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99.なぜそうなる?

「リリア!久しぶりだな…と言っても2ヶ月くらいか。あ、ニールさんも。」


「ニールさん、リリアさん、お久しぶりです。」


「エリーちゃん、エヴァルドルフ君、お久しぶり!!」


「おー、元気してたか?」


ダハテの街までエリーちゃん、エヴァルドルフ君が迎えに来てくれた。

2人はこちらに帰った後、婚約していた。

エリーちゃんのお母さんは誰かと結婚してくれるだけで嬉しいと喜び、

お父さんは、エヴァルドルフ君と実際に手合わせをして、納得したらしい。

エリーちゃんのおうちって貴族だから簡単に結婚して平気なのかなと思ったのだが、


「私は家を継ぐ訳でもないし、下手な名家と結婚すると色々面倒だ。

父様は私を家のために利用する気もなかったから、都合が良かったらしい。」


との回答がきた。何はともあれ良かったね。正式な結婚は来年あたりにするという。

現在はフリーのハンターとして活動中で、特に縛りがないそうなので迎えに来てくれた。



「エヴァルドルフ、レンや。ちっこいけど強いで。」


「ニールさん、ちっこいは余計です。レンです。よろしく。」


「エヴァルドルフです。獣人の方ですね!是非手合わせお願いします!」


エヴァルドルフ君がまるでアイドルにでも会ったかのように嬉しそうに握手している。

エリーちゃんから聞いた話だと、

クラリティ大陸では魔物ハンターとして活躍する獣人も多いので、

憧れの対象として獣人を見るものも多いらしい。確かにあれだけ強ければ、憧れるかも。

私もリンの踊りのキレには憧れるもん。


「エリーちゃん、こっちがプリシラで、こっちがリン。リンは獣人で踊りがメインなの。

プリシラは私より魔法が使えるらしいよ?」


プリシラには魔法が使えることは言っていいか事前に確認しておいた。

クラリティ大陸では魔物を倒せる力のあるものが人気があるようなので、

魔法使いも尊敬の眼差しで見られるらしいことも付け足しつつ。

じゃないとリンだけなんでとプリシラがむくれかねない。


「魔法が使えることは隠してはいませんから、構いませんわ。

さすがに古代魔法が使えることは隠しているけど。リンだけチヤホヤされるのも悔しいですし。」


なんだか物騒な感じのワードが出て来たので、そこはスルーしたけれども。


「エリーだ。よろしく。」


爽やかに2人と握手するエリーちゃん。なんだか余裕を感じる。

あれだ、人生勝ち組、リア充オーラってやつだな…羨まし…

ってそれどころではなかったっけ。


「あの…そろそろいいでしょうか…?」


あ、いけない、イグニスさんのこと忘れていた。


「この、ダハテにある小規模な踊り場、キアバよりさらに小さなものですが…

そこで踊る許可を取りに行きます。最初なので、私がやりますが、

今後はニールかレンが行なってください。

身分を証明するものは2人には渡してありますよね?」


「「はい。」」


「巫女3人はしばらく待っていてくださいね。

本当なら護衛1人は残るか一緒に来てもらうのですが、

人数も多くなってしまいますし、リリアさんのお友達も腕が立つようなので

一緒にいて貰えば平気でしょう。」


そう言いってイグニスさん達は許可取りに行った。


「こちらでの護衛を申し出ようと思ったが、必要なさそうだな。

ニールさんにあの獣人の子も強いのだろう?」


確かにそうなんだよね…。それにエリーちゃん達だって暇人じゃない。

私の護衛よりやることありそうだし。あ、でも。


「イグニスさん、さっきメガネの人は

ロサッポの大踊り場でやるとき以外は別行動の予定なの。

きっと一人では大陸回れないから護衛は必要かも。

魔法も使えないと思うから手紙も直接やりとりできないし。」


「そうか、戻ってきたら本人に聞いてみよう。

ところで…ニールさんとはどうなったんだ?一緒にいるってことは…もがっ」


エリーちゃんの口を慌てて塞ぐ。プリシラが聞いたら面倒だ。


「相変わらず、ニールさんはいいお兄ちゃんだよ?

最近カールさんもニールさんみたくなっちゃって…私に甘いんだよねー。ははは。」


「へー、カール先生が?意外だなぁ。本当他人に興味がない感じしてたんだけど。」


よし、エヴァルドルフ君、ナイスだ。話が逸らして!

リンが口を挟む。


「ねー、カール先生って誰ー?」


「そっか、時間なくてちゃんと紹介できなかったもんね。馬車の馬を買ってくれた人だよ。

ニールさんのお兄さん。似てないけどね。」


「義兄になる方に挨拶しなかったなんて…私としたことが…不覚…。」


プリシラもそういう思考なのか…シリルさんには挨拶したのかな?

そう思っていると、エリーちゃんが私のそばに来て、


「ウカウカしてるとあの子にとられてしまうぞ?」


と言ってきた。エリーちゃんにしたら空気は読んだかもしれないけど、違うってば…。

そうこうしていると3人が帰ってきて、許可が降りたことを告げる。

エリーちゃんがイグニスさんに護衛が必要かどうかを聞いたところ、


「こちらの大陸は私1人では回れないと思っていたので、よかったです。

しかも魔法での手紙のやりとりまでしていただけるなら助かります。」


と結構好感触だ。



「ただ、この大陸は黒髪の方が多いので新しい巫女候補は見つかるかどうか…。」


「条件は緑髪か緑眼でしたね。辺境でしたら黒髪ばかりではないと思いますよ。

土地勘もあるので、辺境への案内も可能です。」


「そうですか。ではお願いします。報酬はお支払いしますので。」


「友人の紹介ですので、お気持ち程度で結構です。

あと…彼女達の演目を観てから出発したいのですが。」


「急いでませんので大丈夫です。

それにここの大陸での初演目となるので、反応は見ておきたいですね。

大踊り場を借りる交渉をしなければいけませんし。」


そんなわけで今日はダハテに皆で宿泊することになった。

巫女3人は二つのベッドをくっつけて3人で寝ているのだが、

リンとプリシラ、私とエリーちゃん

エヴァルドルフ君とニールさん、イグニスさんとレンの部屋割だ。

普段もエリーちゃん、エヴァルドルフ君は別室を取っているらしいので、

宿代は変わらないからと言っていた。…同室じゃないんだね。

リンとプリシラは少々心配だが、しょうがない。1泊くらい我慢してもらおう。


部屋に入ってしばらくすると、


「ちょっとエヴァルドルフのところに行ってくる。」


と言って、いなくなった。しばらくするとノック音。

エリーちゃんが帰ってきたかと思ったら、ニールさんが入ってくる。


「エリーが部屋にきたから二人きりにしたろうと思ってな!」


確かにそうだけど…どうしてここに来た!?


読んでくださってありがとうございます!次は100話目です。

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