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6.

感想ありがとうございます。

こんなに更新を喜んでもらえるとは…とても驚いております。


今回も安定の愚だ愚だです。


 決闘終了後の食堂。

「それにしてもすごかったね」

『何がだ?』

「あれでも実技だけは学年次席を瞬殺なんて」

 …○フォイが学年次席…え、皆あれより遅いレベル?

 爺め、なんでこんなところに入れやがった。

「ちなみに主席はレンくん。ちなみに次席との差は120点ほど違うの」

「一応、三大貴族なんて肩書があるから、主席くらいは取らないとだから。まぁ、兄さんはもっと優秀だったけど」

 …ごめんなさい。

 目の前にいます。

「えーと、クルルシファーさんだっけ」

「そう。3年前に僕が中等部に主席合格する頃にはすでにこの高等部を飛び級で卒業してた天才児。まぁ、その兄さんを見ていなかった母さんは完全に信じてなかったけどね」

「でも、亡くなってしまったんですよね」

「そう、馬車に乗り何処かへ向かっている最中に土砂崩れに巻き込まれて行方不明。捜索は2週間で切り上げられてしまって、見つかったのは兄さんのしていた指輪だけ。それを加工させてもらって形見として僕が持ってる」

 と言って、首にかけてあるチェーンをもちあげ、その先についている宝石を示す。

 …あれはたしか、国王に頼まれて隣国までの移動距離を短くするためにトンネルを作った際の貫通石を魔法で加工した奴だな。調子に乗ってやった魔改造済みの。

「あの兄さんの事だから今頃、どこかで人を顎で使ってるのかもしれないね」

 と苦笑いでそう言った。

 …すみません。兄、ここにいます。

 生物学上は何か姉にジョブチェンジしてますが。

「じゃあ、レンくんの目標はそのお兄さんなんだね」

「うん、いつか兄さんに肩を並べられるようになって当主として頑張るよ」

「私は女の時点で当主とかそう言うのから外されてるからな~。そう言う目標があって嬉しいよ」

 弟の過大評価がすごいんだが。

 ヤバい、顔が赤くなってそう。

 ローブの中は真っ黒なので分からないけど。

「あ、ハイルノークさんごめん、ついついとんとん話を進めちゃって」

 いえ、俺空気なんで。

『気にするな』

 これしか取りあえず言えん。

 あ~穴があったら埋まりたい。

「シファ・ハイルノーク」

 突然声をかけられたのでその声のした方を向くと、

『げっ』

「ほー、久々にあってその態度か」

 …出来ることなら後ろを向きたくはなかった。

 でも見てしまったなら仕方がないとしか言いようがないので諦める。

『ジル…』

「そこのお二人、こいつ借りるよ」

「「あ、はい」」

「さーて、お話の時間だぜ、シファ」

『え、あ、ちょっ、下せジル!』

 いきなり担がれたので必死の抵抗を試みるが“いやだ”の一言で拒否される。

 集団のイタイ視線を浴びながら俺は運ばれていった。

  



 “今世紀最大の落ちこぼれ”それが俺を担いで行った男の3年前の呼び名である。

「さて、久しぶりだな。1年ぶりだな」

『お前が護衛で俺を名指ししなければ良かったものを』

「俺はこの国の第二王子なんだから別にいいだろう。セ・ン・パ・イ?」

 …俺がクルルシファーとしていた時の中等部の1学年の時に知り合い、虐めの対処にすらなっていたこいつを助けたのがそもそものことの発端である。

 いじめ問題をこいつが自分でどうにかする頃には俺はすでに高等部に進級していたのだが。その当時、俺が11歳。デブ真っ盛りの時である。

「先輩のおかげで、呪いが解けて魔力を自由に使えるようになったんだからその恩人が職を無くさないように仕事を与えただけだろ?」

『仕事なんぞ、山のように降ってくるから気にするな』

「でも、報酬は魅力的だっただろ?」

『白金貨10枚って、遊んで暮らせる金額が出りゃそれはな』

 最初は白金貨5枚で、チップとか言ってこいつが俺にプラス5枚を乗せてきやがった。

「ま、それはともかくそのフード取ってくれよ、後輩」

『今じゃ立場はそうだろうな。だが断る』

「不敬罪で首飛ばしてやろうか?」

『暗殺するぞ?』

 そう言うと二人で、笑いあう。

 ここは、VIPルームと言うかなんというか、ジルの部屋であるので周囲の目線もないし、数少ない友人だからまぁ、良いか。

「いや、外しておこう。見ず知らずの相手と言う訳でもないし」

 そう言って、念話をやめ自分の声でじゃべり、フードを外すと、

「……シ、シファさん?」

「何かな、ジル先輩」

「あの女性だったんですか?」

 なぜか突然の敬語。

「まぁ、な。あのデブボディーからは想像がつかないだろ?」

 そう言って座っていたソファーから立ち上がりくるりと一回転して、両手を頭の上にあげ、ぴょこぴょことウサ耳の如くやってみた。

 すると、完全に頬を赤くした。

「おーい、どうしたー」

 数秒固まっていたので頬を2回ほどぺちぺちと叩く。

「い、いや、なんでもないです。はい」

「ん、そうか?まぁ、いい。ローブには色々と偽装組んであるからな、ローブの外から持ち上げると成人男子並みの重さを与えたり、ローブ内の空気量が自動で調節されて体格が判んなくなってるし。女として生活していくよりよっぽど楽だ」

「だからか…」

 一応、俺の着ているローブは、どちらかと言うとコートに近い感じである。

 決して、腕を通す部分があるからと言って、ポンチョとかといっしょにしないでほしい。

 ちなみに手にはいつも白い手袋が標準装備である。

「俺はそろそろ夕食取りに行こうと思うのだが、どうする?」

「嗚呼、俺はこの部屋で食うが…そのなんだ、一緒にどうだ」

「別に構わないが」

 その後、食事中、ちょこちょこ目をそらされた。

 俺、何か悪いことをしたがろうか。



――――――――――――――――――――――――――――――――――



 SIDE:ジーク・フロスト・レンガルド


 フロスト王国第二王子、それが俺の肩書きであり、生まれながらに期待されていた存在であった。

 だが、幼いころに城を襲った謎の集団に誘拐され呪いをかけられた。

 それでもすぐにハイルノークと言う渋い声の男に助けられた。

 その後、呪いが自然に解けることはなく、昔から見えていた精霊も見えず、自分自身で魔力を生成することもできなくなった。

 それからは一気に周囲の態度は一変した。

 “呪われた第二王子”

 などと呼ばれ、迫害の対象となった。

 家族からも罵られ、時には殺されかけたこともあった。

 ――俺が、学園でいじめを受けていた最中もそうだ。

 “王族たるものが自身の力でどうにかできずにどうする”などと言われる始末。

 魔法にも、魔術にも頼らずとも戦えるすべ、剣術を習って行ったが、やはり魔法には勝てなかった。

 そんな時だ。クルルシファーにあったのは。

 第一印象と言えば、可愛がられている生意気な年下のデブ。だが素早い。

 それが気に入らなくて良く攻撃を仕掛けるも魔法で防がれて終了。

 それを何日も、何日を続けているうちに、開いているのか開いていないのかもよくわからない目で、見られこう言われた。

「ちょっと、呪いを解いてやる」

 そう言われ気が付けば激痛が襲った。

 奴が初めて魔法を使わずに自分のこぶしで俺を殴った。

 次の瞬間には精霊が見えるようになった。

「もういっちょ」

 また殴られる時には魔力が溢れた。

「…予想以上に多いな」

 そう言ってまた殴られ気絶した。


 それからは、魔法、魔術を駆使してクルルシファーに挑んだ。

 精霊が見える、と言う時点で俺は結構精霊に好かれていたらしく、魔法はみるみるうちに上達していった。

 クルルシファーに挑むことし頭になく、奴が進級した時にようやく周りを見る時間が出来、気が付けば、家族も何も言わなくなって、学校の連中も俺にちょっかいを出してくることをやめていた。

 相変わらず、クルルシファーは優秀で、高等部を卒業したことを聞き、やっぱり挑んだが、奴の本気に瞬殺された。

 今までは手加減されてたんだなってつくづくそう思った。

 俺が2年になった時、奴が行方不明になったことを知った。

 アルカディナ家も捜索隊を出したし、俺も無理やり城の兵を動かし捜索をしたが見つからなかった。

 それからは俺は目標を失ったが、割とすぐに次の目標を決めた。

 行方不明と言われているがアイツが生きていると、俺の何かがそう言っていたのでそれを信じることにした。

 そうしたら、案の定アイツの近くにいた精霊と同じ精霊がローブで身を包んだ男にくっついた居て、思わず泣いてしまった。

 それで、そのローブの男を俺の護衛として呼んだことも忘れて、戦いを申し込んだが『それは仕事に含まれていない』と一蹴。

 まぁ、そいつがクルルシファーだと確信でき、落ち着いた。

 それからと言うものちょくちょく城に呼ぶが拒否をされた。

 で、今度はどうやって会おうか考えていたら学校で見つけたので拉致った。


 …その後、久々に素顔を見ることになったのだが、美少女だった。綺麗系の。

 整った綺麗な顔だが、その声は非常に会っていた。だが、言葉遣いと行動がおかしくてちょっとギャップにやられかけた。

 その夜、ふと考えると、俺は年下の女にケンカをしていたことになる。

 恥かしさのあまり、軽く死にたくなってその日の夜は枕に顔を伏せ、悶え苦しんだ。

 その際に、頭からシファの顔が離れなかった。


もう少し文章増やしたいです…

 

その時のテンションで分量が違いすぎて…








*更新は不安定なことをご了承ください。

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