表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
121/140

110.意味がわからない

ブレイ大陸の大踊り場(ステージ)のある街はバナンだ。

プミロア様の総本山があるここで演目(ライブ)をやるというのは

凱旋ライブみたいなものだろうか?

でもこの大陸でやった演目(ライブ)なんて、初演目(ライブ)

戻って来てからこないだ慣らしで路上ライブっぽいのを敢行した2回だけなんだけど。

こんなんで凱旋なんていってはイケナイ気がするが。


そこはプミロア様の総本山。力技で会場を借りた割に、お客さんが集まっているようだ。

ひとえにジャンさん達、教会の人たちの広報活動によるものなんだけどね。

私もシャロンちゃんにお手紙を出した。急だから来れるかはわからないみたいだけど。


まずは袖で浄化を歌う。今回はラップの壁はなしだ。

教会の人たちが応援に来てくれているので、人手は足りている。

声出し練習も兼ねて歌っておいたのと、この後の曲で必要になるから。


踊り場(ステージ)に上がると、席にはたくさんの人たちが。

リンが泣いてる。

緊張しすぎたのか、嬉しいのかは不明だけど、泣いたままはまずいので、

そっと背中を撫でて小声で話しかける。


「みんなにいい演目見てもらおうね。」


リンは涙を拭ってそっと頷いた。


1曲目は5人組アイドルの曲だ。

オーサでやった時より、私のバク転が加わって派手になっているので、

こないだより盛り上がった。いい滑り出しだ。


2曲目はテクノアイドルの曲。

ここまではほぼロサッポと変わりない。

剣舞はあれから練習したけど、やっぱり細かいミスをしてしまう。

エリーちゃんはいないので、今の先生はリンとレンだ。

リンはほぼノーミスで曲を終えた。うーん、この曲は私が完全にお荷物だわ。


3曲目はお客さんと一緒に歌う。

最初はザワザワしたが、みんなも一緒に歌ってくれる。

やっぱり参加型はいいなぁ。楽しいし。


4曲目は5人組アイドルの冬の定番曲。

まだ巫女見習いだった時、キアバで歌ったことのある曲だ。

新しく追加した曲だが、振りは少ないし、

激しい踊りもないので歌さえ覚えてしまえばよかった。

そして、この曲で私は少しだけ魔力を乗せる。すると、小雪がちらつきはじめた。

客席からは「わー」と歓声が。私達3人はふっと笑った。


5曲目も新曲だ。

大手アイドルの有名曲。マリオから女性らしいキラキラした派手さと聞いて、

下着姿ではしゃぐメンバーのMVが思い浮かんだからこれにした。

本当ならば、マイクスタンドを使って踊るけど、

マイクもないので、ただの布を巻いた棒を使った。

サビしか振りは覚えてないので、他はリンに丸投げした。

もうね、振り考えるの辛かったから。こないだ文句も言われたし。

プリシラがついていけなさそうな振りだけは直させたけど。

リンが「もう文句言わない」って零してたのは、見てないフリをした。

この曲はノリで押し切った感があったけど、盛り上がったと思う。


「「「ありがとうございましたー!!!」」」


踊り場(ステージ)から降りるとジャンさんが迎えてくれた。


「いやー、大成功だったと言えるのではないか?」


「みなさんのおかげだと思いますよ?私達ここではほとんど活動してませんし。」


「プミロア様は喜んでくださっているだろうか…?」


「あ…どうでしょう?最近忙しいみたいで…中々お話しできないんですよね。」


主に私のせいなんだけどさ。この演目(ライブ)のこと、伝えられてないんだけど。

ロサッポの時はしっかり見てたみたいだから…と思ったらまた光が。

こないだより焦っているように見えるのは私の主観によるものだと思いたい。


「ありがとう。次も頑張って。また後で!」


それだけだった。簡素すぎやしないかい?


ジャンさんにはその通り伝えたら、


「お喜び頂けたようだ。」


だそうな。え?本当にそれでいいの?


「では、私は行くよ。後で皆で食事にでも行こう。」


そう言って、ジャンさんは行ってしまった。

そして、いつもならば、飛んで来て喜んでくれる護衛2人なんだけど…。

今日は2人とも不機嫌だ。原因はわかってる。

衣装のことだ。


プリシラは激しい動きが少ないので、心配ないけど、

私とリンはスカートの下が見えることがある。

見せパンを履いていて、

見えても平気なものなんだと言っても男性2人には納得できないらしく。

なるべく見えないようになってるからーと言ってごまかして演目(ライブ)始めたけど、

お客さんの中にもスカートの中が見えたとか言ってる人がいたようで…。

特にニールさんの機嫌が悪い。めっちゃイライラしてる。

余計な問題があったら力加減間違えちゃうんじゃないかと不安になるくらいだ。

とりあえず、話掛けないとヤバイ。問題があってからでは遅い。


「お兄ちゃん、お疲れ様?」


小首を傾げて上目遣いしてみた。いつもみたいにデレれば成功だ。


「おっ…お疲れ…」


デレはしなかった。あれれ?赤くなっただけ。なんか最近デレないよね。

まぁいいや、イライラは少し収まったみたいだし。

レンもリンが喜んでいる様子を見て少し機嫌は良くなったようだ。よかった。


「片付け済ましたら、ジャンさんがご馳走してくれるって!!」


そう言ったらリンとレンが喜んでた。今日は遠慮しないで食べていいと思う!

私も遠慮しないで食べよーっと。







その晩はみんなで寮に泊まった。

新しい巫女さん探しは難航してるらしく、まだ誰もいないみたい。

無理もない、プミロア様は今忙しくて不在なのもあるから、巫女の儀もできないし。

私が1人でいると、光が集まって来て、プミロア様の声が聞こえた。

私は普通に話掛けた。


「プミロア様、私のこと、調べ終わったんですね。」


「えぇ…。」


「なんか元気ないですね?」


「非常に申し上げにくい話なので…。」


「え?」


「気をしっかり持って聞いてくださいね?」


「は?え?」


「あなたの方が存在しないはずの存在だったんですよ。」


「え…?どういう…?」


意味がわからない!!!!




読んでくださってありがとうございます!

理解出来ない、見せパン。って方、多いですよね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ