主観の檻
『みんな僕のことを裏で笑ってるのかな』
僕は先生から当てられないように小さくなる
「出席番号8番、ここを読んでくれる」
僕は席を立ち、教科書を前に構える
〜
何度もわからない漢字を先生は指摘してくれた
クラスメイトの前で僕の漢字の無知さが晒された
“キーンコーンカーンコーン”
昼休みとなる
僕はいつも通りの動作で自席で黙々とお弁当を食べる、一人で
みんなは仲良く席を寄せ合い昼食をとる
それと比べてしまう
僕は昼休みでトイレに行くのを忘れた
午後の授業中、漏れないように僕は我慢している
逃げ場もなく僕は手を挙げた
「先生、トイレ行ってもいいですか」
静かな教室にこだまする
僕は俯きがちに教室を出てトイレへと行く
『みんな僕のことを裏で笑ってるのかな』
そんなことを常に考える
「では、これから授業を始めます」
その先生の合図で道徳の授業が始まる
「今から自分の好きなものについて話し合ってもらいます
では、5人グループごとにまとまってください」
僕も一応グループに入る
そして一人ずつ好きなものを語った
「じゃあみなさん、今聞いた他4人の内容を話してみてください」
先生は言う
そしてみんなは斜め上を眺め考える
何人のかは覚えているが全員分覚えている人はいなかった
誰一人も覚えていない人すらいた
「今わかったように、人は他人を見ています。
しかし、人はすぐに忘れる生き物です
だから自分がどれだけ恥ずかしいことをしたなと思うことがあっても、みんなはすぐに忘れます。
なので、もっと自分を出していきましょう」
僕は常に自分の主観に囚われていた
しかし外の客観に出てみれば何とも空気が澄んでいた
僕は前よりも大きくなった気がした




