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11.チュートリアル②

先に謝っておきます。ごめんなさい。

イケメンが目の前に!

人だ!魚じゃない!半魚人でもない!

…どうしよう服着てない!


パニックになった私は海底に逃げる。


「待てや!コラァ!」


イケメンはチンピラ口調で追っかけて来る。

ん?追っかけて来る?

言っちゃあなんだけど、結構早く泳いでるよ?人魚だしね?

果たして人間に追いつける速度なんだろうか?

泳ぐのをやめて、岩場に隠れながらイケメンの方をみる。


「やっと止まったかー。自分、なにしたかわかってんの?」


イケメン…だけど、足がいっぱい生えてる。

タコかイカの足が。


「あないな大規模魔法バカスカ使ったらあかんの!

普通は魔力がきれんねん。なんでできるんや!」


世界紀行で読んだクラーケンってやつかな。

そして海の生き物の例にもれず、癖のある喋り…。


「…あのー。お兄さんってクラーケン?」


「見たらわかるやろ?」


「私、歌ってただけで、魔法なんて使ってないんですけど…」


「そないなわけあらへん。

さっき身体強化かかったバルトフィッシュがようさんこっちから来てん。

急いでこっちに来たっちゅーわけや。したら…」


話が半分も入ってこない。自分の格好が気になって。



クラーケンのお兄さんの死角になってる(であろう)場所に移動して、

長めの海藻を胸のあたりにぐるぐる巻く。

魚とか半魚人の時は全く気にならなかったのに。

人間の顔してると急に恥ずかしく思えてならない。

今迄気にならなかった方がおかしかったのか?


「自分、聞いてるかー?」


「…聞いてませんでした。」


「素直なのはええことや。でも人の話はちゃんと聞かなあかん!」


またもやスパーンと頭を叩かれる。



「いったぁー!」


「わかったら、ごめんなさいは?!」


言わなかったら、きっと二発目が来るよね…。

「ご…ごめんなさい。」


「はい、ええ子、ええ子。もうしたらあかんよー。」


クラーケンのお兄さんは私の頭を撫で回し、手を適当にふった。




「あの…すいません、ここってどこなんです?

お兄さんはなんでここにいるんですか?

あと、私魔法使ってたって本当ですか?」


チュートリアルの機会を逃しまっくった私は同じ過ちはしない!

二度あることは三度あるとか、ない。多分。


「あー?自分迷子かいな?(迷子って年でもないやろ、めんどくさっ)」

…お兄さん、こころの声、漏れてますよ。

「えーとですね、話すと長くなるんですけど…」


「ほな、お嬢ちゃんの質問に先答えとこか。

ここはクラーミストの入り口みたいなもんや。

もうちょっと先行くとブレイ大陸っちゅう大陸があんねん。

俺はこの辺の警備とか任せられてるもんやから、ここらにおる。

んで、最後の質問には…自分自覚ないんか?!」


はい、ありませんって答えたらまた『スパーン』されそう…。



「色々あって世間知らずでして…すいません。」


「世間知らずなのはその格好見ればわかるわ…」


私の全身をチラ見したお兄さん。


「あ、あぁそうですね、コレ外した方がいいですか…?」


ぐるぐる巻きの海藻に手をかける。


「それちゃう!それは外したらあかん!

俺はお子様の裸には興味ないわ!そうやなくて、足や!足!

よお出来とるな、それ。」


さっき海藻巻いたのは正解だったみたいだ。

でも足とは?


「足?私、人魚らしいので、よく出来たもなにも…。

人魚って世間知らずなんですか?」


「へ、人魚?」


「人魚ですけど?」


「お嬢ちゃん、いや、お嬢様、詳しくお話し聞かせてください!」




…私なんかした?




どーしてもイケメンには関西弁を喋らせたかったんです。

でも、異世界なので、細かい言い回しの違いはご容赦ください…。

本当すいません。


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