直声をかけてくる人たちはいた。

最初のうちは対応していたのだが、

大半はナンパ紛いなものだったので、

もう話も聞かず流していたのだ。

…もったいないことをした。

ニールさんも私のこと残念そうな目で見てる…。

…ですよね…。



「断ってはいないんなら、

また声をかけてもらえるかもだし…。

もしくは…。」


もしくは?なに?なに?


「所属をしないで活動してしまう。

自分と合う教会が声をかけてくるのを待つ。」


ジョナサンさんは

まぁ、厳しいとこは

きっと声をかけてこないだろうけど。と付け足した。


「その方法、アリなんですか…?

一応神様の巫女ですよね?」


「本来は邪道だよ。

でも僕らみたいなやつも多い。

君を固定的に応援する人たちができれば

その人たちごと取り込めるからね。

声をかけてくれるとこもあると思う。

それに、巫女が少ないところなら、

即戦力として声をかけやすい。」


だから厳しいとこはこない。ってわけね。

私は歌と踊りができればどこでもいいのだ。

あんまり厳しい神様でも困る。

私には都合がいい気がする。


「幸いキアバは僕の根城だ。

君が活動しやすいように

手助けだってできる。

それに、護衛はそこの彼がやってくれるんだろ?」


ジョナサンさんはニールさんを見る。


「妹のためならお安い御用や!」


「おや、お兄さんだったのか。」


ところで…


「ジョナサンさん、手助けってどうやって?」


「あぁ、僕はキアバの商人連の長だからね!」


…何気に偉い人でしたか…。




読んでくださってありがとうございます!

タイトルはジョナサンだからコレです。

ファミレスじゃない方でもよかったなと。

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