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62.胃弱

今日はマリーダにお願いしていた、

クフィルザ様の教会に連れて行ってもらう日だ。

教会は学校から馬車で1時間以上

かかる大きな街、

ヨーキートの街にあるらしい。

大きな踊り場(ステージ)がある場所だ。


おやすみの時はキアバの街へ行って、

巫女さん演目(ライブ)見るようにしていた。

尚、1人の時は身体強化かけてジョギングしている。

節約だ。

シャロンちゃんが言うような、

女神様の巫女の演目(ライブ)

アイメウル様のものしか観れていない。

確かに他のものに比べたら、

アイドルっぽい感じがした。

バラードくらいだったら歌っても大丈夫なのでは?

と思えたくらいだ。

プミロア様の巫女は数が少ないようなので、

なかなか見れないのかもしれない。

今日も踊り場(ステージ)に寄れれば良いのだが。


マリーダは教会へお祈りに来たようだ。

この世界でも敬虔な人というものは

ある程度存在するらしい。

割とミナ大陸の人たちは敬虔な人が多いらしく、

月に一度程度お祈りに行く人が多いそうだ。


どの神様を信仰しているというのが

明確でない私は申し訳ない気がしたのだが、

マリーダは


「学校の人たちもそういう人多いよ。

それにこれは個人の自由だと思う。」


とさっぱりしていた。

私としてはとてもありがたかったのだが。



街はキアバに比べたら大きかった。

クラーケンの街と違ってお城がないので、

そこまで大きな感じはしなかったが、

お城のような目立って立派な建物がないだけで、

同じくらいの大きさなのかもしれない。

街の中心には踊り場(ステージ)があった。

円形ステージで、なんか教科書とかで

観たことある感じの印象だ。

うーん、寄れても観れるかな…

金銭的な問題も出て来そう。


そんなことに頭を悩ましていたら、

教会についた。

大層立派な建物を想像していたが、

意外とこじんまりしていた。

私が勝手に観光地の教会を思い浮かべていただけで、

建物自体は十分立派な部類に入るのだけど。


「こんにちは。」


気の弱そうな男性が挨拶をする。


「こんにちは。お祈りに来ました。」


マリーダが慣れた感じではいっていく。


「あの…

入って大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ。

来ていただいた方を

拒んだりはいたしません。

まずはご挨拶を。」


促されて、マリーダと同じ事をして

お祈りを済ませた。


「今日はちょっとお話を聞きたいというので、

友人を連れて来たんです。」


マリーダは男性に話かけた。


「えぇ、お力になれる事であればどうぞ。」


「巫女のなり方についてです。」


「巫女のなり方、ですか?」


「そうです。どうやったらなれるんですか?」


「そうですね…知り合いの娘さんとかに

声をかけたり、教会に来た希望者とか

…適性を見て決めています。」


スカウトかオーディションってことね。

取りあえず、直球で聞いてしまおう。


「私がなりたいって

いってなれるもんなんですか?」


「んー是非と言いたいところなんですが…

ご出身は?」


「一応ブレイ大陸です。」


「 そうなんですね…。

クフィルザ様の巫女は

ミナ大陸出身者ばかりなもので。

私がその慣習を破っていいものか…。」


胃のあたりを抑え始めた。

この人、胃弱?


「そうなんですか。

今の私のセリフは忘れてもらって大丈夫です!」


クフィルザ様のところに

絶対入りたい訳じゃないのに

慣習とか破らせるの申し訳ない。

こんな胃弱な人に。


でもなんだろう。

好きでもないのに告白して断られた。

そんな気分がする…。









帰り道、馬車に揺られながら、

マリーダが言う。


「ダメだったけど、手がかりは掴めた?」


「そうだね。」


クフィルザ様のところは希望じゃなかったけど、

そんな野暮は言わない。


実際、手がかりは掴めた。

どうやって他の神様の教会関係者に出会えるか。

そこがネックになるけど。

スカウトが一番手取り早そうだけど…。


路上ライブでもやってみようかなー。

などと漠然と考える帰り道だった。



























読んでくださってありがとうございます!

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