27.器用の方向性
ライザさんたちは帰っていった。
ケイさんが
「手紙、
書いて。」
と言っていた。
わからないことがあったら手紙を書いて。
ということのようだ。
手紙かー。
手紙なんてクラスで授業中こっそり回すヤツ以外書いたことないや。
メールですら最近は怪しい。
L◯NEでポン。だもんね。
ここには郵便屋さんが来るわけでもないし
どうやって送ってるんだろうなぁ。
こないだ手紙送るっていうときに見ておけば
よかったなー。
フクロウ便?それはハ◯ーポッ◯ーだけど。
案外ありうる。
今度お兄さんに手紙出すとき教えてもらおう。
紙と書くものも借りないと。
…高いのかな。
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今日は魔法の練習の後、
無理を言って武道の訓練に混ぜてもらうことにした。
もちろん、あの2人の手合わせについていくことは不可能なので、
ちょっとしたことを教わる程度だ。
武道とダンスは通じるものを個人的には感じているので、
習っておいて損はない…と思う。
練習着はケイさんが教えてくれた、
簡単なワンピースの下をパンツに変えたもの。
パンツの作り方は習わなかったけど、
ニールさんの持ってるヤツを参考にして、
なんとなくの形にした。
短いサロペットみたいな感じだ。
ちょっとダボダボするけど、
練習着だし構わない。
「リリアちゃん、もっと腰落として。
コレはこっち。そっちちゃうよ!」
…魔法の練習と違った意味でキツイ。
なんか指示された方向に向くと変なところが攣りそうだ。
「つま先はこっちで、膝がこっちな。
その方が踏み込みが楽にできる。
…あぁ、そうやってやると攣んで?
腰がこっち向かんと…」
…難しい。
毎日やればコツがわかるのかな。
「ニール、サボんな!!」
「わ、バレた!!」
ニマニマしながらこっちを見ていたニールさんに
「オカンの愛のムチ」が飛ぶ。
シリルさん、こういうことは器用。
「あとは取りあえず反復練習。
わからんとこあったら聞いて?
ニール、手合わせやんで!」
「へーい」
「へいやない!」
「はいぃ!」
…分かってるならやらなきゃいいのに。
達人級(多分)の手合わせの横で反復練習。
なんとなく、こうした方がやりやすいというのがわかってきた。
こうかな?というようにやっていると、
「リリアちゃん、もう少し内向き。
力が逃げてキレがなくなる。」
…シリルさん、やっぱり器用だよ。
なんで見えるんだろう?背中に目でもついてるんだろうか?
「変な癖でとるよ!」
コツ掴んだと思ったら逃げていく。
やっぱり武道は毎日の積み重ねが大事なんだと思う。
今後の課題だね。
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