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40.船出

あっと言う間に月日が過ぎ、

魔法学校に出発しないといけない日がやってきた。


そんな持ってくものないし。

必要そうなものはシリルさんが揃えてくれてたし。

そう思ってギリギリまで荷造りをしなかったので、

昨日の夜からバタバタする羽目になった。

本当、私、学習しないなぁ…。


バタバタした割に荷物は少なかった。

着替えとお手紙用の筆記具、当面のお小遣い、

身支度を整える道具などなど。

コレを防水をかけた袋に入れていく。


防水の魔法は直前に習ったのだが、

防水をイメージする歌が無く、

苦肉の策でハトが飛ぶ某製薬会社のCMを

コートと替え歌してみたが、微妙に水シミするので、

結局シリルさんにかけて貰った。

やっぱり替え歌はダメか。


船は昼過ぎに出るので、

シリルさんとニールさんは船まで見送るとのこと。

カールさんは大陸の方で待っているらしい。


お留守番係で来ていたコールさんに別れの挨拶をする。

今日は夫婦で来ていた。

奥さんのルルさんは初めましてですぐお別れだったが、

魔法学校の様子が気になるらしく、


「長期休みの時帰ってきたらお話聞かせて!」


目をキラキラさせて言われてしまった。

長期休み、あるのかな?

多分あるよね。

あってください。お願いします。


2人に挨拶をして大陸に出発した。



大陸には昼頃についた。

前にも来た岩場で支度をして港へ移動し、

カールさんと合流する。

ちょっと早かったかなと思ったが、


「さあ、買い物するで!」


とシリルさんに手を引っ張られる。

なんでも、私の洋服を一緒に買えなかったのが

心残りだったようで、

買い物するために早くでたんだとか。

ニールさんとカールさんは

「虫除け」ということで同行してもらった。

虫って…

「オカンの愛のムチ」出されるよりいいが。


最低限しかなかった洋服の量が

ある程度余裕がある量になった頃、

そろそろ出発となった。

ライザさん、ケイさんも見送りに来てくれた。

あ、ラウルさんも。


「カール、リリアちゃんのこと、頼むで!

リリアちゃん、元気でね。

困ったらカールになんでも聞くんよ。

お手紙はいつでも書いて来てええのよ。

おやすみの時は時々顔、見せてね?」


シリルさんは泣いていた。

私も今までのことを思い出して

思わず泣いてしまう。


「本当、ありがとう…。

手紙も書くし、帰れる時は帰ってくるから…

あ、そうだ…コレ…」


私は偽証石をシリルさんに渡す。

ずっと借りっぱなしの偽証石。

自分のものあるので返すことにした。

もっと早く返すべきだったんだけど、

バタバタしてて今になってしまった。


「それは持って行き…」


「じゃあ…私のと交換。

ちゃんと卒業したらこっちもらいにいくね。」


変化が切れないように気をつけながら、

偽証石を交換する。


「お母さんも元気でね…。」


初めて直接お母さんと呼んでみた。

本当にこの世界でのお母さんみたいだから。

シリルさんは私を抱きしめて、

背中をさすった。

離れるとライザさんの横で顔を覆って泣いていた。


「リリアちゃん、元気でね。

魔法学校でもケイの服着てね?」


「元気で。」


ニールさんが私の前に立ち、


「リリア、元気でな…」


そう言って、私を抱きしめた。

家族以外の男性に抱きしめられるなんて

なかったので焦ってしまう。

茶化すつもりで言う、


「うん…お兄ちゃんも。」


あれ、デレない…。

優しく笑っていた。

……。


「時間がないから行こう。」


カールさんに

促されて船に乗る。


甲板でみんなに手を振る。


某大手アイドルグループの絶対的エースが

卒業の時に歌った歌を歌う。

みんなに聞こえるように。


感情が入りすぎて、

ほんの少しだけ魔力がのってしまったので、

シリルさんが苦笑している。




みんなとお別れは寂しいけれど、

目標に向かって。

歌いながら心で思う。

そして…最後にニールさんに抱いた感情には

気づかないフリをした。




















ブックマークしてくださった方々、ありがとうございます!

ニールさん、シリルさんとは、しばしお別れです。

私自身、書きやすい(口調以外)キャラなのでまた出したいなとは思ってます。

10月から新章です。

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