4.
えっと、はい。すみません完全に主人公の名前ミスっていました。
ハイルノーツ×
ハイルノーク○
です。
王立魔法学園高等部生活2日目。
朝、起床するとアリアが鼻血を出しながら倒れていた。
「だ、大丈夫かアリア」
同室の住民、アリア・バース・クロイツに意識の確認のため声をかける。
昨日、なんやかんやで誤解を解いているうちに自然と下の名前で呼び合う仲になった、のだが……
「あ、あれ?シファちゃん、なんで私は――――あ。」
彼女は急に焦ったように聞いて来た。
「も、もしかしてだけどシファちゃん朝弱い?」
「朝起きるのは苦手だな。ボンヤリ起きるんだけどその後すぐにまた寝ちゃって」
そう言えば、屋敷にいた時には朝俺を起す人は毎日変わってたのは何故だろうか……弟はいつも固定されていた人だったらしいからな……。
師匠との生活でも一度も起こしに来てもらったことはないし、遅れたら遅れたで練習メニューを増やされるだけだったな。
「……もしかして、何か寝惚けて何かやらかしちゃったか?顔を蹴ったとか」
「いややややや、そんなことないよホントだよ。私がごろんだだけだよ?(…え、何この凛々しい雰囲気とまるで逆な甘えん坊キャラの記憶がない……だと!?ええ、あれは寧ろご褒美……絶対あんな姿他の人n――)」
「帰ってこーい」
「はっ、私は何を!?」
あー、何かとても素敵なことを考えていた気がするのだけれど……、とか呟いてるが知らない。
……やっぱ寝惚けて何かをしてしまったのだろう。
明日から早く起きよう。
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side: アリア
私には、友人が一人で来た。
何と言うか一言で言うと鈍感さんです。
スタイル良し、声良し、顔良し、Sクラスにいるから成績も良し、何と言うか完璧超人のまるで自覚のない子みたいな感じ。
いつの間にか、そんな彼女の布団に入ってしまっていたようだ。
……取りあえず彼女の胸に顔をうずめる。一枚の布越しに柔らかな感触を感じる。
窒息死云々言うほど彼女の胸がデカいわけじゃない。非常に形はいい。
それでいて小さすぎると言う訳でもないナイスすぎる絶妙なサイズ。
何と言うか最高の枕。
このままここで永眠もいいかもしれないなんて考えていると、私の私物の時計が6時を指している。
……そろそろ起こしておこう。
学校も始まったばかりだがなれるまでは少し早目に起きたほうがいいと思った。
「シファさん、起きて~」
彼女の柔らかい綺麗な蒼がかってる黒髪を撫でて起こそうとする。
そう言えば彼女は何故、眼帯を付けているのだろうか?
あーはいはい。皆まで言うな分かっているきっと壮絶な【自主規制】が!
「ふみゅ。もぅ、あさー?」
絶句。
な、何なんでしょうかこの可愛い生物。
「あ、あれ、シファさん?」
「なに~アリア~」
「そろそろ起きないと……」
目をややたれ目っぽくなっていながらも、しっかりとしたからだから連想させられるのは、そうあれだ。甘えん坊の姉、とかちょっとダメな年上彼女とかそう言う感じ。
この前読んだお話の主人公の姉みたいですね。
「あと、300びょう」
「素直に5分でいいんじゃないですか!?」
「アリア、怒らない~」
「いえ、怒ってませんよ!?」
もう、あれですね何と言うかシファさんと言うより、シファちゃんですね。
「シファちゃん着替えましょうね」
何と言うか、もう若干幼児レベルに成り下がっています。
……あれ、彼女この上着一枚しか来ていない!?
そこには彼女の日に焼けていない見事に白い綺麗な肌があり、なんとも絶妙なボディーをあらわにしており、自身が女だと言うのにアッチの方面の扉を叩いてしまいそうになってしまう。
思わずそれに見惚れでしまった。
―――そして不意に飛び出てくる己の鼻から流れる赤き忠誠心を自嘲することなくまき散らしながら意識を失った。
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何はともあれ、着替えて食堂に移動した。
アリアに席を確保しもらいつつ、二人分の食事を運んでいると急に食堂がざわめいた。
―――我が弟、レン・アルカディナ・ソルドが食堂に入ってきたのだ。
おお、よくそんなにモテるな。
ま、どうでも良い。
アリアの所に料理を運ぼう。
この国に和食らしい和食は無い。
そして、生の魚を食べる風習は無いらしい。
かくいう自分も師匠の家に『しょうゆ』が無ければ食べることはなかっただろう。
港まで飛んでそこら辺の漁師に頂いた魚がおいしかったな。
『アリア、またせたな』
「ええ、気にしないでください」
そう言って彼女にとっておいてもらった席に着く。
一応、いただきますと口パクで言ってから頂く。
相変わらずローブを装備しているので布に当たらないようにして食べないと。
ふふふ、見えそうで見えない術式のおかげでフードの中は誰が入っているのかわからない様な状態になっている。
周りから見ればちょいと恐怖状態かもしれない。
簡単に言えば黒い犯人みたいな感じで判別されることはない。
大き目のを選んでいるから体型もバレないだろうし。
「ここ、いいかな」
……なんでくるんだよ弟!?
「ええ、構いませんよ、レンくん」
お~い、弟~いくら同じ三大貴族だからって仲良すぎとちゃいますか~
「えっと、アリアさん、そちらは?」
「彼女はシファ・ハイルノークさんです」
『シファ・ハイルノークだ』
ここは自然を装え。
そうすれば、きっとばれることはない。
「ハイルノークさん、でいいのかな。僕はレン・アルカディナ・ソルドです。気軽にレンとでもよんでくれると嬉しいな」
黙れ優男。
何と言うか、もてない奴がリア充に向かて妬みを言う感覚。
これがコミュニケーション能力の差か……。
『それではアルカディナとでも呼ばせてもらう俺のことは好きに呼べ』
「あはは、分かったよ。ハイルノークさん」
一応身分的には三大貴族がかなり上なんだ、いきなりファーストネームで呼べるか。
まぁ、アリアとは会話しているうちに、と言うか半ば泣き落としで名前を呼ばされたのだが。
「えっと、ハイルノークさんは女性でいいんだよね?」
『性別学情はそうらしいな。ただ声を出すのがあんまり好きじゃないからこうしているだけだ』
声変わりが少ししかしていないなんて言えるわけがないだろう。
それでばれたら終わりだしな。
そう言えばこの前ギルド員が、行方不明の俺を探していたらしいけどもうあきらめたらしい。
俺にとってはもう関係のないことだ。
今はクルルシファー・アルカディナ・バルフェではなく、シファ・ハイルノークなのだから。
「シファちゃん、声本当に綺麗なんですよ」
『……アリア、嘘を吹き込むな。そして何故今朝からちゃん付けなんだ。さんはどこに消えた』
「それは、シファちゃんが可愛いから―――ポッ」
『なぜに頬を染める!?』
アレだ、本気で百合ルート進んでやろうか?
「あはは、ハイルノークさんとアリアさんは仲がいいんだね」
『まぁ』
「ええ、今は友人ですがその内ランクが上がっていきますよきっと」
ら、ランクが上がる!?
そ、それって何か?
人見知り→友人→恋人
的な奴ですか!?
も、もしかしてアリアさん、あなたはあっちの人なんですか?
「それじゃあ、いつかは親友と言うことかな?」
「ええ、もちろん」
あ、嗚呼。
何を焦っていたんだろう。
危うくあっちの人になるところだった。
――――アレ、脳内がしっかり自分は女だって認識してないか?
いや、脳内が男だから問題ないはず!
そうだ、きっと勘違いだ。
感想、大量……返しきれるかな…。
何か色々矛盾していたりしますがそれでもよかったら次回もお楽しみに。