48.チャラ男
今日から魔法学校の授業が始まる。
食堂での時間などでを利用して、
シャロンちゃんや、エリーちゃんから
ざっくりした学校の仕組みを聞いた。
魔法学校は大体10歳から入学する。
1年から3年次は世界地理や歴史、宗教、計算術、
一般倫理、魔法基礎、生産基礎、魔物の生態などを学習し、
4、5年次に実践魔法学を学ぶ。
魔法薬学、錬金、航海術、生産魔法、対魔物攻撃魔法などだ。
6年次には5年次で学んだ中から自分が深く研究したいものを
各自学ぶと言った感じだ。
6年次はクラスでの授業はほぼないが、
各自研究の授業があるらしい。
私は研究やらないけど、どうするのかしら。
授業は基本1日4コマ程度しかない。
鐘が鳴り、鐘がもう一度なったら授業は終了。
残りの時間は各自練習や予習、復習に当てろと。
そういうことのようだ。
私は知らなかったのだが、この世界の1年が14ヶ月だ。
今が9の月。14の月と1の月は
新年を家族で祝うため学校は休み。
7の月と8の月が新学期への切り替えでお休みとなる。
そして1ヶ月は25日。
微妙に元の世界と違うが、
1年の日数はそこまで変わらないようだ。
曜日は7曜制で月火水木風土天となっている。
天の日はお休みだ。
講堂に人が集まる。
自分がやりたい研究を今日、
先生に提出することになっている。
提出したら、先担当の先生のところに移動して、
オリエンテーションを受けるようだ。
一応カール先生の研究室名を書いて提出する。
結局ダイエットの魔法を研究すると言っていた
シャロンちゃんは、
痩せ薬を作ると言って、
カール先生の研究室にしたらしい。
ただ、カール先生の研究室に
入りたかっただけな気がするんだけど。
エリーちゃんとエヴァルドルフくんは
対魔物戦闘魔法の研究をするらしい。
やっぱり2人一緒だった。
…もうくっついちゃえばいいのにね。
「リリアちゃーん、一緒に行こう?」
カール先生の研究室まで
シャロンちゃんに連れて行ってもらう。
カール先生の魔法薬学は人気らしく、結構人がいる。
女子率が高い気がするけど気のせいかな。
シャロンちゃんと座っていると、
「君のような美しい人がいたなんて。
気付かなかった僕の目は節穴かもしれない。
僕はマリオ。君の名前は?」
トリハダモノのセリフを吐く男子がそこにいた。
思わず、シャロンちゃんに
このおかしい人がどうする?
という目線を送ったのだが、
シャロンちゃんはニコニコしているので、
「えーと…今年入学してきたものですから。
名前はリリアといいます。」
と引きつった笑顔を浮かべて名乗っておいた。
「僕もこの研究室に参加するんだ、
よろしく。」
と言ってウインクして去っていった。
大きなため息をついて、
「あんなセリフ吐く人初めてみた…」
とゲンナリして言うと、シャロンちゃんは
「あれはリリアちゃんに対する褒め言葉だよー?
女性としては喜ばしいことじゃないの?
それにマリオくん、カッコイイって
人気あるんだよ?」
は…?
あのセリフはこの世界の女子には人気なの?
よくわからない。
顔もさっぱりした、
元の世界でいう塩顔という系統の
イケメン?なのかもしれないが、
あのセリフだ。
正直ない。
私が嫌そうな顔をしていたせいか、
「じゃあさ、リリアちゃんが
好きな男性のタイプってどんな人?」
とシャロンちゃんが聞いてくる。
うーん…
一瞬だけ、残念な性格のイケメンのことを
思い浮かべてたが、頭をふる。
違う、あんなのタイプなんかじゃない。
しかも、あれは兄だ。その上、残念な。
とりあえず、
「頼り甲斐があって優しい人かな?」
と差し障りのない答えを返しておいた。
読んでくださってありがとうございます!
世界人口、魔法使いの希少性など考えて生徒数を計算していたら
頭がパンクしたので、あえて規模は書きません…。
ふわっとした感じでお願いします。