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98.ゲリラライブ

キアバでイグニスさんと合流して、ジョナサンさんにも顔を見せに行く。

3人で活動すること、キーヨートの踊り場で踊ることを目標としていると報告した。

すると、


「じゃあ、キアバでまた名前を売る必要があるよね!

今日は天の日じゃないけど、演目やっておく?それとも明日やる?」


確かにそうだけど、なんだかジョナサンさんが見たいだけなような気もする。

しかし、イグニスさんも


「どうせノウエの船も週に1度程度しか出ませんし。今急いでもノウエで足止めされます。」


といって賛成だそう。

ありがたい申し出なので、キアバに滞在し、明日演目(ライブ)をやってからノエウに行くことにした。

レンとイグニスさんが同室を取り、巫女達で一部屋。

ニールさんはジョナサンさんの飲みに行くと言って宿には泊まらないらしい。

プリシラもついて行こうとしていたが、明日も演目(ライブ)をやるのだから、

やめてと私とイグニスさんで止めた。エルフは体力ないんだから無理しないで欲しい。


夜になる前にカールさんとマリーダに明日キアバで演目(ライブ)をやることを知らせておく。

ついでなので、エリオットにも手紙を書いておく。もう学校にいるかな?

そろそろ新学期も始まるし。欲を言えば、友達とか連れ来てくれるいいな。


翌朝、キアバでの演目(ライブ)はクラリティ大陸でやる予定の曲にする。

エリーちゃんに返信をもらった結果、

メタルアイドルの身体強化に使っていた曲がいいかなと思っていたので、

船の中でもある程度練習していたのだ。

朝のうちに練習して、最終チェック。

やっぱりプリシラが辛そうなので、ついでに身体強化をかけてた。


「コレあるとだいぶ違いますわ?」


とご満悦だが…なぜ今迄自分でかけなかったのか。

100歳超えてるなら気づくもんだと思うんだけど。それがプリシラクオリティなのか。


ジョナサンさんとニールさんは今日の警護の打ち合わせをしているが…

ジョナサンさん具合悪そう。二日酔いってやつだろうか。


「ニールに任せるよ…。天の日より買い物客は少ないから…。」


丸投げしていたが、


「あいよー、いつも通りな。レン、鍛錬済んだら説明するわ。」


通常運転のニールさんだった。別に驚かない。もう慣れた。


キアバの演目(ライブ)は昼頃からだ。天の日でないが、それなり賑わっていた。

ゲリラライブ的だったが、ジョナサンさんが前日からお知らせしていたので、

私目当て人がそれなりに集まってた。演目(ライブ)は盛況終わった。

カールさんとリンダ先生、マリーダも来てくれてた。あとエリオットも。


ただ…この曲はプリシラがセンターで歌うだけにして、

私とリンで派手に踊る方がウケるかもしれないなと思った。

クラリティ大陸での反応次第でそうしたい。リンが許せばだけど。


エリオットが演目(ライブ)終わりにやってきた。

ちょうどいい。クラリティ大陸出身の人からの感想も聞きたかったんだ。


「どうだった?演目?コレ、クラリティ大陸でもウケるかな?」


「概ねよかったと思う。白じゃない方が少し足引っ張ってる感があったけど。

というか、これからクラリティ大陸に行くのか?」


「そうだよ?ロサッポにある大きな踊り場で演目やるのが今回の目的なんだけど。

いつになるかわからないけど、なるべく早く出来るといいなって。」


「そうなのか。力になってやってもいいぞ。」


「あ、ありがと。期待しとく。」


10歳程度の子に出来ることは限られてるだろうから、適当に返事しておく。

大陸の友人とかに手紙書いてくれるだけでもだいぶ助かるんだけどね。

何せエリオットは貴族だし。有力なお家の子でもファンができれば

踊り場(ステージ)を借りれるかもしれない。そんな甘いことはないと思うけどさ…。


そして、ノエウへ出発する。ニールさんが馬車の準備をしている。

ちょっと、っていうか結構ボロい…眺めていると、


「コレなー、ジョナサンから払い下げでほぼタダみたいな値段で買うたん。

いちいち馬車借りるんも金かかるからな。

御者は俺が出来るから持っておけば維持費だけで済む。

今簡単に修理したけど、時間あるときにもうちょい手入れする予定や。」


「でもさ、馬いないと意味ないよ?」


「今来るわ。」


視線を追うとカールさんが馬を引いてきた。


「そこそこしたぞ。」


といってニールさんに渡す。


「ええやん、どうせにーちゃん給料もろても使わんやろ?可愛い弟と妹のためや。」


「確かにそうだが…。弟はどうでもいい。」


「にーちゃん、ひどっ!」


「冗談だ。」


どうやらカールさんに買わせたらしい。どっちかというとひどいのニールさんじゃ?


「カールさん、いいんですか?」


そう聞くと、


「学校の授業以外、結局私は何もしてないからね、せめてものお祝いです。

可愛い妹のためですし。」


と笑って言った。甘い2人シリルさんとニールさんがいたから気づかなかっただけで、

カールさんも私には十分甘かったね。


「ありがと、カールお兄ちゃん♪」


そういうと、またカールさんは赤くなってそっぽをむいた。

横でニールさんが「俺は?」って言ってたけど、スルーしてしまった。

なぜなら、カールさんが小声で「悪くない…」と呟いていたから。


…カールさんが怖い兄からチョロい兄になった瞬間だった。


読んでくださってありがとうございます!

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