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3.

あわわわわっ、ちょっと目を離していた隙に偉いことになってる!?

たくさんの感想ありがとうございます。


時間の合間を縫って返信していこうと思います。


「落ち着かないな……」

 制服のスカートを規定ギリギリまで伸ばし、膝下5㎝。

 それでも非常に落ち着かない。

 現在、制服に身を包んだ俺は王立魔法学園高等部に向かっていた。

 ……まさか生きているうちに女性ものの下着をつけるとは思わなかった。

 師匠に学校行け宣言から数カ月が過ぎた春。

 師匠に無理やり王都の王立魔法学園の制服を取り扱っている店に連れていかれ、「なんて良い素材……萌えるわね」などと意味不明なことを言われながら、店員に変な所を触られたり揉まれたり……思い出すだけで嫌になってきた。

 とにかく、制服(女性用)を着させられついでと言わんばかりに髪も勝手に洗われ、整えられさらっさらヘアーになった。

 奇跡的に師匠と同じような蒼がうっすら混ざったような色で孫と言う表現はあながち間違っていないのかもしれないと思った。

 ……まぁ、その上から常時愛用のローブかぶってるから少しは落ち着いているんだが。その中でも中が見えそうで見えない

 そして、ようやくたどり着いたかと思えば待っていたのは入学審査。

 所謂、本当にその入学資格を受けた人物なのか?を調べるものであって学技で入学することに値するかを調べるものではない。

 一応、手元に入学許可証があるので大丈夫だとは思うのだが。

 だんだんと並んでいる列が消化されていき、

「次の者!」

「はい」

 俺の目の前の男の番になった。

「レン・アルカディナ・ソルド、ここに血を垂らせ」

「はい」

 …………聞き捨てならない名前が聞こえた気が…。

 そう言ってふと見えた顔は、3年ぶりに見る弟の顔だった。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――




 無事入学式を終え、自分に割り振られたSクラスの中に入り、自分の席を探し着席。窓際の後ろから二番目……良いポジションだ。

 師匠がくれた使い古した魔道書を読む。

 嗚呼、魔力の伝達を早めるための母体はやはりケチらないでいい金属を使わないとか……。

「え、えっと君がお隣の子かな?」

『嗚呼』

 そう、声をかけられた方を見ると、幸薄そうな少女が。

 ふっくらとした唇に幼さを表すような鼻、やや目が髪で隠れ気味で、その中から覗く可愛らしい瞳が何とも言えず、可愛い。

 ……さっそく百合ルート突入でいいですか?

「よ、よろしくね」

『ええ、是非!』

 俺、テンションおかしい気がする…まぁ、どうだっていいや。

 こ、これは友達ゲットフラグ!?

 ふふふふ、友達いない歴=年齢の俺に初めての友人が……。

 え、他の三大貴族の連中?

 いや、顔を知ってる程度です。

 ハイテンションの状態から授業は始まった。

 一番最初はベーシックすぎる自己紹介から。

 その中でも何と言うか王道だな~と思わず客観的に思ってしまったのは、

「僕の名前はカイゼル・フォースティーだ。僕の様な身分高いものと同じ空気を吸いながら学べることを誇りに思うがいいさ」

 おそらくこれが○フォイと言う奴なのだろう。

 それが第一印象だった。○フォイを前世の親友がよく語ってくれてた。

 「‘○フォイってゆうのは、一言でいえば噛ませ犬’自分は高貴であるなんて言いつつも主人公ポジションにあっさりやられ魔と取引をしても結局倒されちゃう奴あたりのことを言う……らしいぞ?これネットの知識だから正しいかどうかなんて知らないからな、べ、別に間違ってても謝ってあげないんだからなっ!」

 などと言う身長189㎝のサッカー部ディフェンダーの顔を思い出す。

 頭、坊主だったな。

「精々君たちの様な下級貴族や、平民はせいぜい授業の邪魔をしないことだね」

 あーうん、邪魔はしないさ。

 お前が邪魔しない限りな。

 そういやアイツ三大貴族の一つ下の段階の雷を主流とする貴族と同じセカンドネームだな。

「え、えっと、アリア・バース・クエイツです。よ、よろしくお願いします」

 お隣の幸薄そうな少女は三大貴族の火をつかさどるバーツさんです。

 ひれ伏しとけ○フォイ。

 その後も淡々と進んでいった。

 あー、次俺か面倒だな。

 念話対象を単数から変更し、イメージを飛ばす。

『シファ・アイルノーツだ。このフードだが、学園長に許可をもらっているので外す気はないのでよろしく』

 学園長に許可をもらったのは本当。師匠伝手に無理やり許可をもぎ取った。

 念のため、許可として渡された判子の押されてる紙を出しておく。

 その後、流れるように着席。

 すると、面倒事がこっちに歩いてきやがった。

「すみません、レン・アルカディナ・ソルド諸事情により遅れました」

 ……弟よ、何故このクラスなのだ!?




 よく考えれば当然と言えば当然か、成績優秀だしアイツ。

 そんなことを、寮の自室のお湯につかりながら考えていた。

 この学校、風呂あったんだな……。

 まぁ、師匠と暮した生活でも風呂はあった、3日に一度くらいしか使わなかったけど。

 その度に師匠の背中を流すのは非常に面倒だった。

 『こういうのは弟子の仕事だろ』とか言ってさ……。

 まぁ、その間もフードは装備してたけど。

 湯船から出て、風魔法で体を乾かしていく。

 髪も一発で乾くから楽である。

 その後、少し前師匠に買ってきてもらったダボダボのシャツを一枚着てベットの上で横になる。

 後で、下着洗わないと……何だか男としてのプライドが崩壊していくな…


 ドンッドン。

 

 何だか控えめにドアが叩かれたのでそのまんまの格好で出ると、アリア・バース・クロイツが立っていた。

 最初は俯いていたのだが、俺の顔を見た瞬間に『ぽかん』とした表情に変わる。

 可愛いな。

「え、えっとシファ・ハイルノーツさんのお部屋ですよね?」

「私がシファ・ハイルノーツだが」

 ……静寂が訪れ、やがて口を震わせてきたのでこれは叫ぶパターンだと思って彼女を部屋の中に居れる。

「えええええええええっ!?え、え、あのフードのハイルノーツさんですよね?」

「そうだが……何か問題があるのか?」

 そんなに驚かないでほしい。

 師匠でももうちょっと落ち着いて……無かったな。

『一応、教室で挨拶したのは念話の亜種で自分から相手に一方的にイメージを送りつける魔術だ』

「あ、本物さんです」

 ……この子天然な気がしてきた。後犯罪にころっと巻き込まれそう。

 どうやら彼女は同室の子らしい。

 この王立の学園は一応協調性と言うものを学ばせるために同室などのシステムがあるらしい。

「それにしても、ハイルノーツさんは何故こんなにお綺麗なのにフードなんかを?」

 綺麗……十中八九社交辞令だな。

「何と言いうか、あまり顔を見られるのが好きではないからな」

「まさか――――――――いえ、これ以上言わなくていいのです。わかってます、ハイルノーツさんにもいろいろな過去があったんですね」

「いや、そんなに重い過去なんて――」

「強がらないでください、大丈夫です、私は貴女の味方ですから」

 ……ダメだ子の子。



 どうやら、同室の子は思い込みが激しすぎる模様です。


 


えー、いきなりの学園編ですね。はい。


あの、師匠との甘い日々(!?)は後話として閑話感覚でいれて行きたいと思います。


皆、ツンデレ師匠に萌えてるかっ!←

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