24.ワガママ。
魔法学校、すぐに入れないんだ…。
実はシリルさん、諦めさせるために…?
シリルさんが困った顔しながら
弁解を始めた。
「 騙すとか、諦めさすとか、
そういうつもりやないんよ?
本当に魔法学校に通った方がええとは思うんよ。
さっきの理由の通り。」
確かに理に適った話だったもんね。
「なんだか急にリリアちゃんが
消えて行ってしまいそうな気がしたんよ。
せやから、リリアちゃん、
もう少しだけ私のワガママに付き合って?」
シリルさんが泣きそうな笑顔こちらに向ける。
住まわせてもらって、
魔法も教えてくれて。
こちらの都合でハイ、さようなら。
ワガママなのはこちらな気がしてきた。
私、ここに来て何にもしてない。
「ワガママなんかじゃ無いです。
魔法学校に入学するまで、よろしくお願いします。
ここでの生活に必要なこと、色々教えてください。
これからは、お仕事のお手伝いもしたいです。」
私は頭を深々と下げた。
「リリアちゃん、頭上げて。
…ありがとう。」
シリルさんは、また私を抱きしめた。
ニールさんは何も言わずに後ろを向いていた。
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オヤツに乾燥リーブラを食べてしまった私とニールさんは
夕飯を食べずにダイニングでお茶をしている。
シリルさんは軽めなサラダが夕食だ。
「その乾燥リーブラそんなすごいん?
あ、今サラダ食べんで、それにすればよかったなぁ。」
「俺みたいな魔力が少ないんには無用やけど、
にーちゃんやオトンには必要な気がする。」
「あぁ、せやね。手紙でも書いとこか。
リリアちゃんの件もあるし。
ニール、そろそろ時間やで。
リリアちゃん、片付けするから手伝って?」
「はーい!ニールさん、行ってらっしゃい。」
「おう、行ってくるでー。」
ニールさんはいつも通り出て行った。
片付けを手伝うために私はキッチンに入る。
こっちのキッチンってどうなってるんだろう。
…案外普通。
水は?この島水湧いてるのかな?
それとも海水?
「水は魔法で作るんよ。『水よ!』
今日はこれ使うてね。
そのうちリリアちゃんにも魔法で出してもらうからね。
これで洗ったらこっち貸してね。」
「はーい!」
「『乾燥』で、しまう。」
「わー便利!!」
…ん、でも。
「シリルさん、海の中でもキッチンってこんな感じ?」
「少なくともクラーケンの街ではそうやね。」
海中なのに?
本当に私、知らないことが多すぎるかも。
「今度、クラーケンの街に行ってみたいです。」
「ホンマ?じゃあ、今度時間作って行ってみようね。」
「あと、学校行く前にちょっと練習がてら、
大陸にも行ってみたいです…。」
「せやね。お母さん、リリアちゃんとお買い物してみたいわ。」
「いいですね、お買い物!楽しみです!」
シリルさんと今後の予定を計画して、
夜は更けていった。
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