22.ちはやふる
午後はシリルさんとニールさんが手合わせするらしい。
手合わせってあれだよね?
武道とかの。
私は正座(魔法の練習)以外やることがないので、
2人の手合わせを見てることにした。
「(オカンの本気は死にかねんから)
こっちでお願いするで。」
ニールさん、余計なことを。
どうやら人間ver.でやるらしい。
「なんか余計な言葉が聞こえた気がするけど、
そっちで自分大丈夫なん?
拘束攻撃とか出来へんでっ!」
ニールさんの心の声はスルーしないシリルさん。
初撃を入れに懐に入ろうとする。
ニールさんはそれを躱し、背後に回ろうとする。
シリルさんは即体勢を立て直し、反撃に出る。
すごい。
踊ってるみたいに見える…。
そういえば、人間ver.になってからの身体能力って
どうなってるんだろう?
人魚ver.では泳ぐのは早いってことは知ってるんだけど。
ニールさんとシリルさんの手合わせは
激化しすぎてもう素人にはよくわからない状態なので、
ちょっと身体を動かしてみることにした。
前屈。
おぉ、やらかい気がする。
開脚。
できちゃった!
これ嬉しいな。
ヒレのままだと開脚なんてできないし。
立ちブリッジ。
出来たー!
このまま足の間から顔だしたりしたら雑技団だけど、
それは無理そう…。
元の世界にいた時よりはやらかいかな…。
泳ぐのは早いし、体力もそれなりには上がった感はある。
種族的な上がり幅って感じかなぁ。
チートにはほど遠いわ。
あ、でも、アレできそうかなぁ。
開脚蹴り。
前に練習したけど、
本物みたいに綺麗に足が上がらなかったんだよなぁ。
テクノアイドルグループのあの曲。
拳法がフリに入ってる、あの曲。
歌うのは危なそうだし、
アレは歌いながら踊るの難しいし。
なんとなくハミング。
ハミングでも魔力乗せないように気をつけてっと。
おぉ、足が上がる。
でもアレ、確かヒールで踊ってたからもっと凄いんだよね。
ヒール履いたら踊れなそう。
そんなことを思ってたら、視線を感じる。
あ、シリルさんだった。
ニールさんは足元に転がってる…。
ドンマイ!
「リリアちゃん、踊りも出来るんやねぇ。
踊りも出来て、歌も歌えるなんて、
巫女さんみたいやねぇ。」
あ、要◯さんズも言ってた巫女って単語出てきた。
でもそれって伝説の人じゃないの?
「シリルさん、巫女ってアイリって人じゃないんですか…?」
「え?確かにアイリさんも巫女やったけど…。
巫女っていうのは歌と踊りを神様に捧げる職のことや。
女の子に人気の職業やで。」
え?職業なの?
ちょっとアイドルっぽくない?
「お祭りの時とか、儀式の時歌って踊ったり。
一部では巫女さん目当てで儀式に参加する人も居るとか居らんとか。
設備を改修するって時、
歌と踊りをやって募金募ったりもするらしいで。」
それ、ファンだよね?
え?巫女=アイドル?
「誰でもなれるんですか…?」
「誰でもってわけやないけど、
なるのには資格とかは特にいらんはずやで。」
もう、巫女=アイドル確定。
私の中で。
「私、巫女になれますかね?」
「リリアちゃんやったら、なれるかもしれへんね。」
「じゃあ、私、巫女になりたいです!」
「お兄ちゃんは反対やで!」
なんか面倒くさい人出てきた!
ブックマークしてくださった方々、ありがとうございます!
やっとアイドル目指します。
サブタイトルは意味を調べたら、いいかと思えたので。