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56.お風呂

「ねぇ、この学校、

お風呂ってないよね…?」


よく転生、転移ものの主人公が

ぶちあたる問題に私もついにぶち当たった。


今迄は海沿いに住んでいた。

汗をかいたら海に入っていたし、

人魚なので、塩水でも問題はなかった。

気候もよかったのか、髪もすぐ乾いた。


船で出発してからは布で体を拭いたりはしている。

もちろん、臭くなんてない。

女の子が臭いなんて致命的なので、

そこははっきり言っておきたい。


臭くないから入らなくていいという訳じゃない。

気分の問題だ。

そこでシャロンちゃんとエリーちゃんに

聞いてみることにしたのだ。


「庶民の家にはお風呂はないよね。」


「私の家にはあったが。」


「そりゃー、エリーちゃんち貴族の家でしょう?

一応、学校に湯浴み場はあるよ?」


そうなんだ!


「でも、みんな一緒に入るから、

ミナ大陸の人たちには不評みたいだけどねー。」


あ、そうなんだ…。


「リリアちゃん、後でお風呂行く?」


「いや、ちょっと…あの…

みんなと入るのは抵抗あるんだよね…。」


「あ、そうなんだ。

そういう人もいるから無理しないで大丈夫だよー!」


「意外とみんなで入るのもいいものだぞ?

気が向いたら誘ってくれ。」


「「後で(ね、な)」」


エリーちゃんとシャロンちゃんには

気を使わせちゃったなぁ。

でもな…

さすがに鱗のある足は見せられないや。


本当はマーマンの偽証石を使えばよかったんだろうけど、

あの時はシリルさんの手元に

私の持ち物を置いておきたかったのだ。

あの時はそうしたかったから。

もう置いてきちゃったし。



カールさんってどうしてるんだろう?

男性だけど、

足の問題を聞けるのはカールさんくらいだし。

空き時間に聞きに行ってみよう。






そんな訳で空き時間にカールさんの元にやって来た。


「っていうわけなんですけど、

どうしてるんですか?」


「…気にしたことがなかった。」


あー、相談できる人がこの人しかいないけど、

相談する人、間違えたっぽいなー。

そういえば、海から全裸で上がってくるような人だったわ。


「なんか言われたこと、ないんですか?」


「…言われたことがあった気がするが…

聖痕なのかとかなんとか。

気にしていなかったからな。

覚えていない。」


「ばれたらマズイんじゃ…。」


「マズイ?

校長は私がクラーケンだと知っているぞ。

自ら言っていないだけで、

知っている先生は知っている。」


「え?そうなの?」


「そうだが。

生徒はさすがに知らないと思うが…。」


ばれちゃいけないもんだと思い込んでた!

聞いてないから言わなかったんだな、

きっと。


「先生の中でも、

私のことを知ってる人はリリアさんも

クラーケンかなにかだろうとわかっている者も

いるだろうね。

ただ、人魚だとは思ってないだろうけど。」


そう、私は人魚なのだ。

クラーケンよりも特殊だ。

しかも、それでいじめられたという過去もある。

やはり公衆浴場はハードルが高い。



「風呂なら職員用宿舎のを

借りればいいのでは?

そうそう混み合う人数でもないだろう。

あとは魔法による洗浄。」


最後の一言、

これも聞いてなかったから言わなかった事例か…。


カールさんのとこから戻ってから

即、ドリ◯の歌でお風呂気分を味わう。

あーさっぱりした。



でも気分じゃなくて本当にお風呂入りたいなぁ。

いつかシャロンちゃんとエリーちゃんとは

一緒にお風呂入りたいな…。

勇気がまだ足りないけど。














読んでくださってありがとうございます!

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