14.全然チートじゃなかった。
昨日も一話だけ更新してます。
あの石、偽証石っていうんだ…。
ドレッサー発見した時に
これに入れとけば流されないわ!私、頭いい!
とか言って、しまってきちゃったよ…。
渡してくれたマーマンのおじさん、ごめんなさい。
そんなスゴイアイテムとは知らず、
拾ったドレッサーにしまったりして。
「おーい、聞いとるかー?
人の話はきちんと聞くって言うたやろ!」
スパーンと叩かれる。
「いたぁ…くない。あんまり。」
「あ、さっきのは足やったからな。足の方が力あんねん。
今は足もコレやし、加減したった。(妹やしな!)」
初対面の人に容赦なくない?!
っていうか妹じゃないし!
…とりあえず、マーマンのおっちゃんからもらったの偽証石は、
明日にでも取りにいこう。うん、そうしよう。
シリルさんが着替えを持って来てくれて、
ぐるぐる巻きの海藻を外して着替える。
ニールさんは
「妹の着替えを覗くのはセーフ」とか残念なセリフを吐いて、
シリルさんにボコられていたので、見なかったことにする。
「やっぱり似合うわー。
私の若いころのワンピースなんやけど、
いつか着ると思ってとっといて良かったわー!」
「そのいつかは一生来な…」
以下略。…私は何も見てません。
「じゃあ、これ、使ってみますね。」
初めて自覚して魔法っぽいことをするって緊張するなぁ。
……………
何も起きませんけど?
「…ニールさん、呪文とか教えてくれません?」
「あ?あー別に固定の呪文とかないんよ。
イメージしやすい言葉で大丈夫なはずやで。」
「ちなみに、ニールさんは?」
「俺は…あ、オカンはどうしてるん?」
「私はふつーに『変化』でなるで。」
「変化!」
…………
「おっかしぃなぁー。『変われ』とか片っ端から試してみ?」
…いくつか試したがどれもハズレらしい。
「ところで、ニールさんは何て唱えてるんですか?」
「いや、俺のは特殊だから参考にならへんよ!
もっと別なの試してみたらいいとオモウヨ?」
なんか口調がおかしくなってる。
「リリアちゃん困ってるんだから、
さっさと白状!」
「はいぃ!!」
「メ…メ…。」
「「メ?」」
「…メタモルフォーゼ…」
赤面して声が小さくなるニールさん。
その横でヒィーヒィー言いながら笑っているシリルさん。
「あんたがいつも声小さく唱えてるんはそんな…うはっ!」
「だから言うのいやだったん…。絶対笑うと…。」
あ、所謂厨二病っぽいって感じなのかな。
ファンタジーならありだと思うけど。
ニールさん、あなたの死は無駄にしないよ!
「メタモルフォーゼ!!」
私の声がこだまする。
ただそれだけだった…
異世界転生がチートだなんて言ったのは誰だ?!
ブックマークしてくださった方々ありがとうございます!
ニールさんはロリコンではありません。シスコンです。