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  作者: 黒歴史製造器
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私の視界で、ぼんやりとしていてくっきりしない、青と白の様々な模様が通り過ぎていく。

私は主人の手に抱かれながらその空を見るのが好きだった。私の肌にほのかな暖かさをくれる太陽が好きだった その空を駆けていく鳥達に憧れさえ抱きもした。

(また、この夢だ。)


だが今私を抱いているのは主人の優しくて、暖かい手ではない

無機質でざらざらとした、茶色くて四角いゆりかごに揺られている

そして主人の顔はその晴れ模様に似合わぬ曇り空だ まるで主人にだけ雨が降っているかのように


主人の靴が地面を歩く音とともに私のゆりかごは一瞬の静寂の後ゆっくりとその地面に着地する


―ごめんなさい もうあなたを飼う事は出来ないの。


主人から数滴の雨が降り、それを告げてその場から段々と小さくなっていく主人の背中に反響する幼い頃の私の声


何度も何度も見ていた 哀れで惨めな私


ますたー どこへいくの?  置いていかないでよ 何で一人ぼっちにしようとするの? わたしはどうすればいいの? ますたー ますたー ますたー ますたー…


段々と遠くなっていく自分の声の中にけたたましい音が割って入ってくる。カーテンの隙間から刺す光と目覚まし時計の耳障りな音が私に目覚めの時間だと教えてくれた。


「…またこの夢だ」 


もはや声に出すことさえ億劫になるその台詞は、私の目覚め一番の朝日への挨拶となっている

憂鬱なその体をよいしょと起こし、着替えと準備を済ませて階段を下りてご主人のいるリビングドアを開けると、パンをかじりながらテレビを見ているスーツ姿のご主人がいた


「おはようねろちゃん。」

私が彼に拾われてから何度も使われてきたこの言葉。

「おはようご主人、ちゃん付けはやめてくれと前からいってるじゃないか。」


「可愛い名前だからいいじゃないか」


ふふっ、と唇に上機嫌そうな笑みを浮かべながら仕事の支度をしている


「…もう昔の名前だよ そろそろ変えたらどうなんだい?」


それは私が前に飼っていた主人が付けていた名前であり。本当ならば新しい主人ができたなら新しく名前を考えるべき、だと私は考えている。

それに、その名前を聞くたびあの夢の出来事を思い出すのだ

何度も何度も見ている それほどまでに私には衝撃的だったのかもしれない。 もしあの出来事が無ければ、私はもう少し可愛げがあったかもしれない。

だがいつまでもそんな事引きずっていては仕方がないと割り切っていても いつまでも現れるこの夢は私に何を告げようとしているのだろうか。 


「おーい ねろちゃーん?」

彼のいかにもサラリーマン、良く言えばさわやかでまっすぐしているご主人の姿が目前に現れている事に気づかなかった

そして不覚にもドキッとしてしまった自分が恥ずかしかった。

「え!?ああ、すまないねご主人 少し考え事をしていたんだ」

「そっか、あんまり考えすぎると頭パンクしちゃうぞ?」

その様に似合わずおどけた彼の笑顔に、私は少し心が軽くなった


「じゃあ、仕事にいってきまーす」

「ああ、いってらっしゃい」


ドアの向こうから差される光に照らされながら仕事に向かう彼は、いつも私に元気をくれていた。


そして主人がドアの向こう側へ旅立った事を確認するとすぐに家事の準備に取り掛かる。耳と尻尾がついている以外見た目こそ人であれど、やはり猫が家事を行っている家というのもなんだか可笑しいものだ 


洗濯物と朝食の後片付けが終われば後は私の時間だ。 テレビを見るなりゲームをするなり散歩をするなり基本的に自由であった私はあまり不満を抱いたことは無かった


夢のことは気になるが、過去は過去と割り切るしかない 今はただこの幸せが続いてくれればいい。ただ主人が幸せであるだけで私は十分なのだ。 


だがその日、平穏にして暖かかった日常が崩れ去るなんて、その時は思いもしなかった。



こんばんは 初めて黒歴史を作らせていただきます製造器です

文学にはあまり縁が無かったのですがいかんせん妄想力だけはありあまっておりそれをどうにか表現できないかな、という理由で書かせてもらった所存です 大変くだらないです すいません

携帯小説の方がまだ綺麗だと思う位に大変拙い文章力ですが、どうか罵倒等はなさらず優しくグーで撫でながらアドバイスをもらえると大変ありがたいあまり昇天します。 モチベーションの浮き沈みが激しい私ですが、それでも見てくださる方がいると大変嬉しいです。

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