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29.街へ

「せや、街に行こう」


シリルさんが

そうだ、京◯に行こうみたいなノリで言ってきた。


水着は出来上がってるけど…

人魚はクラーケンの街に行って大丈夫だろうか?

シリルさんは


「大丈夫!大丈夫!」


と言っているけど、

不安だ。


ニールさんは


「俺も行く!」


と言っていたが、

シリルさんに


「仕事!」


と一喝されて泣いていた。

ちゃんと仕事に行く辺り、ニールさんは真面目だ。

…ただシリルさんが怖いのもあるんだろうけど。


朝御飯を食べたら出発。


「どれくらいで着くんですか?」


「せやねぇ、お日様が一番高くなる前には着けるかなぁ?

日が沈むまでには帰らんとな。」


シリルさんが本気で泳ぐと多分ついていけないので、

一応、例のメタルアイドルの歌で身体強化を図っておいた。

結論から言う、これは正解だった。


「着いたで!!」


お日様が高くなる前に本当に着いた。


「わー!!すごい!」


海中都市だ。

真ん中には某テーマパークで見たような

城が立っている。


「シリルさん、真ん中のはお城ですよね?

王様いるの?」


「せや。クラーケンは王政。

貴族とかはおらんの。

地域の代表が王を交えて

話し合いして国の方針を決めるんよ。」


へー、結構近代的だなぁ。

絶対王政じゃない。


街の中は不思議だ。

海の中なのに、普通の陸のようだ。

泳ぐことはできるのに。

陸みたいっていうと人魚で世間知らずなのに

なぜ陸の生活知ってるのかということになるので

黙っておくことにした。


「人間の生活に近いんよ。

みんな陸に上がった時に勉強して持って帰ってきたんらしい。」


「嵐が来た時ってどうなってるんですかね…。」


「それこそ村を維持する魔法ってやつ。

それが必要だから私らのご先祖様は魔法が封印できんかった。」


そういう魔法だったんだ。

古代魔法ってやつかな。


「それよか、リリアちゃん、

あっちのお店行ってみよ!」


私はシリルさんに手を引っ張られて、

手近なお店に入っていった。




女性向けのアクセサリーや洋服のお店では

ウインドウショッピングも楽しめたのだが、

路上や男女関係ない店では男の人から声をかけられて

正直、買い物どころではなかった。

そのたびシリルさんが追っ払ってくれたのだが、

シリルさんもちょっぴりウンザリして

最後の方は必殺「オカンの愛のムチ」で追っ払おうとしていた。

危ない、死人が出る。


鏡を見て、「美少女になれた!」と喜んだが、

こういう面倒くささもあるのかと実感した。

松永さんもこんな感じだったんだなぁ。

そりゃ、スルー耐性もつくわ。


人魚だというのに、そこには誰も触れなかった。

あ、そうなの?程度で。

そういえば、シリルさんも人魚さんやー程度だったな。



クラーケンの街を出て、家路につく。


「大変だったけど、

シリルさんとの買い物、楽しかったです!」


「よかった、よかった。

私も楽しかったわ。」


2人で笑いながらの帰り道。

向こうからマーマンがやってきたのだった。





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