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51.特別扱い

カールさんが校長に確認を取ったところ、

授業は概ねこれで良いとのこと。

しかし、対魔物戦闘魔法学の授業が

一般倫理の時間とカブッてしまっていた。

ずらすこともできないので、

6年の対魔物戦闘魔法学の方に出るように

と言われたらしい。


いきなり研究室の方とか。

大丈夫かな。

それに、特別扱いですけど…。

大丈夫かな…。


今日は世界学の授業に出る。

支度をして寮を出ると、

エリーちゃんが立っていた。

その横には小さな男の子が。

どちら様?


「おはよう、リリア。」


「おはよう。エリーちゃんどうしたの?」


「今日は世界学の授業だろう?

教室まで送っていこうと思っていたんだ。

この子もいたしな。

エリオット、挨拶を。」


「エリオットと申します。

リリアさん、よろしくお願いします。」


わー礼儀正しい子。

しかも、小さくて可愛いなー。


「改めて。リリアと言います。

よろしくね、エリオット君。」


移動の間、聞いた話だと、

エリーちゃんとエリオット君は近縁なんだそう。

今年、エリオット君も魔法学校に

入学することになったので、

エリオット君のご両親から軽いお世話や

剣術の稽古を頼まれてたとのこと。

私に紹介したのは、

授業の時、少しでも知った顔がいた方が

お互い心強いのではという配慮のようだ。

エリーちゃん、面倒見がいい。


「世界学はちゃんと聞いていれば、

問題はない。じゃあ、後で。」


エリーちゃんが見えなくなった頃、

後ろからため息が聞こえる。


「エリー姉様の頼みだからな、

一緒に受けてやるけど、

勘違いすんなよ!

女性を守るのも騎士の役目だって

言われただけだからな!」


さっきの礼儀正しい子、

どこに行った?

目の前には生意気なク…

ダメだ、これ以上は言ってはいけない。

…生意気なお子様が。

勘違いってなんだ?

俺に惚れんなってこと?


「ふっ!」


思わず笑ってしまった。

まさかー。

お姉さん、ショタじゃあないですよ〜?

といってやりたい。


「今、馬鹿にしただろ!

失礼な奴だな!

…バカリリア!」


10歳くらいの子供の罵倒に腹を立てるほど、

子供じゃないわよ?


「ハイハイ、授業に行きますよー?

エリオット君?

ちゃんと騎士の仕事しないとエリーお姉様

他の男にとられちゃいますよー?」


ふん!と慌てて私の前を歩くエリオット君。

ちょっと大人げなかったかしら?

まあ、私も大人じゃないからね。

これくらいいいでしょ。

軽く事実だし。


着席してしばらくすると、

見覚えのある先生が。

初日にみたおじいちゃんだ。

世界学の先生だったんだー。


「世界学と一般倫理を担当している

ルーロウという。

皆、しっかり勉学に励むように。」


あのおじいちゃん、迫力あるなぁ。

こないだも怖かったし。

すると横でエリオット君が

キラキラした目でおじいちゃんを見ている。


「やっぱり威厳があって素敵な方だな!

ルーロウ様。」


「?有名なの?」


「バカっ!ルーロウ様はこの学校の校長で

有名な魔法使いだぞ!」


「えっそうなの?!」


「そこ、うるさいです。」


「「すいません…」」


…怒られた。






















読んでくださってありがとうございます!

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