49.特別ってなんだろう?
カール先生が教師に入ってくる。
「希望者は揃ってますかね?
今来てない人はもういいでしょう。
説明始めます。」
バッサリいったな。
後で問題にならないのか
こっちが心配になってしまう。
「私の想定より人数がかなり多いので、
グループわけして、週に1回個別に指導します。
空いた時間は自分でしっかりと研究を行い、
疑問があったら自由時間か次回授業で。」
女子と男子を混ぜて4人くらいのグループを
ランダムに作っていく。
「…以上のグループです。
個別指導になりますので、
今週はこの授業は休みとします。
来週からグループごと、
指定した曜日で授業します。」
「グループ、わかれちゃったね…」
残念そうな小声でシャロンちゃんが言う。
私も残念そうな顔で頷く。
シャロンちゃんと別なグループなのもそうだが、
さっきのチャラ男と多分同じグループなのだ。
同じ名前の別人だといいなぁ…。
あとは女の子が2人。
どの子だかわからないので、授業の時挨拶しよう。
「本来なら今日研究テーマを聞こうと思ったのだけど、
人数も多いので、来週、個別に聞くことにします。
よって今日はこれで終了です。」
ざわざわとみんなが席を立つ。
「あ、リリアさんはちょっと残ってて。」
下級の授業のことだなと思って
私は返事をして待つことにした。
シャロンちゃんは先生がこちらにくるまで残って、
来たら声をかけて帰ると言っている。
私をダシに話をしようという考えらしい。
ちゃっかりさんめ!!
「先生、私は特別に1人で指導してくれませんか?
私のような優秀な生徒をまとめて指導なんて!」
1人の女生徒が詰め寄っている。
「人数が多いのです。
君だけ特別に1人というわけには…」
「今年6年に入学の子いるって聞きました。
彼女は特別で私は違うと?」
「彼女も研究の授業には参加しますし、
グループに入ってます。
特別ではありません。」
カール先生、頑張れ!
モンスタークレーマーに負けるな!
するとシャロンちゃんが小声でいう。
「あの子、ミアッキちゃんって言うんだけど、
何かにつけて自分は特別だ、
優れてるって言うの。
なーんかみんなを見下してるって言うか…」
「…なんか感じ悪いね…」
「そうなんだよね…。
だから気をつけてね?
彼女確かリリアちゃんと同じグループだったよ。」
えー。マジでー。
カールさん、彼女を特別扱いでもいいよ?
面倒だから。
そう思っていると、
もう1人の面倒だと思っている
男子が声をかけてくる。
「リリア、同じグループで光栄だよ。
毎週君美しい姿が眺められるなんて。
僕は幸せだ!
ではまた来週。御機嫌よう。」
御機嫌ようを実用してる人、
初めて見たわー。
リリア扱いだし。
ため息を吐いて頭を振っていると、
「もう結構です!」
と言ってさっき生徒が出て行く。
どうなったんだか。
来週までわからない。
困った顔を貼りつけたまま、
カールさんがこちらにくる。
「リリアさん、お待たせ。
あ、シャロンさんも時間があったら
居てください。
リリアさん1人と話してると
また特別扱いだとか騒ぐ人がいるので…」
シャロンちゃん、
カールさんが困ってるんだから、
小さくガッツポーズしないの!!
読んでくださってありがとうございます。
学校のカリキュラムとか設定が微妙に狂う可能性があります。
一応気にしてますが…ふわっと進めていってるので。
お気づきのことがありましたら、指摘して頂きたいです。