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21.決戦。

 地上よりも雲の方が近いほどの上空。そこで振り下ろされる大太刀と鎌。

 甲高い音が二つ。重なり合い、響き合う。大気が震えて、目に見えぬ波紋となって広がった。

 大太刀を受け止めたのは黒と赤の太刀。鎌を受けきったのは翡翠色の戦爪。

 受け止められた側は、片方は舌を打ち、片方はかすかにたじろいだ。

 受け止めた側である自分達は、強い衝撃こそあるも、互いに、耐えられないほどの痛みはなかった。特注品と言っていただけはあると、視線を交えながらも笑い合い、伯母と姉に感謝する。

「ありがとな、二人とも!!」

 なつめは蓮の大太刀ごと叩き切るような心算で、殊更大きく、そして速く刃を振り下ろす。

 ……確かに、相手は手練れであろう。能力の開きもあるかもしれない。けれどなつめと蓮では明確な体格差があった。蓮は、明らかになつめより細い。そしてそれによって生じる筋力の差は早々簡単に埋まらない。当然、向こうもそれを補強する為に【装神具】を用いているだろうが、こちらとて、【装神具】の扱いを幼い頃から我が身に刻み続けてきた。

 初撃で後れを取る理由など、ありはしない。

 振り下ろされた太刀の衝撃に耐えられなかった蓮の身体が、無様に地へ向かって落下する。そして、そのせいで相棒へと意識がいってしまったアーゲルハイネは、その大鎌を隆哉の両手に輝く爪に鷲掴みにされて、そのまま力一杯に地上へ向けて放り投げられた。

 二つの身体は激しい音を立てながら、大地と建物、それらを抉り、破壊していく。だが。

「ちっ……!」

 そこから上がる煙を突き抜けて、体勢を見事に立て直した蓮が、なつめの首を狙いまっすぐに突っ込んできた。当然、それも受け止める。加速によって、こちらに生じる衝撃は増しているのだろうが、やはり、軽い。受け止める損ねる事はないと確信出来るほどに。

 けれど一方で、アーゲルハイネの姿が見当たらない。

 たったあれしきで大人しくなってくれたとは思わない。恐らくは二手に分かれたのだと察し、蓮を迎撃し、力を緩めないままで周囲に意識を配る。

 すぐさま、その予想は的中する。小さな影が、自分ではなく実佳の方へ向かっている事に気付いた。しかし、こちらも一人で奴らと相対しているわけではない。

 なつめ自身が何か言うより前に、隆哉がアーゲルハイネの方に向かっていった。

 隆哉の爪が、再びアーゲルハイネを阻む。見た目だけは小柄な少女は、その体躯に見合わない大きな鎌をひらりと一閃させて、僅かに後退した。

 二対二から、一対一の戦況になる。

 あっちは、しばらく隆哉に任せても大丈夫だろう。ならば、問題はこちら。未だ刃と刃を交え、見つめ合っているこの男をどうするか、だ。

 いつまでも鍔迫り合いはしていられない。長く戦い続けるなどという目的でもなし、状況が変わらないのならば、別の手を打つまで。

 多少の負傷を覚悟して、あえて柄を握る手から力を抜いた。唐突な重心の傾きに蓮は対応できず、こちらへ倒れ込む格好になる。

 その隙に、男の首根っこを引っ掴んで拘束した。

 片手で太刀を握り続けるのは、なるほど、中々きついものがあるが、それも一瞬だ。ぐい、と強く引き寄せながら、諸共に落下する。蓮の抵抗も勿論激しく、何かの拍子に腕が切り裂かれて、血が流れた。赤い雫が宙を舞う。

 次の瞬間、空気を振るわせたのは、凄まじい激突音。下手をすれば崩壊音にも聞こえたかもしれない。

 ダン、と派手な音を立てて、体勢を何とか整えたなつめが、マンションの屋上に着地した頃には、蓮はこの手からの拘束を逃れて、大太刀を構え直そうとしている。

「させるかよ、そんな事……ッ!」

 ピアスから太刀へ流れている【装神具】の力の流れを、一時断ち切る。そして、ピアスの力を全て身体強化に回して、屋上部のコンクリートの壁を、力の限りに蹴り飛ばした。

 結果、凄まじい勢いで空を切ったのは、コンクリートで出来た巨大な弾丸だ。

 勿論一発分で終わらせるつもりはない。繰り返し、一撃に全力を込めて、弾を撃つ。狙いはかなり荒いが、それでも、男の動きを封じるだけの力はある。

 蓮を狙う巨大な弾を、彼は無駄のない動きで捌き続けた。ある一つは打ち落とし、ある一つは叩き斬り、ある一つは軌道を反らして彼方へ飛ばす。

 その場で動きを止め、向き直り、真正面から叩き落としていくその行為はつまるところ、大きな隙以外の何者でもない。

 幾度も放った弾丸の影……お世辞にも弾幕とは言えないそこに、するりと滑り込んだなつめは、弾の対処以外何も出来なくなった蓮の首元を再び掴んで、崩れたマンションから飛び降りる。

 最後に、着地を意識させるよりも前に、男の身体をアスファルトに向けて叩き付けるように投げ捨てた。

 何度目かも分からない、轟音。

 とん、とん、と軽い足音と共に、なつめは砂煙の上がる地点から一定の距離を取る。少しして、その隣に隆哉が並んだ。アーゲルハイネの方も、まずは動きを止めることが出来たようだ。

 様子見なんてしている余裕はない。最初から全力でいった。

 叶うならば、短期決着。そう思っていたけれど……やはり早々簡単に事を終わらせる事は出来ないようだ。晴れていく煙の中から、見た目こそ多少汚れていても、しっかりとした足取りで地に立つ、男と少女の姿がある。

「……最悪だな」

 口の中を切ったか、血を口から地へと吐き出し、口元を拭いながら蓮は毒突く。

「貴様等二人とも、ただの学生じゃなかったのか。こんな短期間で、何をどうすればここまで立ち回れるようになるのか」

「そりゃどうも。だけど、短期間ってのは訂正させてもらうぞ」

 先ほど負った怪我を軽く拭い、再び太刀を顕現させ両手で柄を握った。気持ちでも負けぬよう、不敵に笑ってみせる。

「俺も隆哉も、父さん達のおかげで小さい頃から今まで、ずーっと【装神具】に関わってきたんだ。年季ならそれなりに入ってるんでね」

「そーいう事。俺なんて、一部で【装神具】ブレイカーなんて二つ名が付いた始末だ」

 まるで悪戯小僧のような様相で、にやりと笑う隆哉。

 すると、蓮の隣に立つアーゲルハイネが目を細める。額からは血が一筋。

「……それ、聞いたことあるの。最新の【装神具】を、出力のリミットオーバーで次々破壊していく学生の話」

「は? まさか、例の噂のデストロイヤー? それがあれか? なんでそんなものが首を突っ込んでいる?」

「それは、知らないけど。でも、それだけじゃないよ。蓮。……天津宮たる神谷としての天賦の才。【装神具】を扱うその技量。力を余すところなく引き出す熟達した能力。……どれもこれも、その練度がずば抜けてる。何よりも、その笑い方。神谷なつめ。あなた、やっぱり神谷飛鳥の血縁だね」

「本当にな……嫌になるほど、瓜二つだ!」

 ……飛鳥の面影を見てしまったことが、よほど気に入らないのだろう。蓮の声は、苛立ちを通り越して怒りと憎しみが滲み出ている。

 『褒め言葉だ』……と、返そうとも思ったが、蓮の怒りの火に、油を注ぐのが目に見えて分かったので、なつめはそれを飲み込んだ。相手を好んで挑発したいわけではないし、怒りの増大と共に攻撃が激しくなって、こちらが劣勢になれば本末転倒だ。

「仕方が無い」

 蓮が、あからさまに舌を打つ。

「こちらも、形振りを構っていられない。アゲハ」

「ん。分かった」

 蓮に促され、アーゲルハイネは自身の鎌を、杖のようにして真っ直ぐに持つ。柄を下にし、とん、と大地に立てた。

 鎌の刃が月の光を映し出した時、地面が揺れる。何かが起こる事だけは分かったので、なつめと隆哉はすぐに実佳の方へと後退した。

 アスファルトに、赤い光のラインが目にも止まらぬ早さで走っていく。それらは線を描き、円を描き、文字を描き、月と星を中心とした陣を成す。

 完成した瞬間、目映い青の光が溢れ出た。そして、光になつめ達の目が慣れるよりも前に、その光がそのまま形を取った。

 白銀の全身鎧に身を包んだ騎士のようなものが、次から次にその形を確かなものへと変えていく。十、二十、五十……最終的には数を数える事を放棄したが、眼前に、百人以上の騎士達がずらりと並び、こちらに敵意を向けている。

 それだけでは終わらない。騎士達を喚んだ陣はまだ光り輝き……むしろどんどんその強さを増し続け、膨れあがり、最終的にとんでもないものを呼び込んだ。

 それは恐らく、紙面上でしか見た事のない幻想の生き物。

 見上げなければならないほどの巨大な姿。広げられる禍々しい翼。ねじ曲がった角。周辺をたやすく破壊していく長い尾。

「……ドラゴン」

 エメラルドのように光る鱗と、ルビーのように輝く瞳を持つそいつは、まさしく、その名を冠するに相応しい。

 ついに光が途切れ、そして代わりに、顕わになった竜の咆哮が上がる。応えるように、騎士達の鬨の声。

 たったそれだけで鉄筋コンクリートやアスファルト、電線などがはじけ飛び、周囲を吹き飛ばしていく。

「すっげえ」

 つい、感嘆の言葉を零した。だが何故か恐ろしくはなかった。百人以上の騎士と巨大な竜を前に、感覚が麻痺したのかと言えば、それも違う。

 唯々、この瞬間に純粋な感動を覚えた。たったそれだけの事だ。それだけの。

 竜の顎が大きく開かれて、真っ赤な口から青い炎が吐き出される。熱風が辺り一面に渦巻き、周辺周囲を焼き尽くしてく。

 とん、と肩を叩かれた。勿論、その手の主は隆哉だ。

「まずは俺が壁になってやる。実佳を、安全なところまで連れて行ってやれ」

「悪いな」

「今度、ジュース一本。ペットボトルな」

「了解っ!」

 いつもと変わりない口を叩き合って、それぞれ、別方向に飛んだ。

 隆哉は真正面から、数多の騎士達と竜へ向き合った。勿論、単身で突っ込むような無謀な事はしない。

「さあて」

 騎士の刃は隆哉一人を狙い、竜の瞳はたった一人の青年を映す。

「祐さんから貰った至極の逸品。どんなもんか確かめさせて貰うかね」

 それでも、その姿はたじろがず。

「それに──唯一無二の大親友が頼ってくれてんだ、家のしきたりなんか、知ったことかよッ!!」

 得意げに歯を見せ大きく笑った。戦爪を霧散させ、代わりに両手を大地に付ける。

 ブレスレットがこれ以上なく強く輝いた。

「今、ここに! 我は我が真名を解放する事を宣言するッ!」

 青い焔の色をした透き通った壁が、まるで都市を分断するかのように瞬く間に組み上がる。

「我は、我等一族こそは火! 煌々と燃え盛る焔、火炎の化身! 我が名、火ノ亰(ひのみや)隆希(りゅうき)の命と尊厳に懸けて、ここは一歩も通さん!!」

 一見硝子のように薄いそれは、幾度も繰り返される突撃も、斬撃も、あの竜が吐き出す激しい炎さえも防ぎきった。

 蓮の目も、アーゲルハイネの瞳もそれぞれ大きく見開かれた。 

「火ノ亰、だと……!」

 ギリ、と蓮が歯を食いしばる。


 火ノ亰。


 それは、あまりにも強い……強すぎる焔の力を宿すがゆえに、多くに疎まれ【天津宮】としては数えられていない家であり、一族。

「この土壇場で、都合のいい馬鹿な話があってたまるか!」

「あ、ああぁ……! でも、でも……蓮。そうだよ。そうだ、気付くべきだった。【装神具】を破壊し続けている時点で! この国に産まれた炎の神は、己自身を産んだ母の女神を焼き殺したんだから!」

「はっ! そんな場違いなカミサマのご事情談義は後でやれよ、大間抜け二人組! 俺をただの男女(おとこおんな)だとでも思ってたのか、バーカ!」

 己の本当の名を叫んだ隆希──いいや隆哉(・・)は、更に笑みを深めながら、蓮達を容赦なく罵って、その一方で己の【装神具】を見やる。

「さすが祐さん。俺の予想なんて軽く越えてくれるよなあ!」

 ひび一つ入っていない、それどころか焔はその輝きを増し続ける。虚ろで出来た町を染めていく。

 嬉々として声を上げたのがなつめの耳に届く。けれど、これだけ広範囲に壁を展開すれば、その分だけ隆哉への負担もかかるはずだ。

 それは、実佳を連れているなつめにも勿論分かった。恐らく、実佳を安全な場所へ連れて行ける、その時間分しか稼げないだろう。何より、あの壁が消えれば、今度こそあの騎士の大群と竜との、直接対決だ。おまけにその後に、本命が残っている。

 と、なれば。

「……〝あれ〟がぶっつけ本番なのは、俺も同じか」

 そう呟いて、実佳を抱き上げ、跳ぶ。

 隆哉がいる位置からかなり距離のあるビルの屋上に降り立ち、少し息を吸い込んだ。

 〝あれ〟にはまだあまり慣れていないけれど、と心のどこかで思ってしまった自分がいたが、そんなものは関係ない。この場に立つ以上、使えるものは全て使わなくては。

「実佳、一つ頼めるか」

 身体を下ろしながら、言う。

「何でもいい。サビの部分……いや、メロディラインだけでもいい。少しの間、歌っててくれ」

「歌っ?」

「うん。出来る?」

 言葉の真意を、一から十まで説明出来る時間はない。肝心な部分のみを伝える言葉ではあったが、実佳は戸惑う素振りも見せず、頷いてくれる。

「やる。やれる」

 そう宣言してくれる事へ、笑みをもって返した。

 ぐっと息を呑み、やがておもむろに歌い出した実佳の声。紡ぐのは、自分達が小さな頃から馴染んできた曲。なつめがフルートでそれを吹くたびに、実佳が旋律を口ずさんでいたその歌。

 生きる喜びを歌ったと言われる曲──第九の、歓喜の歌。

 その旋律が、歌声が、夜空に響く。

 左手でピアスに触れ、【装神具】の力を引き出しながら、右手の親指と人差し指で輪を作った。口に咥える。実佳の歌声と重ね合わせるように鳴る、甲高い口笛。

 異変は、すぐに起こった。

 それはあたかも、歌声と音色が、形を取るように。

 奇しくも、先ほどアーゲルハイネが行なったものと同じように。どこからともなく現れた白銀の光がいくつもの形を取った。

 実佳の歌は止まらない。自分の歌が、この光達を喚ぶ為に必要なものだったのだと気付き、確信したのだろう。歌が響けば響いていくほど、光は集い、自分達を守るように輝いてくれる。

 ある者達は人の姿をとって大地に降り立った。

 ある者達は小さな妖精となり実佳を守るように集まってくれた。

 ある者達は馬や狼、獅子、様々な動物の形となり、騎士達へ激しく威嚇する。

 そして最後に、巨大な金の炎をまとう鳥が顕現した。

 その数はあの騎士達には届かないまでも、その鳥の身体は竜に及ばなくとも、その力は信じている。何せ、この者達を〝喚ぶ〟のは、はじめてではない。

「実佳を頼む!」

 叫び、隆哉の方へと舞い戻った。

 大地へ足を付ける寸前、騎士達の猛攻を凌ぎ続けていたあの壁が、ついに硝子が割れるような音を立てて砕け散る。

「ギリギリだな、なつめ」

 言いながら、額から頬へ幾筋かの汗を流している隆哉。息も切れている。かなり無理をしてくれたんだろう。

「悪い。だけど、援軍は喚んだぞ」

「そのようで。実佳の方は?」

「そっちも大丈夫だ」

「祐さんも祐さんだけど、お前もやっぱり、俺の予想を超えていくわ」

「そりゃ光栄だ。……みんな! 連中を倒そうとしなくていい、足を止めてくれ!」

 声高々に叫ぶと、召喚に応えた者達は、同意の歌を歌う者もいれば、その輝きを強める事で返事とする者もいた。

「ただの時間稼ぎを、数だけ揃えたところで!」

 蓮が忌々しげに、吐き捨てたが。

「……違う!」

 アーゲルハイネは、さっと顔色を変えた。いち早く皆の正体に気付いたようだ。

「これは、精霊!」

「なッ……!?」

 男が驚愕の声を上げた時には、精霊達は騎士達と相対した。剣と剣が、鎧と盾がぶつかり合う。弓を鋭く引いて飛んでいった幾つもの矢達は、騎士の鎧の隙間を縫うものもあれば、容赦なくたたき落とされたものもある。獣達もまた、騎士達に襲いかかる。その体躯を存分に振るい、騎士を複数人まとめて吹き飛ばすものや、鎧をかみ砕くものもいれば、一方で、その剣に四肢を切り裂かれたものもいる。

 そして、あの金の鳥は、竜に真正面から立ち向かい、その身体を広げた翼で覆い尽くす。竜は当然炎を吐いて抵抗するが、金の鳥も光で以てそれに対抗し、炎と光が混ざり合った混沌とした状況を作った。

(さあ、これでお互いの状況はイーブンだ)

 こんな混戦状態の中、たった二人の人間を狙うなんて、向こうもそう易々とは出来ないだろう。かと言って、アーゲルハイネが喚びだした者達を還してしまえば、こちらに力を貸してくれる精霊達の数を使い、押し切れる。

 蓮とアーゲルハイネの目的は、あくまでも実佳の排除。だが、なつめが喚んだ精霊達が消失しなければそれは叶わぬと、理解しているはず。

 実佳の歌を軸に、あくまでもその旋律に【装神具】の力を乗せることで精霊を喚んだ──つまり、実佳の助力で充分な余力を残す事が出来たなつめに対し、恐らくアーゲルハイネは己の身一つと、【装神具】のみでこの大群を喚んだ。

 先ほど、全力を使い切って壁を造り上げた隆哉が、その場から動くことが出来なかったように、アーゲルハイネも簡単には動けないと踏む。

 で、あるのならば。向かってくるのはたった一人。

 気がつけば、騎士達は示し合わせたように後退していた。精霊達も、なつめが言った通りに足止めを優先し、深追いせずに様子を伺っている。

 あれほど激しく争っていた竜と鳥も、互いに距離を取りながら睨み合っていた。牽制するかのように。

 自然とできあがる、不自然な空白。そこに進み出る一人の男。


 最後に残った、最大の障害……橘蓮は、その瞳に憎悪を宿し、金の瞳を爛々と輝かせながら、その姿を現した。

完結まで予約投稿済みです。

もし

「先が気になる」

「面白い」

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