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2.リリアさん?

「リリアさーん、リリアさーん」


私は遺書を書いたリリアさんを探していた。


自分自身の確認が忙しくて気づかなかったけど、

転生前に溺れた海より断然キレイだった。

色鮮やかな魚が泳いでいるし、いろんな海藻やサンゴが生えている。

緊急事態じゃなければ、ゆっくり見て回りたいくらい。


しばらくリリアさんを探しながら泳いで見て気がついた。

魚が私に不審な目を向けている…気がする。

なんでだろ…?

そういえば、私ってどういう存在なのかな?

魚が不審な目で見てくるぐらいだから、日本の伝承の人魚と同じ感じ?

いやいや、今はリリアさんを探さなければ!


そんなことを考えていると向こうから何かが泳いでくる。

リリアさんかもしれない。


「リリアさん?!」


「なに言ってんだ?リリアはお前だべ!

魚たちがリリアがおかしくなって戻ってきたって話してるから見に来てみたらぁ。

お前さん早くどっか行かねと、おっかさんに本当に殺されちまうぞ!」


訛ってる…。っていうより、目の前にいるのは…半魚人ってやつだよね。

そして、私がリリアってどういうこと?

情報が多すぎてついていけないよ。



「いけねぇ、おっかさんが来たど。リリアはあっちさ隠れとけ。」


半魚人のおじさんは私を岩場に隠しておっかさんという人の元へ泳いで行った。


「アレが戻って来たと聞いたけど…どこです?」


おっかさん、偉そうです。おっかさんも半魚人です。

あれ、どういうこと?ママはマーマンなの?

私人魚ですけど。あぁ、くだらなさMAX。


「アリア様、リリアは戻ってませんでした。魚たちの気のせいだったみてぃで。

ここはわしで捜索しますんで、アリア様はお戻りくだせ。」


「わかったわ。見つけ次第、追い出しておしまい。

後、アレに名前なぞもうないのよ。呼ばないで。」


「へぇ…」


半魚人のおじさんがおっかさんことアリア様と話してる間、

遺書らしい手紙を落ち着いて読んでみることにした。

手紙からわかったことは、

半魚人の両親から生まれた人魚であるリリアさんは、

小さい頃から差別されいじめられていたこと。

成人と同時に同じ人魚のいる地域に行けと追い出されてしまったこと。

それを悲観したリリアさんの遺書だった様だ。


…リリアさん、死んじゃったのかな。

死んじゃって私が身体もらったとか?

もしかしたら、私とリリアさんが入れ替わっちゃったのかも!

ってことは私も生きてる?可能性はある。

そんなことを考えていると、半魚人のおっちゃんが戻ってくる。


「リリアよー、おっかさんにも立場ってもんがあるからよぉ、

あんなこと言ってんだぁ。しばらくほとぼりが冷めるまで集落さ離れろ。

時間が解決してくれると、わしは思うんだぁ。

それまで頑張れぇ。」


そういいながらおっちゃんは何かを手渡してきた。

なんかキラキラしてる石。キレイ。


「うん…ありがとう。」


よくわからないけど、おっちゃんにお礼を言って、私は来た道を戻る。

おっちゃんは見えなくなるまで手を振っていた。


泳いで戻って来たけど…これからどうしよう?



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