60.天丼
「浄化魔法は魔物が湧きにくい環境に出来るから、
役立つでしょうね。
まぁ、湧いてしまったモノには効かないのですが。」
「その時は倒す!!」
リンダ先生、頼もしいです!
「私の授業は慣れるまでは魔物人形単体での練習だから、
リリアはしばらく見学、浄化担当でよろしくな!」
「え、他の生徒さんから変な目で見られませんか?」
「木っ端微塵にしたやつがいうセリフか?」
だからやめて!
天丼は2回までっ!
「あの魔法を禁止したら、
カールみたいな戦い方になるんだろ?
それとも、私がカールを見る目で見られたいか…?」
「…見学でお願いします。」
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今日は魔法薬学の研究の授業だ。
私が研究室に着くと、マリーダは既にいた。
彼女はまだ来てなかった。
「おはよう、女神たち!」
だから、勝手に神様増やすなっつーの。
「おや、ミアッキは?」
私たちはさぁ?といった顔をする。
「ミアッキさんはどうしても一人で
研究をしたいらしいので、別室にいます。
ですので、
授業の終了前に少しだけは私も別室に行きます。」
カール先生がやって来て私たちに言う。
どうしても一緒にやりたくないということらしい。
カール先生が折れた形だ。
こないだ投げたもんね。
「先週は話の途中で終わってしまったので、
詳しい話を聞きたいと思います。」
他の2人が詳しい内容を決めている。
マリオは「美しくなる」はどのような効果にするか
まだ迷っているようだ。
「美しさとは…?」
と唱えており、完全迷子状態だ。
一方のマリーダは
所謂風邪を拗らせたらなる
肺炎のような病気を治す薬の
効果高いものの完成を目指すようだ。
「リリアさんはどうします?
応用魔法学軽く浚う感じでいいですか?」
実はここ数日で考えていたことがある。
「あの…薬とまでいかないんですけど、
ちょっと喉にいいお菓子を作りたいんです。」
私の考えはこうだ。
喉にいい生薬を使ったお菓子、
つまりは喉飴を作るのだ。
できれば魔力補給ができるものがいい。
正直、魔法を使う機会が増えたので、
少々お腹が減るのだ。
お昼がない学校では
途中で食べることもできない。
軽く食べられて、小腹も満たせる
飴はうってつけなのだ。
市販にはそんなものは存在する訳ない。
ちょうど研究室にいるのだから、
作ってしまえという訳だ。
カール先生に概要を説明すると、
「やってみたらいいんじゃないかな。」
とのこと。
でも、まだ5年次の魔法薬学が全然進んでない。
よくわからないことだらけなので、
作り始めるのはもう少し先になりそうだ。
「じゃあ、作り始めるにはもう少し先にして、
応用魔法学軽く流しときましょう。」
…応用を軽く流す。
そういえばさっきも浚うって言ってた。
それでいいのか?
魔法学校…。
読んでくださってありがとうございます!