表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/140

92.ムネタイラさん

「色々聞きたいことがあります。」


リンとプリシラさんが私の前で正座してる。

なぜそうなったかというと、笑い声がうるさくて軽めに引っ叩いて止めたら、

リンが


「人でなし!ほんとに人じゃないし!胸平!」


とか言ったので、リンだけもう一回笑う魔法をかけて、苦しくなるまで放っておいた。

解けたのが先ほど。そして只今絶賛正座中だ。プリシラさんはなんとなく流れで一緒に。


「えっと、まず、リン。私がなぜ人じゃないと…?」


「あ、はい!あのですね…獣人は嗅覚、聴覚が優れていて、

人でないものがわかります。でも、同じ亜人としてのエチケットとして、

言わない決まりになってまして…

でも、感情的になってつい口を滑らせてしまったわけです。

あの…ですね…。どの亜人とも匂いが違うので…

リリア様は一体何者ですか?」


「私は人魚なの。今、偽証石を使っているので陸を普通に歩けるけどね。

あと、様はやめて。」


「はい、リリアさん!」


なんだか悪役令嬢にでもなった気分だわ。でも胸平は許せん。

あるから!そんな豊かじゃないだけで。

そうじゃなかった。次の質問。


「で…プリシラさんはエルフなの?」


「はい…エルフです。」


そう言うと銀髪、銀眼、尖った耳になった。でも顔のパーツは変わらない。

美人のままだ。


「巫女という仕事に憧れてまして…ここなら緑髪か緑眼ならなれるからと。

普段は魔法で偽装してます。」


「偽証石使わないでもできるんだ!」


「できますよ。魔力が結構必要ですが。」


あ、そうなんだ。じゃあ、石使ってる方がいいかもかな。

でも、私が魔法でできれば、この偽証石ニールさんに貸せるなぁ。

ニールさんも大変だろうし…。


「それ、教えて欲しいんだけど!代わりに私はプリシラさんの踊りの練習に付き合うよ!」


「わ、わかりました。」


なぜか敬語。完全に怖がられてるっぽい。


「あの…。」


リンが手をあげる。


「なんですか?」


こいつはしばらく許さん。


「わ、私も歌を…教えて。」


「教えて…?」


「教えてください…。さっき聞いたと思うけ…んですけど、

私も本当は巫女になりたかったの。

だから巫女の2人が羨ましくて…だから…その…イジワルしちゃったんです…。」


イジワルなのか?私はプリシラさんの方を見る。


「私はエルフだってバラして、売り飛ばすっていわれました…。」


それ、ダメじゃね?


「私はそんなひどい扱いされてないからいいけど、

プリシラさんが許してくれるなら教えてあげる。

プリシラさんどうする?」


まぁ、胸平って言われたことは忘れてないけどね!

プリシラさんが少し困って、


「ひどいことは言われましたが、実害は受けていないので…

ただ…リンが護衛じゃなくなってしまったら、

私の護衛がいなくなってしまうのが困りますが…。」


「そしたらうちのレン連れてけばいいんじゃ? 私は護衛いらないし!」


プリシラさんの護衛だったんだ…前の力関係だったらおかしなことになってたよね?

それに護衛ってそれだけが仕事じゃないってイグニスさん言ってなかったっけ?


「私たちで話あってもどうしようもできないし、歌は今すぐ上手くはならないから、

明日イグニスさんかジャンさんに聞いて見ようか。

場合によってはプミロア様に直接お願いしてみてもいいし。」


「そうですね…ってプミロア様にお願いって?」


プリシラさんが引き気味だ。


「あ、なんかね緑髪緑眼だとプミロア様、ちゃんと喋れるらしいの。

私はまともに喋れるから多少融通効くかなって。

そういえば外見偽装できるなら髪だけじゃなく、目も緑にすれば良かったのに。」


プリシラさんが凹んでる…。


「そうすればプミロア様のお気に入りになれたんですね…

とりあえず巫女になれればと思って髪しか緑にしなかったんですよ…。

今更目が緑になるなんて無理すぎる…。」


残念だね…。


「い、今更だからまぁ。巫女になれてるし、大丈夫じゃない?

それより、プリシラさん、敬語やめて?エルフって…長命なんでしょ?」


私のエルフのイメージだけど、多分そうなはず。でもBBAなんでしょとは聞けなかった。

一応それぐらいの良識はある。


「えぇ…100歳は軽く超えてますね…。では敬語はやめますね。

では、リリアさんはプリシラとお呼びください。私もリリアと呼びます。」


やっぱり相当年上だったわ。


「プリシラはなぜ巫女に憧れを?」


「エルフの里で大人しくしているのが性に合わなくて。

里から出て、キーヨートで巫女の演目を見て素敵な職だなぁって。」


意外とプリシラはアクティブな人みたいだ。


「 でも、魔法は得意でも体力のないエルフにはあまり向かない職のようで…

どこにも取ってもらえなくて。最近になってプミロア様のところが巫女を探していて、

緑髪か緑眼の女の子を探しているって聞いて。ここならなれるかもって。」


エルフって身体弱いんだ。獣人の真逆なのね。そんな真逆種族が護衛と巫女って…。

やっぱり明日あたりプミロア様に相談してみよう。


「で、リンはなんで巫女なの?」


「獣人はみんな護衛ばかりじゃない?私は巫女になりたいっていって

猛反対する親を押し切って村から飛び出したの。

双子の弟のレンは心配だからって一緒についてきたけど。

プリシラと一緒でどこも断られたんだけど、ここは2人とも護衛で雇ってくれるっていうから。

同じくらいの時期に来てたプリシラの護衛になったって感じ!」


やっぱりアイドルは女の子の憧れなんだなぁ。


「リリアはなんで?魔法学校も卒業してるんでしょ?」


リンが素朴な疑問といった顔で聞いてきた。


「リリア、さんね。」


「すいません、リリアさん、なぜですか…?」


「あ、冗談だったんだけど…。

うん、世界を巡って探し物をする必要があってね。

ついでだから好きな歌と踊りができる巫女になりたいなって。

学校は後々困らないように出とけって言ってくれた人がいたから。

巫女になるのに遠回りはしたけど、行って良かったと思ってる。」


学校は本当行って良かったと思う。

友達も出来たし、色々勉強出来た。航海学は身につかなかったけど。


「ふーん…。それより、歌!教えてよ!

あ、教えてください…。」


「教えてって言われても…そうだ、まず一回歌ってみて。」


リンが歌い始める。


……………………。


うーん。

ジャ◯アンまではいかないけど…ちょっと…

でも元の世界でこれくらいだけどアイドルやってた人がいたな。

性別違うけど。練習したらうまくなるのかな…。
















読んでくださってありがとうございます!

記念すべき100部目のタイトルがコレって…いいのか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ