表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
煉獄の焔  作者: yukke
第五章 学園祭襲撃
49/122

第五話 封鎖された学校

 花凛達は、次々と色んな屋台を回っていた。

屋台も高校生の作るレベルとはかけ離れており、どれも絶品であり舌つづみを打ちながら食べていたら、あっと言う間にお腹がはち切れんばかりになっていた。


「ちょっと、食べ過ぎちゃったね~」


「まぁ、こんだけ旨いんや。しゃ~ないやろ」


「アシエもお腹パンパンです~」


 花凛もアシエもお腹をさすりながら歩いているが、紫電だけは5舟目のたこ焼きを完食しようしていた。


『あんた、どんだけたこ焼き好きなのよ……』


 リエンが呆れた顔で紫電を見ている。

そしてその後、学生のステージを見たり。再び校舎に戻り、様々な出し物を見て回っていた。そして、体育館の演劇を見に行くことになり再び校舎を出る。

すると、その瞬間屋上から何やら怪しい視線を感じた花凛は、咄嗟に屋上を見上げる。


『どうしたの? 花凛?』


「いや、何か視線を感じたんだけども……誰も居るわけ無いよね」


 花凛の視線の先には確かに誰もいなかった。

気のせいだと思い、花凛は顔を戻し再び皆を案内し始めた。



「危ない、危ない。兄ちゃん、意外と勘が良いよあいつ」


「そうだな、早めに行動した方が良さそうだ」


「じゃ、やっちゃう? やっちゃいますか? グフヒヒヒ」


 花凛が見つめていた屋上から、3つの影が覗いている。

花凛の勘は当たっていたが、この3人の方が上手だった。

そう、花凛が見上げた瞬間、瞬時に物陰に隠れていた。


「さて、ドラゴン退治と行きますか」


 背の高い人物が、ポツリとそう呟いた。




 体育館に向かうべく、再びグラウンドを歩いている花凛達はそのたたずまいからか、やはり少し目立っていた。

先程もちらちら見られていたが、今は露骨であった。


「紫電、せめてあなたはキャップかぶってくれない?」


「はぁ? 何でやねん?!」


「目立つ」


 その花凛の言葉に、紫電は言い返せずブツブツ呟いている。

花凛も、赤と黒のメッシュではあったがそこまで明るい色では無いため誤魔化すことは出来た。

しかし、アシエも紫電もそこそこ明るい色をしているため誤魔化せ無かったのだ。

すると、突然校門から複数の悲鳴がきこえてくる。


「なっ、何?!」


「何や何や!」


 花凛達は、慌てて校門の方に向かう。

すると、そこは想像以上の事が起こっていた。

何と鬼化した人々数十人が、大量に校門から押し寄せ学校の中にいるお客や生徒に襲いかかっていた。


「なっ!! なんや!! この大量の鬼は」


 紫電が驚きの声をあげる程の異常事態。花凛は、どれから処理したら良いのか分からずに頭がパニックになっていた。


『花凛!! しっかりして、こいつら人格まで失っている程だから、例の薬使ってるわよ!!』


「む~、何でそんな簡単に使えるですか?」


 アシエが不機嫌になりながら、ブツブツ言うと右腕を横に伸ばした。

すると、手首につけているバングルがキラリと光るとぐにゃぐにゃとスライムの様に動き出し、その形を変え、更には大きく変化している。

そして、アシエが持ち手の部分を握ると、そこには鋼鉄のキラキラの装飾の施された巨大なハンマーが現れた。

逃げ惑う一般人の中で、アシエのその姿は一際目立っていた。


「ぐ……うぅぅ。ぐぅああぁ!」


「ぐおおぉぉぉ!!」


 鬼達が、まっすぐに一般人を追いかけ始める中で、アシエの表情は更に真剣になる。


「その魂、たたき直してあげるです!!」


 そう言うと、アシエよりも一回り大きなハンマーを振り上げると鬼達目がけて振り下ろす。


「鉄心棍 “アシエちゃんハンマー!!”」


 振り下ろす瞬間、アシエがそう叫ぶとハンマーの先端が更に大きくなり、数十人の鬼を一気に叩き潰した。

そして、地面に衝撃が走る中で、花凛がようやく我に返った様である。


「えっ? あ、あれ?」


『もう、ぼ~っとして。アシエが全部やっちゃったわよ』


「相変わらず、集団戦やとアシエは強いな~」


 花凛がきょろきょろと辺りを見渡す、紫電は頭を掻きむしりアシエは可愛らしくピースサインをしていた。


 だが、次の瞬間。

今度は、グラウンドを取り囲む様に立っているコンクリートの壁が、爆発するかの様に音を立てて崩れさると、そこから再び数十人の鬼化した人達がグラウンドにいる人々に襲いかかって来る。


「はわわ~!! ここらでは間に合わ無いです。紫電さん!」


 アシエが慌てふためき、紫電に救援を送る。


「任せんかい!!」


 紫電の体が、紫の雷に包まれると光の速度でグラウンドの鬼達に一斉に向かっていく。


「おらぁぁああ!!」


 そして、両腕を龍の腕の様に変化させると、次々と鬼達に紫の雷を浴びせる。

状況を理解した花凛は、直ぐさま偃月刀を出現させる。すると、再び校門から十人近くの鬼達が押し寄せてくる

「学校の生徒や、一般人の人達を外に避難させないと!」


『それなんだけどね、見て花凛』


 そう言われ、リエンの指差す方向を見ると。


「ちょっと、何これ?! どうなってんの?」

「出して! ここから出してくれぇ!」

「うわぁぁ! どうなってるんだ!!」

「ここは、ダメよ。学校の中に避難しないと!」

「学校の中も何故か入れないんだよ!! 中にいた奴らも変な力で外に放り出されてんだよ!」


 生徒達も一般人も、とっくに安全な所に避難しようとしていた。グラウンドの壊れた壁から来ていた鬼達は、ほとんど倒されていた。

そこから人々は逃げようと試みていたが、何故か見えない壁に阻まれ出られなかった。

そして、校舎に逃げ込もうとする人達もいたが、何故か校舎にも見えない壁が張られており入れ無かった。それどころか、中の人達までも弾き出されていたのだ。


「どういう事?」


 この異常事態に、花凛は再び訳が分からなくなりそうになっていた。


『恐らく真鬼よ。しかも1体じゃないわ、状況から見て最低でも3体はいる』


 すると、校門の鬼を処理していたアシエが叫ぶ。


「ごめん、花凛ちゃん! 半分そっちに行っちゃった!」


 その言葉に、花凛は顔を上げると5体の鬼がこちらに向かっていた。


「えっ、ちょっ?! 私、まだ力が制御できな……」


『落ち着いて花凛!! 私が、力を制御していた方法を教えるわ。当てはまるかどうかは分からないけれども、1度やってみて!!』


 焦っている花凛に、リエンが叫びながら自分がやっていた制御方法を教えてきた。


『良い? 力が空っぽの状態から、徐々に風船を膨らませる様に力を入れていくの』


 花凛は深呼吸をし、リエンに言われたとおりにしていく。すると、徐々に力がわき上がってくるが、やはり尋常な量ではなかった。


「あっ、だ……ダメ。これじゃぁ」


『大丈夫、落ち着いて。膨らませるのをそこで止めるのよ。そして、その状態で打ってみて?』


 また、昨日の様にならないのだろうかと不安になったが、リエンの言う通りにして、鬼に向かって偃月刀を横になぎ払った。


「火焔刃!!」


 すると、昨日程ではない大きさの炎の刃が飛び出し鬼達を斬り払い、焼き尽くしていく。


「ぐぅああぁぁ!!」


「……って、危ないですよ! 花凛ちゃん!」


 その先にアシエがいた事を忘れていた花凛は、慌てて謝っている。


「あっ、ごめん。アシエ、大丈夫?」


 良く見ると、アシエはハンマーを今度は巨大な盾に変形させ炎の刃を防いでいた。


「ふひゅ~全くもうです。それにしても、物凄い熱量ですね」


 そう言ってアシエが自分の盾を確認すると、何と若干溶けていたのだ。


『よかった、私の制御方法が当てはまって。あなた筋は良いんだから、制御の仕方を頭に入れておけば大丈夫よ』


 花凛が、呆然としながら自分の偃月刀を眺めている。

これなら戦える。確かな自信が花凛の中に芽生えていた。


「よっしゃ、こっちも終わったで~」


 グラウンドに侵入してきた鬼達を倒した紫電が、花凛達の元に合流する。


「しっかし、完全に閉じ込められたな。それとな、見た感じ出れへんけど入るのは自由に入れるらしいから、やっかいやぞこれは」


『この壁を張ってる真鬼を見つけなきゃならないわね』


 紫電の報告を受けたリエンが、提案してくる中で花凛の後ろから聞き慣れた3人の声が聞こえてくる。

花凛が後ろを振り向くと、そこには夏穂、美穂、志穂が手を振っていた。


 一旦鬼達の襲撃が無くなった為、3人の元に向かう。


「ごめんね、こんな事になっちゃって。これじゃあ学園祭台無しだよね……」


 花凛が申し訳なさそうに言う中、3人は首を横に振る。


「花凛のせいじゃないよ、襲う奴が悪いんだ

「そうですよ花凛さん。気にしなくていいです」


「そうそう、今はその悪い奴を倒す事だけ考えるんだ」


 夏穂、美穂、志穂が各々花凛を励ましてきた。




 すると、いきなり屋上から拍手が聞こえてくる。


「いやいや、素晴らしい。さすがだな」


 その声に、花凛達は屋上に顔を向ける。そこには、3人の人物が立っていた。

拍手をしていたのは真ん中の、1番背が高くヒョロッとしており、ショートヘヤーの前髪をセンター分けにしている人物。

その脇には同じ顔をした人が3人もいた、髪の長さも同じ。流し方は向かって左側にいる人物が右に流し、左側にいる人物が左に流している。

体型も左の人物は普通の体型だが1番背が低く、右の人物は少し太り気味である。

3人共、花凛と年齢がさほど変わらないように見える。


「誰?!」


 3人に向かい、花凛が正体を問うと3人はそれぞれ腕組みをし始める。


「ふっ。俺達は、NECの特別社員チーム『ブーンドック セインツ』のメンバー!! その名も三つ子の処刑人! 俺は長男の哲郎」


「次男の吾郎」


「三男の清太だ!」


 3人は腕組みをしたままで、長身の人物が長男と名乗り、太めの人物が次男を、1番背の低い人物が三男を名乗ってきた。

ただ、NECと言う言葉に花凛達は身構える。


「あなた達は、あの豪徳寺の部下?」


 花凛が、再び3人に質問をする。


「違うな、俺達はサディアスさんの直属の部下なのさ。そしてNECの邪魔をする者達を葬ってきた、処刑人さ」


 長男の哲郎が、質問に答えてくる。見た目とは裏腹に、その目には冷酷な部分が垣間見えていた。

他の3人の目も似たようなものであった。

いったい何人の人物を殺せば、あの様な目になるのか花凛には想像も出来なかった。


「今度は、お前達が邪魔をしているそうだから消しに来たってわけさ。悪いことをするドラゴンを退治するためにね。グフヒヒヒヒ」


 次男の吾郎が続けてくる。狙いは最初から花凛達であったようだ。

すると、突然リエンが叫び声を上げる。


『皆見て!! あいつらの手のひらを!』


 その言葉に驚き、花凛達が3人の手のひらを見ると。3人共ご丁寧に、手を広げ見せびらかしていた。

小型ではあるが、あの豪徳寺がつけていた制御装置を。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ