41.チュートリアル④
読んで下さっている方々がいなかったら30部くらいで挫折してたかもわかりません。
アクセスしてくださった方々に感謝しております。
ここから2章に入ります。
「うーぅ…気持ち悪…」
只今絶賛船酔中でず。
あと9日とか耐えられない。
船酔直す魔法とかないのかな…。
というか人魚なのに酔うとか
どうなんだろう。
「ガール゛ざん…気持ぢ悪い゛」
「ここで吐かないでくれよ?
あったかな…。あ、コレ飲んで。」
「お薬…?」
カールさんのお薬は時間が経ってから効いてきた。
「お薬効いてきて少し楽になりました。
あのお薬って?」
「生薬を混ぜたものだよ。
船酔とか二日酔いに効くんだ。
人魚に効くかはわからなかったけど。」
わからないで渡したのか、この人は!
まぁ、結果効いたからよかったけどさ…。
確かに人魚いないから効くかなんかわかんないよね…。
そう思おう。思わないと切なくなる。
そういえば、具合がいいうちにお話聞いておかなきゃ。
「そういえば、最高学年に在籍するって言ってましたけど、
私、全然地理とか、歴史とか…
一般的なことわからないんですけど、
大丈夫なんですか?」
「あぁ、下級クラスの授業を受けてもらうよ。
実際、10歳から入らない子もいるからね。」
「すっごいみっちり授業になるんじゃ…?」
「最高学年はほとんど授業はない。
研究や専門分野を各自勉強する。
そこを免除できない下級クラスに回せばいい。」
なるほど。
ケイさんの言う通り、なんとかなりそう。
でもその説明、聞かなきゃしなかったよね?
ニールさんと違う意味で残念な人な気がしてきた…。
聞けることは聞いておこう。
じゃないとこの人は
聞かれなかったから言わなかった
とか平気で言う人な気がする。
「そういえば、こないだの試験の時、
すごいって言ってたのはどういうことなんですか?」
「それぞれひとには魔力量っていうのがあるって
知ってるよね。
一般的な人がこのコップだとして、
一般的なクラーケンはこれくらい。
そして、リリアちゃんが、コレ。」
小さいコップとジョッキ、最後に桶を出してきた。
ところで、そのコップ達はどっから出てきた…?
気にしちゃ負けなの…?
「このコップに水が入ってると水が使える。
空ならば?」
「水は使えないですね。」
「そう、容器に水を注がなくちゃいけないんだ。
きっちり容器に注がなかったら?」
「こぼれますね。」
「大容量の容器にちゃんと貯める能力。
リリアちゃんにはそれが備わってる。」
シリルさんの練習ってちゃんと
注ぐ能力の練習だったのかな…?
「人が魔法を使うにはこの容器の
蓋を外さないといけないんだ。
無理に外そうとしても外せない。
でも、ふとしたことで開くことがある。 」
封印しても使える人がいるのはそういうことなんだ…
でも蓋が開いただけでも中身が入ってなければ使えないし、
中身が入っていても、蓋が開かなければ意味がない。
だから人の魔法使いは少ない。
あ…なんかまた気持ちわるくなってきた…。
「カールさん、船酔の薬ってまだあります?」
「もうないけど?」
うぅ…
薬の話の方を詳しく聞けばよかったかな…
そうすれば魔法でどうにか出来たかも。
もう遅い。
私は到着まで船酔に苦しむことになった。
読んでくださってありがとうございます!