34.雪だるま
今日は試験(仮)の2日目。
昨日、カールさんもだいぶボコボコにやられてたので、
心配してたのだが、大丈夫そうだ。
クラーケンが丈夫なのか、
この家の人が丈夫なのかは定かではないけど。
「今日は許される範囲ギリギリまで
力を使ってもらうよ。
オカン…じゃなかった、
母さんがいいって言うまで限界まで
力のせて詠唱してみて。」
「なんの魔法でもいいですか?」
「いいよ。」
ギリギリまで使うんじゃあ、
あんまり迷惑じゃないやつで、
効果がわかりやすいやつ。
あれがいいな。
遊べるし。
どっちがいいかなー。
迷った挙句、姉妹が活躍する
ディ◯ニー映画の主人公が幼少期に歌う歌にした。
魔力をのせる。
シリルさんが手を挙げた。
ここでストップ。
詠唱は維持。
ちらちらと雪が降り始め、
大きな雪だるまが出来る。
とってもでっかいのが出来てしまった。
家と同じくらい。
まずった、迷惑かかった…。
「びっくりだよ!
ちなみにこれ何回くらい出来る?」
「何回も使ったことがないので…
半分も使ってない感じです。」
カールさんはすごいすごいと言っていたが、
何がどうすごいのかよくわかんないんだけど。
「入学試験は合格だよ。
いくつか授業も免除できそうだし、
年齢的にも最高学年に1年くらい在籍すれば
いいんじゃないかなと思う。」
ん?そうなの?
入学するけど、詳しい話知らない。
「 2ヶ月ぐらいしたら新学期が始まるから。」
そういうとカールさんは帰っていってしまった。
「手紙書かないと忘れて迎えに来なそうやなぁ。」
シリルさんは呆れ顔で呟いてた。
魔法学校への入学が決まったので、
その日、私はケイさんに手紙を書いた。
シリルさんが魔法学校のことなら
ケイさんに聞く方が詳しいことが聞けると言っていたし、
学校に行く前に大陸に行こうと思ったからだ。
数日後、帰って来たケイさんの手紙は
本人の喋り口調とは違い、
お茶目でかわいい手紙だった。
魔法学校は10歳から16歳の子が通うそうだ。
私は大体15歳なので1年しか通えない。
完全に履修出来る訳ではないが、
1年もあれば教養科目はぐらいは大丈夫だろうと。
更にカールさんがいくつか免除出来ると
言うなら尚更平気だということだった。
【カールさんは詳しい話をしてくれなかったから。】
と書いたら、【あの人はそういう人なんだよ】と
お返事に書いてあった。
2人は知り合いみたい。
折角大陸に行くなら、巫女さんの仕事も見てみたいと思って
聞いてみた所、近々祭りがあるそうだ。
その時にいってみたいとシリルさんにお願いしてみようと思う。
ちなみに試験で作ってしまった雪だるま、
帰って来たニールさんが「変な形しとんな」とバシバシ叩いていたので、
「そうだねー」といってごまかしておいた。
そして溶けずにしばらく残る。
あまりに溶けないので、
5人組アイドルの常夏曲で溶かしたのはここだけの話だ。
ブックマークしてくださった方々、ありがとうございます!
ハロプ◯の曲も出したいんですが、中々難しくて。
もっと精進したいと思います。




