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【完結】あの山にダンジョンを築城しよう! ~命の実を守るために俺だけの城に引き篭もってやる~  作者: 敷知遠江守
第十一章 平城(中篇)

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第45話 大改装

田峯壮馬:女神から「命の実」を託された、スキル?「城郭知識」「攻城知識」

アグレアス(消失):地2水2火2風2、スキル「知識(命の実とリンク)」、得物は鞭(鞭技)、奥義「彼岸の舞」

マルファス:地5水0火0風0、スキル「土木工事」「土人形創造IVソロちゃん」「遠隔活動」、得物はモーニングスター

ビフロン:地1水2火1風2、スキル「陽光召喚」「宝石加工」「死霊傀儡」「栽培」、得物はサック

ロレイ:地0水1火0風1、スキル「遠隔活動」「狩猟」「偵察」、得物は弓(弓技)

ピュセル:地0水5火1風0、スキル「水流操作」、得物は刀(刀技)

ハルパス:地3水0火0風3、スキル「経理」「兵站」「建築」、得物はハンドアックス

フルフル:地0水0火0風5、スキル「栽培」「精霊召喚」、得物は杖

ザガム:地0水4火4風0、スキル「酒造」「金属加工」、得物は長柄の鎚(鎚技)

ウサグー:地2水2火2風2、スキル「治癒」、得物は鞭(鞭技)

梟のソラス:地4水4火4風4、スキル「予知」「軍師」「大魔導」、得物はタクト

 翌日から、マルファスの指揮の下、洞窟内の普請工事が行われた。

 マルファスが口を尖らせてブウブウ文句を言っているが、そこは全く聞こえない方向。


 まず、それまで地上から真っ直ぐ細い洞穴を抜けて入って来た入口を、少し離れた場所にし、そこからかなり下った先に大手門という風に変更。大手門の位置は、以前の本丸から一の丸くらい下がった場所になった。


 城全体が山のかなりの深さまで掘り下げられた事で敷地面積が広くなっている。

 これまで一の丸、一の廊、二の丸、二の廊、三の丸、三の廊、四の丸、本丸という感じで段々と高くなっていくカタツムリのようなデザインだったのだが、それを若干変更。


 一の丸はそのまま。二の丸は今までの半分の狭さに。三の丸はそのまま。四の丸は本丸に統合。一の廊、二の廊、三の廊は廃止。

 各曲輪は完全に水堀によって隔てられ、橋によって繋がれている。

 これまで三か所あった畑は、一の丸と三の丸の間、三の丸の奥の二か所に移動。周囲は水堀となっており、隔絶された曲輪のようになっている。


 一の丸から三の丸、三の丸から本丸の間は橋で繋がれているのだが、三の丸から本丸の橋はクランク状の折長橋となっている。

 この改修で、全体的に見ると、三つの大きな浮島と、三つの小さな浮島が池の中に浮かんでいるような、そんなデザインに変わった。


 二の丸と畑の区画は、一の丸、三の丸より高くし、二の丸にはロレイが狙撃できるように高櫓を設置。


 これまで二の丸、三の丸にあったロレイ用の釣堀とザガム用の鍛冶場は、これまで同様に二の丸、三の丸にそれぞれ設置。


 四の丸にあった館は廃止し、本丸の天守の周囲に三つの小天守を配置し、それぞれを廊下のような櫓で繋ぎ、姫路城のような四連天守とした。

 天守の中央の広間には温泉。

 本丸だけかなり高い位置にあり、周囲を高い石垣で囲っている。


 上から見ると、区割りのど真ん中に天守が来ているという形になり、天守閣の上から城内が一望できる。これなら侵略者の動きが手に取るようにわかるだろう。

 できればこの光景をアグレアスに見せてやりたかった……



 連立天守の一角に食堂と厨房を設け、食事の時間になると全員でそこに集まる。

 すっかり食事はザガムとウサグーの当番で定着してしまったらしい。だが、配膳はピュセルが行っており、片付けはフルフルとハルパスが、食器洗いはマルファスとロレイが行っている。

 これまではそれらをアグレアスが一手に行ってくれていた。そう考えると、改めてアグレアスの偉大さを実感してしまう。


 ある日、食事が終わると梟のソラスが話したい事があると申し出てきた。


「どうしたの? 何かまた新しい予知でも見えたの?」


 嘴で器用に食後のお茶を飲んでから、ソラスはそのまん丸の瞳でこちらをじっと見つめてきた。


「壮馬様、この洞窟には壮馬様が望まれた方が来るようになっているという件はご存知ですか?」


 もちろん知っている。それでアグレアスと喧嘩になった事があるのだから。

 無言で頷くと、ソラスはコクコクと小さく二回頷いた。


「壮馬様がわらわを欲したのは、恐らくは未来予知と智に明るい者を欲したからだと思うのです。そこで、これからは壮馬様に代わって、わらわが様々な指揮を執ろうと思うのですが、出過ぎた進言でしたでしょうか?」


 想像もしていなかった進言だったせいで、少し理解するのに時間を要した。

 『指揮』なんて、これまで誰も執っていなかったように思う。敵襲の時だって、何となく各々が思い思いに戦っている感じで。確かに戦闘指揮を執る者がいれば、戦闘に集中している者とは違う視点で見る事ができるのかもしれない。


「もちろん、壮馬様の意向は最大限考慮いたします。壮馬様が大将で、わらわが軍師という感じで。わらわは一番の新入り、もちろん反発も受けるとは思いますが……」


 少しおどおどとした態度でソラスは言った。そんなソラスに、返答を頷きで返す。


「わかった。お願いするよ。もしおかしいと感じたら、その時はそう言う。それと、指揮を執るというのなら、もっと堂々とした態度で、大きな声で喋らないとね」


 そう言って笑みを見せると、ソラスは照れて顔を俯かせてしまった。


「あの……これでもわらわは、かなり大声で喋っているつもりで……」


 え? それで? 嘘だろ……


 何となく気まずい空気が二人の間に横たわり、次にかける言葉を探してしまう。

 先に空気に耐えきれなくなったのはソラスの方であった。パフと羽を合わせる。


「では早速なのですが、壮馬様にはこの洞窟に呼んでいただきたい者がいるのです。一人はドラゴンのビム。もう一人はゴブリンのセイル。ビムは先日来た勇者の連れのような戦闘特化の者です。セイルは風魔法を操る伝令です」


 この洞窟にいる者は城作りや生活に才を発揮できるものばかりと、ソラスがチクリと苦言を呈した。現状、戦闘に才の高い者がいなさすぎる。アグレアスを失った今、我々の戦力低下は深刻な事になってしまっている。せめてもう一人は戦力になる者がいないと、勇者が来たら対処不可。早急に呼び寄せ、レベルを上げておく必要がある。でないと、次回の勇者の襲撃は防ぎ切れないと思って欲しい。


「ビムは『ないすばでえのお姉さん』です。壮馬様が強く欲すれば、近日中にやってくる事でしょう」

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