12.おまわりさん、この人です!
イケメンクラーケンになぜここに居るのか、
ここ数日どうやって過ごしたか話してます。
金髪、碧眼で綺麗な顔してるのに…。
デレデレしてなんか残念フェイスになってる。
マーマンって言う単語が出た瞬間、
ちょっとピクってなって真顔になった。なんか思うところがあるのかな。
「…というわけなんです。
お兄さん、私のこと人魚じゃなくなんだと思ってたんですか?」
「そりゃ、クラーケンかと。いや、たまにおるんよ、
人間の本読んで憧れて扮装しおるのとかな。
まぁ、普段からしとるのは白い目でみられるから、あんまりおらんけど。」
あ…コスプレ扱いなのね。つまり私もレイヤー扱いだったと。
「あとは俺も時々やるんよ。
タチの悪そうな船でここらに近づいてきた時、
ワザと拉致られて、向こうがなんかしよったら
クラーケン(しかも♂)でしたーとかいうドッキリ仕掛けたり。
相手の青ざめる顔、おもろいで!」
ちょっと、人魚のイメージ悪くしないで??
でも、このお兄さん、女装似合いそう。
「というわけで、これからよろしくな!
俺はニールっつーんや。お嬢さん、名前は?」
ニカッとイケメンスマイルをかまして手を差し出して来る。
えーと、名前…どれ名乗ればいいんだろう?
この場合は本名の方がいいか。
「リリアです。よろしくお願いします…。」
握手。
「ほな、行こか!」
そのまま引っ張られる。え?
いい人に見せかけて誘拐犯だった?
おまわりさーん!
「ちょっと待ってください!行くってどこに?」
「うちやでー。」
「え、なんでそうなるんです?」
「自分、行くとこなくて困ってるんやろ?
常識も教えてくれる人もおらん。
困ってる人魚を保護するのも警備の仕事やと思うねんて。」
あ、心配してくれてたんだ…。お仕事ってのもあるんだろうけど。
「身の心配とかしとるんやったら安心してええ。
お子様襲うほど困っとらんし、うちにはオカンもおるから。」
嘘言ってる目じゃないし、顔が真面目だ。
無駄に綺麗な顔。
「…ありがとうございます…。
じゃあ、お言葉に甘えてしばらくお世話になります。」
ぺこりと頭をさげる。
「(それに、かわいい人魚の妹とか、男のロマンやろ!)」
おまわりさーん!やっぱりこの人です!!
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ニールさんはロリコンではありません。
最近のクラーミストの攻撃の主流は精神攻撃です。謎の攻撃の正体。