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神様になったので妹たちを勇者にして世界最強にします  作者: ほっぺ


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序章③





「外の、世界…?」





小さく体を震わせながら、澄香は続ける。




「そうよ、今あたし達はどー考えても日本じゃない違う世界に居ると思うの!」

「家は安全らしい…けど、ずっとここに居たって何も変わらないわ…」



神妙な面持ちで話をする澄香に、2人も真剣な表情で話を聞いていた。




「………でも、さっき、スライム襲って来た」




「ええ、家の側にあんな巨大なスライムちゃんが出てくるなんて、迂闊に外に出る方が危険だと思うわ」

「だから私は皆のお姉ちゃんとして、反対…かな?」



眉尻を下げ困ったように笑う環。外でのトラウマに怯えて話す留奈。

その言葉に澄香は何かを言いたげに口を開きかけたが、グッと閉じ俯いてしまった。



沈黙が空気を重くさせる。





何か俺に出来る事はないのか…




ふと、隣で漂う妖精に目を向けた。



「――な、なぁゼウス。俺に出来ることって…あると思うか?」



突然の質問にきょとんとした表情を一瞬浮かべたが、ゼウスは顎に手を当て真剣に考え始めた。



「…うーむ、そうじゃのう」


「いきなり化け物に襲われたら恐怖心で家に篭りたくなるのも仕方のない事じゃ」


「しかしな!お主の妹達はそうじゃあ無い様子だぞい!根性ある良い子じゃ!ほれ!画面を見てみい!」




ゼウスの言葉に促されるように、俺は恐る恐る画面を見る。

妹達が新しい世界へ一歩踏み込んでくれるように、と願いながら。





「――あ、あたしは化け物に立ち向かう力が欲しいっ!やられっぱなしは性に合わない!」

「お姉ちゃん達をいじめる奴らは、あたしが全員ボコボコにしてやるんだからっ!」

 


バンッ!と両手をテーブルに叩きつけながら、澄香は本音を吐き出した。

泣き言じゃなくて、前向きな言葉。



澄香の真っ直ぐで熱心な言葉が届いたのか、2人は目を合わせて何かを決意したように大きく頷いた。




「…私も、貴女達を守る力が欲しい!」

「……わたしも、姉さんを治す力が、欲しい」



おや?

もしかしなくても、ジョブが決まりそうだぞ?

俺が居なくても…何とかなっちまったぁ。



3人はどんなジョブになるのだろうか…。




あいつらが決めた何かが絶対にある。

それなら俺はそこまでのルートを作ってやらねぇと!





まずは―――




初めの街を近くに造る!!



流石にノージョブで雑魚敵に会ったら、またさっきみたいなスライム事件になりかねないからな…。

近隣の村には申し訳ないがここは1つ、神様権限で…と。




ピピッ




『始まりの街 オルド 生成』




その瞬間、一軒家の近くに小さな村…いや、街が出来上がった。

そこで生活している市民も、ギルドも、商人だってバッチリ生成されている。


…はずだ。



これであいつらをここに向かわせて…




まずはギルドでジョブの適正審査でもして貰うか!




「よし、これで少しは安全になるはずだ」



「…随分と過保護じゃのう」



ゼウスは俺の様子を神妙な面持ちで見つめていた。



「るせー!ジジイ!街に着くまでに死んじまったら元も子もねぇだろ!」


「何じゃ!こー言う時だけジジイ呼ばわりしおって!…その街生成、吉と出るか凶と出るか…」



俺に聞こえない声で小さく呟く。





俺が真面目に街を作ってる間、妹達もまた会議を開いていたようで…





「でも、化け物を倒す力って何処で貰えるの?」



「そうねぇ…何もない私達が就ける職業紹介所とかあるのかしら…」



「お姉ちゃん…ハローワークじゃないんだから…」



環と澄香はこれからの事を考えて頭を悩ませているようだ。


そうだよな…


ここは日本とは違う異世界なんだし、スマホも通じない。

情報は自分で掴むしかない。

さすがにここは俺が道標を作ってやるか…!?

そう思った時、口を開いたのは留奈だった。




「……大丈夫、きっと、街へ行けば何とかなる」



ふんすと鼻息を荒げ、自信満々の表情で言い放つ。

留奈も俺も大のゲーム好き。

ここまでの展開で、次に行くべき場所が何処なのか見当が付いたのだろう。




「街?あたし、家に帰る途中に周り見てたけど街なんて無さそうだったわよ?」



「お姉ちゃんも、見てないわぁ…ごめんね、留奈ちゃん」



「……多分、ちょっと歩けばある、気がする」



「ま、まぁ…留奈がそこまで言うならそうなのかもしれないわね!そうと決まれば用意しなくっちゃ!」



「「「おーーっ!」」」



3人の号令で慌ただしく準備を始めた。






環はまず、お弁当を作り出した。張り切って作ったおかずが沢山入っている。




澄香は家の中の武器になりそうな物を片っ端からスクールバッグへ詰め込んでいく。





留奈は縁側で、2人がバタバタと走り回っているのをただ静かに眺めていた。







「よしっ!あたしの方は準備バッチリよ!どんな奴が来たってボコボコにして見せるわ!」



「私も、皆のお弁当作りは完璧よぉ♡」



「……わたしも、準備、出来てる」




「それじゃ、出発ー!!」


 



勢い良く玄関のドアを開け、3人は家の外へと向かっていく。




これから厳しく、辛い、苛烈な冒険が待っているだろう。

でも、お前達を守る為なら…俺は…




「勇者様一行の旅立ちじゃな」


「うるせー!まだチュートリアルすら終わってねぇよ!」







…あ、街の案内看板立てるの忘れてた。




ピピッ



『オルドへの道はこちら!』




天高い空から物凄い勢いで、金色の装飾を見に纏い光輝く看板が地上へと降り立った。




『始まりの街オルドへようこそ』




…道のど真ん中に余りにも分かりやすすぎる道案内の看板が出来上がった。



神のチカラは偉大である。

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