16.チュートリアル③
昆布(仮)改めリーブラのことが分かったところで、
色んな事知りたいな。
チュートリアルの機会プリーズ!!
「シリルさん、私、マーマンの両親から生まれたんですけど、
みんなと違うからってお家にいたし、何も知らないんです。」
シリルさんもマーマンってところでピクってなったけど、
すぐに元の表情に戻った。
ニールさんもそうだったし、
クラーケンにマーマンの話題はしちゃいけないのかな?
折角よくしてくれてる人に不愉快な思いはさせたくはない。
クラスで人気者グループに所属「させてもらってた」身だ、
それくらいの空気は読めるつもりだ。
「だから、魔法のこともよくわからなくて。」
「あらぁ、そうなん。
まず、魔力は誰にも流れてるんよ。
向き不向きはあるんやけどね。」
へー。あれ、本の内容と違う。
「人間は使える人が少ないって、
迷子になった時拾った本に書いてあったんですけど、
人間も誰でも使えるんですか?」
「誰にでも流れてるんやから、ホンマには人間も誰でも使えるんやろね。
でもな、数千年前、人間が魔法を使って大規模な戦争を起こしたん。
人間以外の種族も巻き込んで、その戦いは激しくなって行き、
そのせいで、世界は衰退して行ったんよ。
それを止めたんが、アイリっていう巫女さんでな、
誰もが振り向く美貌と歌声でその戦争を止めさせたん。
その時、もう戦争を起こさんように、
人間は必要以上に魔法使いが増えんように、
魔法の使い方を封印したってわけやね。
それでも、才能がある人がおったりするから、
間違った使い方せえへんように学校作ったってわけらしいんよ。
数千年の話やし、本当か嘘かわからんけどねぇ。」
「シリルさん、物知りですね〜。」
「そりゃー、この辺の警備してるんも、
この事に関係してるからねぇ。」
「なんで歴史が警備につながるんです?」
「人間が魔法を封印したけど、他の種族は魔法がないと村すら維持が難しくなるし、
人間の戦争に巻き込まれた形だから封印せんかったんね。
したら、悪い奴は何処にでもおって、
他の種族の子攫って自分に都合いい魔法使いを育てようとか
考えた奴がいたんよ。
せやから、そういう奴から身を守るためにこの辺に警備が必要になったんよ。
偽証石使うのも同じ理由。
最近の人間はそんな事忘れてしもて、
この辺の海に行くとなにされるかわからんから近寄らんって感じやね。
まぁ、ホンマの魔物も時々出るし。」
「魔物?!」
「せや。悪意と強い魔力が合わさると、
魔物に変質するっていう伝説なんよ。
戦争もこのせいで起きたって。
数千年前の戦争の影響で魔力の強い地域に時々出てきたりするらしいんよ。
数百年単位でごっついのは出てきてへん。
一発シバけばやっつけられる程度やね。
まぁ、いないに越した事ないから湧くキッカケ与えるのは禁止なんよ。」
「キッカケって?」
「魔法を乱発する事やね。」
…私、無自覚に危ない事しまくってたわ。
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