第一章 不思議な夜の車窓から⑦
■前書き
巨大な三姉妹に囲まれたまま、
テツロウの誕生日パーティが始まる――第一章完結話です。
登場人物:
青星テツロウ/青星ミニ/青星エミ/青星リオ
■第七話 本編
トンネルの中。。。
暗闇をパノラマ電車が行く。。。
テツロウはまだ、
巨大なリオの手持ち鉄橋を渡りながら
上空の巨大なリオが支えてくれた感触と
眼下にいたエミとミニの圧倒する
巨体の光景の余韻に浸っていた。。。
トンネルに入って5分以上は経つだろうか。
少し長めのトンネルだったが、
トンネルの出口が見え、
パノラマ電車は外へ出る。
巨大な三姉妹の顔の付近。
高さは80メートル以上はある、
超高架の鉄橋を走るが――
それよりも、
眼前の巨大な三姉妹は、
バニーガールの姿で
テツロウを迎えてくれていたのだった。
テツロウは、
圧巻な三姉妹の巨大なバニーガールを見て、
思わず
「うあああ!?」
と驚いた。
リオが言う。
「お兄様、パーティ会場へお越しくださいまして
ありがとうございます」
テツロウは、
電車に乗ったら巨大な妹たちに誘われて
無理やり来させられた感も拭いきれなかった。
するとエミが、
「兄さん、下を見てください。
兄さんの為に、わたしが作りました」
テツロウは目線を下におろす。
巨大な三姉妹たちの足も遥か下の地面についていたが、
この高い高架橋の眼下には
広大な草原が広がり、
巨大なレジャーシートが敷かれていて、
その上には白いテーブルがあり、
巨大なケーキが置いてあった。
そこに、
「お兄様、お誕生日おめでとうございます」
とメッセージが書かれてあった。
リオが言う。
「先週のお兄様のお誕生日は
お兄様のお仕事のご都合で……」
テツロウ
「そうか、みんな。ありがとう」
リオ
「私も先月二十歳になったとき
お兄様からお祝いを
いただきましたので……」
テツロウは、
リオが言っていたことって
このことだったのか……と理解する。
テツロウが乗るパノラマ電車は、
リオの眼前で停車すると、
リオは、そっとテツロウが乗る
パノラマ電車を掴む。
テツロウは展望席から
「何を……?」
リオは、
そのままテツロウが乗る
パノラマ電車を――
リオ
「お兄様、食べてみたいくらいに
愛おしいですわ……」
リオの巨大な唇に近づける……
そして、
パノラマ電車の展望席につけて
『ちゅっ』とキスをした。
テツロウ
「うわあああああ!!」
迫りくるリオの巨大な口に恐怖した。
リオが唇を展望席の窓から離すと、
そこには巨大なリオの口紅の跡が残っていた。
するとミニが、
「あ~!お姉ちゃんだけズルい~!」
飛び跳ねて、
リオが持っているパノラマ電車を奪おうとする。
リオも渡さないように、
パノラマ電車を持つ手を高いところまで上げて
ミニに渡さないようにしている。
ミニも負けじと、
さらに飛び跳ねて奪おうとする。
その最中――
連結されている後ろの車両が切り離され、
地面に落下する。
車内のテツロウは振り回されて、
座席にしがみついていた。
すると、
パーティ用の料理を運んできたエミが、
料理をテーブルに置いて
「姉さん!」
と大きく叫び、
テツロウが乗るパノラマ電車を
リオから救い出す。
エミは胸のところに電車をあてて、
「兄さん、大丈夫ですか?」
と声をかける。
テツロウの眼前には、
展望席の側面の窓にはエミの大きな胸が見え、
上部には心配そうなエミの顔が見えた。
テツロウは転びながら、
「大丈夫、大丈夫」
エミは言う。
「リオ姉さんも、ミニも
兄さんが電車に乗っているのよ」
リオ
「お兄様、申し訳ございません」
ミニ
「お兄ちゃん、ごめんね」
だがテツロウは気にしていなかった。
自分の為にパーティを用意してくれた気持ちがあったからだ。
エミは電車をテーブルの上の線路にそっと下ろした。
隣には巨大なビスケットで出来た
お菓子のホームがあった。
「兄さん、着きましたよ」
テツロウはそのホームに降り立つ。
テーブルの上には巨大なケーキと料理が並んでいた。
エミ
「兄さん、そこの階段を上ってくださいね」
テツロウが階段を上ると、
テツロウ用のテーブルと椅子があった。
エミが、
テツロウ用の小さな皿に、
ケーキと料理を
器用に取り分けていく。
「はい、兄さん。たくさん食べてくださいね」
エミはやさしく微笑みながら、
前かがみになり、
取り分けた料理とケーキが乗った皿を、
大きな指でそっと差し出す。
眼前に迫る、
巨大なエミの胸の前に、
差し出された小さな皿。
その一皿でさえ、
テツロウにとっては
食べきれないほどの量だった。
巨大な円卓。
巨大なケーキと料理。
中央にテツロウ用の席。
そして、
テツロウから見て
左にはエミ、
中央にはリオ、
右にはミニが、
巨大なバニーガールの姿で取り囲み、
クラッカーを鳴らして――
「お誕生日おめでとうございます!!」
パーティーが始まる。
ミニは、
自分が食べていたケーキを
半分に割り、
フォークに刺して、
テツロウの前へと差し出した。
そのケーキは、
テツロウにとっては、
ワンルーム一室ほどの大きさがあり、
まるで壁のように迫ってくる。
「お兄ちゃん、こっちのも食べようよ!」
テツロウは、
エミが取り分けてくれた
自分サイズのケーキを食べながら、
「こんなデカイの食べれるかー!」
と思わず叫んだ。
リオとエミは、
そんなテツロウを見て、
微笑ましく笑っていた。
リオは巨大なスパークリングワインのボトルを取り出し、
グラスに注ぐ。
巨大なグラスをテツロウの傍に置く。
リオ
「乾杯しましょ~、
わたくしも先月20歳になりましたので」
テツロウ
「こんなのも呑めるかー!」
リオはにっこり笑い、
小さなグラスにワインを注いで渡す。
「さあ、どうぞ」
テツロウは受け取る。
リオ
「お兄様、やっぱり愛らしいですわ」
エミとミニもジュースを持っている。
「それでは乾杯~♪」
乾杯。
宴は進む。
テツロウは、
巨大な料理が巨大な妹たちの口へ運ばれていく光景を見ながら、
「みんな、俺の為にこんな楽しい誕生日パーティを
開いてくれてありがとう!」
と叫ぶ。
やがて、
宴は終わりへ向かう。
ミニはテーブルに伏せて眠り、
エミは片付けをしている。
リオはほろ酔いで、
「お兄様、もっと呑みましょうよ~」
とテツロウを掴む。
テツロウ
「おい!リオっ!!放せー!」
宙に浮く。
巨大なグラスが迫る。
そして――
手から離れ、
ワインの中へ落ちる。
「うわあああああ!!」
意識が沈む――
■第七話 エピローグ
暗闇。
「お兄様!」
「兄さん!」
「お兄ちゃん!」
目を覚ます。
そこは星見ヶ丘駅の待合室。
普通サイズの三姉妹。
テツロウ
「……夢でも見てたのかな?」
駅を出る。
夜。
月と星。
ホームには、
口紅の跡がついた電車が一両で停車していた・・・
そして――
そのさらに外側。
巨大な三つの影。
リオ、エミ、ミニ。
三人は帰っていくテツロウを見守っていた。
その足元には、
転がる車両。
ミニが落とした電車。
ミニ
「今日のお兄ちゃんも、やっぱりかわいかったね!」
リオとエミは微笑む。
その光景は、
誰にも気づかれることなく、
夜に溶けていった。
---
第一章 完
■後書き
第七話、そして第一章をお読みいただきありがとうございました。
登場人物の由来。
青星エミ
青星ミニは
ふたご座:ジェミニより。
青星リオは
獅子座:レオより。
各登場人物のヒロインは
それぞれ星座が由来となっています。
第二章以降にも新たなヒロインが登場しますので
引き続きよろしくお願いいたします。




