66.飴作り
魔法応用はカール先生は
本当に流した。
昔は回復魔法とかがあったんだとか、
召喚魔法もあるけど、魔力をとても使うので
使うものがほとんどいないだの
そういった話だった。
ホント、さらっと流した。
いいの…?
まぁ、いっか…。
気にしたら、私が1年しか通わないこと
自体が不思議なんだから気にしない。
早く世界を巡って帰る方法を探さないとなんだから。
アイドル活動はついでなんだから。
…多分。
最近、巫女なることが主目的になってる気も…
…まぁいいや。
取りあえず、授業!
魔法薬学の授業は私以外の生徒は
何やら実験道具の様なもので実験中。
そういえば、マリオって何作るんだろ?
でも、話かけると面倒だからいいや…。
私も今日から飴を作るつもりだ。
「お菓子は専門外なので、
相談するのは薬のことだけにしてくださいね。」
「まずは、味を決めたいから煎じ薬からですし、
大丈夫です。」
「なら結構です。」
飴にするのはエキスを作ってからだ。
そのエキスとマヌー、ゼラチンか水飴を混ぜて固める予定。
ゼラチンと水飴は薬に使うらしく、
この世界、この学校にもあった。
水飴は子供の頃、
ショッピングモールの駄菓子屋さんで
買って食べた水飴よりも甘くない。
この水飴、
…自分でも作れるものかな…?
どうせなら美味しい飴だ。
薬効は二の次。
あんまり混ぜすぎないほうが美味しいかもしれない。
そうなると魔力草はどれにすべきか。
「先生、適度に魔力補給できそうな魔力草って、
ニオン以外となると難しいんでしょうか?」
「それ以外だと煎じ薬にすると
イマイチだと思いますよ。」
そうかー。
でも、二オンは味がケンカするんだよね…。
煎じる…
そうだ!
「先生、リーブラはダメですか?
ちょうどいい気がするんですが」
「乾燥リーブラですか?
まだ実用前ですが…
あれはリリアさんが作ったものですしね。」
カール先生が困った様に笑っていう。
奥に引っ込むと乾燥リーブラを出してきた。
昆布(仮)なので、
水から煮ておけば昆布ダシ(仮)。
しかも1口で魔力供給が可能なのだから、
これを煎じれば、程よく魔力補給が可能だろう。
そういう考えだ。
昆布ダシ(仮)ができた。
試飲。
うん、美味しい…けど、これ飴じゃないわ。
塩が欲しい。お料理用だなー。
カール先生がこっち見てる。
「飲みます?」
取りあえず、聞いてみた。
「いただきます。」
先生、気になってたのか。
「これ、いいですね。
そのままだと高濃度すぎますが、これなら…」
好感触だ。
マリーダやマリオも気になるらしく、
作業の手を止め、やってくる。
みんなに昆布ダシ(仮)を渡し、
軽いお茶状態になった。
「なんか…不思議な味だな。」
「色々な薬に応用可能なのでは…?」
マリーダには何か思うところがあるようで、
カール先生に質問をしようと考えていた。
その時だった。
ドアが勢いよく開き、
彼女が入ってくる。
「先生!遅いです!
私の指導時間が減ります!
早く来ていただかないと!」
先生が来るのが遅くて怒鳴りこんで来たようだ。
「のんびりお茶なんかしている場合じゃないかと!」
すごい剣幕だ。
少し落ち着いでもらおう。
「少し落ちついたら?
これでも飲んで…」
私は昆布ダシ(仮)を差し出す。
「なんですの?…これはリーブラ?
なんで、なぜ、ここに…」
ミアッキは逆に取り乱しはじめた。
読んでくださってありがとうございます!
次回以降、一気に話を進める予定です。
前振り長すぎたと反省はしてます。はい。