63.現実を知れ
最近既に航海術がちょっと辛くなってきた。
あまり地理ですらちゃんと頭に入っていないので、
海流と言われてもピン来ない。
その大陸の季節すらよくわかってないのだから、
風と言われても…状態だ。
航海術は5年次の授業なので、
1人で受けている。
よって、聞ける人は先生くらいなのだが、
担当の先生はルーロウ先生だ。
校長なのよね?
えらいのよね?
すごいのよね?
なんで授業こんな持ってるの?
それとも、すごいから
こんなに授業を持ってるのかもしれない。
謎だ。
わからないところは
シャロンちゃんとエリーちゃんに
聞こうと思ったのだが、
2人も「航か…」といった瞬間に首をプルプル振っていた。
得意不得意がやはりあるようだ。
そんな2人が6年になっているのだから、
大丈夫だと思う。
思いたい。
エリオットと受けている、下級クラスの授業は
特に問題はない。
一般倫理は、
他者への思いやり
怒りに身を任せない
といったホント一般倫理だし。
魔力の多い者は
負の感情に流されるのはとても危険だという。
更にいうと、また千年前のような
戦争を起こす可能性もある。
だからこのようなわかりきった授業があるみたいだけど。
一応私も魔力多い方だし、気をつけておきたい。
世界学は
地歴だから、聞いて覚えればいいだけ。
最近分かった事なのだけど、
エリーちゃんたちの出身大陸である、
クラリティ大陸は魔力量が多いところが多い。
よって魔物も多く出るらしい。
エヴァルドルフ君がエリーちゃんに
剣術を習い始めたのも、
このためだったと思われる。
エリオットは剣術の稽古してるのかな?
そう疑問思ったので、授業終わりに聞いてみた。
「稽古?してないぞ。
俺はしなくても、
国に帰れば護衛がいるし。」
そうだった。
忘れてたけど、コイツ貴族だった。
思わず、コイツ呼ばわりしちゃったけど。
でも騎士なのでは?
「騎士っていうのは称号だぞ。
王や女性は守るが、実際には
戦ったりしないぞ?」
とか笑いながら言い始めた。
なんか腹たってきた。
いや、10歳程度の子供に腹なんか
立てなんかいない。
うん、気のせいだ。
「でも、エリーお姉様は
強い男じゃないと嫌だってさー。」
とだけ言っておいた。
これでエリオットも
エリーちゃんと稽古するだろう。
そして稽古と称して
デート紛いな事をしている
エヴァルドルフ君を見て凹むがいい!!
断じてバカにされた腹いせなんかじゃない。
これはエリーちゃんには
いい人がいる。
その現実を知って強くなってもらうためだ。
断じて腹いせでは、ない。
大事なので2回言ってみた。
実際エリーちゃん、
エリオットの剣術の稽古
ご両親から頼まれたっていってたし。
遅かれ早かれ知る現実だ。
うん、そうに違いない。
自分の中で納得しておいた。
読んでくださってありがとうございます!
筆が進みません…。