44.入寮
エリーちゃんも寮に戻る途中だったらしく、
一緒に戻ることにした。
この子、元の世界で中がよかった陽子と似てるかも。
強くて、正義感も強くて…
なんかイマイチ顔がちゃんと思い出せない。
結構月日経っちゃってるからなぁ…。
そうこうしているうちに寮のに着いた。
「寮母さーん!
新しい子きたよー?」
「はいはい。シャロンさんは元気ね。
私は寮母のシミです。
よろしくね。」
「リリアです。ブレイ大陸から来ました。
1年間ですが、よろしくお願いします。」
私はペコリと頭を下げる。
「あらあら。ずいぶん礼儀が正しい子ね。
領主さんの娘さんか何か?」
「いえ、田舎の庶民ですよ?」
「あら、ずいぶんしっかりしてたもので。」
「リリアちゃん、また後でねー!」
説明があるようなので、
シャロンちゃん達は自室に戻るようだ。
寮は広い。
ちょっと迷子になりそうだ。
学校のほとんどの子は寮生活だ。
ホーリーテイルは縦長なので、
ここ出身の子でも遠方なら寮生活となる。
女子寮はここだが、
男子棟は職員宿舎を挟んで反対側にあるらしい。
長期休みは閉寮となるそう。
それぞれ地元に帰る。どうしても帰れない子は
職員宿舎に行くらしい。
…よかった、長期休みあるわ。
寮は基本2人部屋で、
上の学年の子が下の子をお世話する。
3年生と1年生という具合だ。
生活ルールや勉強も教えたりもする。
6年生が卒業すると、今度はお世話する方になる。
途中から入る子は部屋の具合で
初年度だけ1人部屋になることもあるそうだ。
私は1人部屋となった。
もしかしたらカールさんが配慮してくれたのかもしれないが、
多分たまたまだ。
だって、カールさんだもん。
ご飯は食堂で2食。
朝と夕。これはシリルさんちでも一緒だった。
そして寮内での攻撃魔法禁止。
…そりゃね。
暴力行為、窃盗行為は学校全体で禁止。
当たり前だよ。
そういえば、さっきの男子生徒達、
どうなったんだろう…?
きっと教育的指導されてるんだろうな。
あまりに生活態度が酷いと退学になるが、
一生監視下に置かれるらしい。
魔法を悪用して戦争でも起こされたら
大変だしね。
その代わり、卒業できれば魔法使いとして
活躍できる。
まぁ、亜人には魔法が当たり前なんですけどね…。
学校に来る人はそこまでいないみたいだけど。
「ここがあなたの部屋よ。
今日の夕飯まではゆっくり休んでね。」
「ありがとうございます。」
戸を閉めると、ベッドに寝転がる。
「あ゛ー久しぶりのベッドだー」
船旅の間はベッドなんかない。
しかも、ずっと船酔い。
私は少し眠ることにした。
ブックマークしてくださった方々ありがとうございます!
先ほど、コレを書く前に、◯ー娘の「愛の軍◯」聞いてびっくりしました。
なんとくリリアじゃん?って。
1章最後にねじ込みたかったけど、曲調的にやめました。
リリアにいつか歌わせたいな。




