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115.巫女と恋愛

今迄半年以上、だーれも突っ込まなかったんだもん。無理もないけど。

何がって?プリシラのことです。

私はロサッポの演目(ライブ)終わりまで知らなかったし、

プミロア様は別にいいって言ってたから気にしてなかった。

リンは


「一緒に回る前に護衛から話しとけって言われたけど、

ポンコツ巫女だったからすぐ辞めると思って。」


ひでぇ…。レンは


「姉ちゃんが言ったのかと思った。それでもアタックしてるからチャレンジャーだなって。」


おい。護衛でしょ?ニールさんは


「俺から言えると思うか?リリアにもちゃんと伝えられてなかったんやで?」


そうですね。そうでした。イグニスさんは


「ニールは歯牙にもかけてなかったので、勝手に諦めるだろうと思ってました。」


イグニスさんが一番酷い。


みんなでプリシラをチラチラ見ながらヒソヒソ話していたら、


「ところで、建て前上ってリリア言いましたけど、どう言うことです?」


プリシラがぐいっ入ってきた。


「それは私も気になりました。」


イグニスさんも気になったみたい。


「あのね、プミロア様にしばらく話せなくなるかもしれないって言われた時に、

聞きたいことがあればなんでも聞いてって言われたから。

恋愛禁止ってその直前に聞いたばっかりだったから、聞いてみたんだ。

別に気にしてないみたいだよ、プミロア様自体は。」


そう、プミロア様は気にしていない。


「そうなのですか…プミロア様とはあまりお話できませんので、

そこまで知っているものはいないもので。少し安心しました。」


イグニスさんは少しホッとしていたが、続ける。


「でも、一般の方々は巫女は恋愛禁止だと思っていますから、

その建て前は一応(・・)守ってくださいね?」


主にプリシラのことを見てたけど、ちらっとだけ私のこともイグニスさんは見た。

意味深。ニールさんと私の気持ちに本人達より先に気がついてた人だしな…。


「 僕の見解としては女性は恋をするとより美しくなる。

禁じる必要はないと思うけどねっ。

話は以上で大丈夫かい? 宿はここだよ。」


ほっておいていたマリオがしれっと会話に参加してこの話は終わった。

宿はいつも泊まっているよりも2ランクほど高いと思われる宿だった。

しかも個室だ。いつもみたいに巫女3人で一部屋じゃない。


「ラフィティ大陸での滞在費の一切は我が家からの寄進だと思ってくれ。

遠慮はいらないよ。」


わー。お金持ちは違うなー。


「チーアのお祭りまでは宿は好きに使ってほしい。

祭り期間は僕もこちらに滞在するからよろしく頼むよ?

では、ご機嫌よう。」


そう言って、巫女全員の手の甲にキスをしてマリオは帰っていった。

またなんか鈍ーい音がニールさんの方から。レンが苦笑いしてる。


「では各自部屋に行って今日は休みましょうか。

演目などの打合せはまた明日。

ニールとリリアさんはちょっと来てください。」


なんだろ?

個室なのでイグニスさんの部屋で話すことになった。


「この大陸では女性の手の甲にキスするのは、高位の女性に対しての挨拶らしいです。

領主様にもお会いすることになりますし、ニールも出来るようにしておいてくださいね。」


「なんで私まで?」


素朴な疑問。


「練習相手ですよ。いきなり他人よりはいいでしょう?プリシラの方がよかったですか?」


「いや…イグニス、ええの?」


ニールさんは「過度の接触」の話をしているようだが。


「えぇ。挨拶ですからね。私は本読んでますから練習しててください。」


イグニスさんは本に目を落としながら言う。


「休みの間、何があったか知りませんけど、

様子が少しおかしいとは思ってましたし。

リリアさんが挨拶されるたび何か壊されてたら困りますから。」


やっぱりあんなにバキバキと粉砕してたらバレますわな。

でもあれ以外、全く動揺してないように私には見えてたけどな。

イグニスさんにはバレバレだったようだ。


「プミロア様の方針もわかりましたので、もう色々言う気はありません。

そちらでちゃんと対処出来るようにしておいてくださいね。」


どうやら呼び出したのはこれを伝えるのがメインだったみたい。

恋愛感情があってもこれ以上言うつもりはないけど、周囲には悟られるなと。

ぼんやり立っていたら、イグニスさんに


一応(・・)練習してください?」


と言われてしまった。

外国のプロポーズってこんなだったなとか思ったら急に恥ずかしくなって来た。

さっきマリオにもされたのに。ニールさんもなんだかソワソワしている。

そして私の手を取り手の甲にキスをする。


「…なんか違う気がする。」


真っ赤な顔のまま言う。


「どう違うん?」


こちらも真っ赤な顔だ。


「なんていうか…エロ…挨拶じゃない感じ?」


「リリア、ひどないか?」


濁したけど、事実なんだからしょうがない。


「その甘ったるい空気、やめてもらえます?」


依然、イグニスさんは本に目を落としたままだ。


「「なっ!なに言ってるん(ですか)!」」


「あと、ニールなら多少淫靡な感じでも許されると思いますが。

見目麗しいですからね。これ以上モテてもいいならそれで大丈夫ですよ。」


あー、妙に納得出来る…。多少の下ネタもイケメンなら許されるって奴ね…。

ニールさんがこちらを見て少し困っていた。


「イグニス、手本頼んます!」


「いいですけど…心の準備は大丈夫です?」


パタンと本を閉じて立ち上がるイグニスさん。


「べ、別に確認いらんと違います?」


「壁壊されたら困るんで、一応、持っておきます?」


なぜか演目でも使った棒を出して来た。

どっから出て来た…?


「いらんって!」


そういいながら一応持ってるニールさん…何も言うまい。


「ではリリアさん、失礼。」


そう言うと、手の甲にキスした。触れそうで触れない距離でむしろしてない。

イグニスさん、デキるわー。


「こんな感じです。わかりました?…レンも呼んできましょうか。

レンも出来た方がいいですしね。すぐ戻ります。」


そう言ってイグニスさんは部屋を出ていった。あれ?早速2人きりになった…。


「ねぇ、早速イグニスさんにツッコまれたよ?」


「イグニスやからな…。」


そういいながら私を自然と抱きしめるニールさん。


「抱きしめるのはナシじゃなかったの?」


「そんなん忘れた!イグニスも、もう色々言わんって言うとったし。

色々我慢しとるんやから、ええやろ、今くらい。」


「ヤキモチ?」


「悪いか?」


「それは兄として?」


「…………………せやで。」


足音が近づいてきたのが聞こえて私達はパッと離れた。


「私の部屋でイチャつくのやめてくださいね。レンはリンも呼んでからくるそうです。」


「「なっ!!なんのことやら!」」


「…失礼、つい本音が。

他の方から見ても明らかな場合も私も対処せざるおえませんので、

お願いしますね?」


「「はい…。」」


この人もエスパーか?!

読んでくださってありがとうございます!

イグニスさんが部屋から出てった理由はイグニスさんはデキる男だからです。

メガネはデキる神話。

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