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【完結】あの山にダンジョンを築城しよう! ~命の実を守るために俺だけの城に引き篭もってやる~  作者: 敷知遠江守
第九章 平山城(後篇)

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第38話 梟のソラス

田峯壮馬:女神から「命の実」を託された、スキル?「城郭知識」「攻城知識」

アグレアス:地2水2火2風2、スキル「知識(命の実とリンク)」、得物は鞭(鞭技)

マルファス:地5水0火0風0、スキル「土木工事」「土人形創造IVソロちゃん」「遠隔活動」、得物はモーニングスター

ビフロン:地1水2火1風2、スキル「陽光召喚」「宝石加工」「死霊傀儡」「栽培」、得物はサック

ロレイ:地0水1火0風1、スキル「遠隔活動」「狩猟」「偵察」、得物は弓(弓技)

ピュセル:地0水5火1風0、スキル「水流操作」、得物は刀(刀技)

ハルパス:地3水0火0風3、スキル「経理」「兵站」「建築」、得物はハンドアックス

フルフル:地0水0火0風5、スキル「栽培」「精霊召喚」、得物は杖

ザガム:地0水4火4風0、スキル「酒造」「金属加工」、得物は長柄の鎚(鎚技)

エルフのウサグー:地2水2火2風2、スキル「治癒」、得物は鞭(鞭技)

 前回の魔法戦士のソロちゃんと異なり、今回のソロちゃんは完全な戦鬼であった。


 喉を切り裂かれた紺の重鎧の戦士が、噴水のように血を吹き出たせ、ぱたんと仰向けに倒れる。

さらに赤い鎧の剣士は戟の穂先に右手首を砕かれ、左手で剣を構えて防御体勢を取った。


 恐らく攻撃魔法を唱えようと思っていたのだろう。漆黒鎧の男が慌てて詠唱を中断し、剣士に向けて呪文を詠唱している。


 ソロちゃんが剣士の方に体を向けると、赤い軽装の女性がその右肩に矢を射かけた。一本、二本、三本と矢が突き刺さる。四本目の矢を番えた軽装の女性だったが、その気の強そうな顔が絶望感で満たされていく。

 ソロちゃんに突き刺さっていた三本の矢が、燃えて炭になって零れ落ちた。矢が刺さっていた傷口は周囲がドロドロと溶けて簡単に埋めてしまった。つまりソロちゃんに矢は無効。


 軽装の女性が慌てて腰の短剣を抜いて構える。


 漆黒鎧の男の詠唱が終わり、怪我が回復したらしく、剣士が再度両手で剣を握って構える。

 そんな剣士にソロちゃんが戟を突き付けた。

 剣士はそれをかわし、懐に潜り込もうとする。だが、そこに今度は剣が突き付けられる。剣士はそれをもかわすのだが、少し体勢を崩してしまった。

 そこにソロちゃんの右足が飛んできた。ソロちゃんの足がもろに腹に食い込み、よろよろと後ずさる。恐らく呼吸が上手くできず苦しいのだろう。そんな剣士の胸に、ソロちゃんは戟を突き立てた。


 ちょうどそこで漆黒鎧の男の詠唱が終わり、絶命していたはずの重鎧の戦士が息を吹き返す。

 だが、立ち上がろうとした戦士の胸に、ソロちゃんは剣士から抜いた戟を突き刺した。


 死の恐怖にへたり込み涙を流す軽装の女性。焦りながら再度蘇生魔法を唱える漆黒鎧の男。

 ソロちゃんはまず漆黒鎧の男の処分から入った。

 漆黒鎧の男の顔面目掛け、戟を横に薙ぎ払う。なんとか避ようとしたのだが、避けきれず漆黒鎧の男が顎を砕いてしまう。


 こうなるともはや回復魔法を唱える事もままならない。しかも軽い脳震盪を起こし、足元をふらつかせてしまう。

 顎を押えてうずくまってしまった漆黒鎧の男の胸に、深々と剣を突き立てるソロちゃん。


 最後、一人残ってしまい死の恐怖に震え、地面にへたり込んでいた女性の頭に戟を振り下ろし、ソロちゃんは元の土塊に戻った。


「何と言う強さ……」


 あまりにも一方的な闘いで、相手の実力がいまいちよくわからなかったが、ソロちゃんが強いという事だけは良く分かった。こう言ったら怒られそうだが、俺の腕を抱えてはしゃいでいる召喚主より各段に強いだろう。



 ◇◇◇



 それからも冒険者が何組もやってきたがソロちゃんと骸骨兵たちの敵では無かった。

 徐々に強くなってきている冒険者たちが次々に骸骨兵となっており、骸骨兵の強さそのものが平均的に上がっている。その上にハルパスの能力で力、敏捷性、耐久性が各段に上昇している。


 相も変わらず四連国の王自ら兵を率いてやって来たが、ソロちゃんと骸骨兵が次々に兵たちを討ち取って行き、王と数人の近衛兵だけで命からがら逃げて行った。



 季節は秋を過ぎ、冬となっている。

 山をくり抜いた洞窟に造られた城なため、夏は蒸し暑いが外気よりも涼しく、冬は温泉の熱で外気より湿度があり温かい。

 それでも冬は寒く、冷水の注ぎ込まれる四の丸の屋敷よりも、本丸の天守閣に集まりがち。


 エルフのウサグーもレベルが上がり、アグレアスによく似た姿に成長。

 相変わらず、ピュセルと二人で一の丸の多聞櫓でお菓子作りに興じている。たくさん作っては、美味しいお菓子ができたと言って皆に配ってまわっている。


 最近の彼女たちはパーティーゲームがブーム。

 きっかけは些細な事だった。夕飯の後の果実を誰が取りに行くか、その程度の事であった。そこでトランプを作り、ババ抜きを教えたところ、すっかり夕食後の習慣になってしまった。

 さらにUNO、オセロ、チェス、双六なんてものも作成。

 マルファス、フルフル、ハルパスの三人は遊び始めるとキリが無いので、最近では遊ぶ時間は厳格に区切られている。にも関わらず、こっそり夜中に布団の中で遊んでいて、アグレアスに叱られたりという事も。


 夕飯後のゲーム団欒の時間に七並べに興じていたところ、ふいにアグレアスが何やら声がすると言い出した。

 最初は、これだけ皆で騒いでいて声がするも何も無いものだと思っていたが、どうやらそうでは無いらしい。


「壮馬様、誰かいらしたみたいですわ。命の実を持って行ってみませんか」


 するとそれに待ったをかける者が。


「ちょっとアグレアス、ハートの五を止められててパンクしそうだからって、それは無いんじゃない?」


 フルフルに指摘され、アグレアスの笑顔が固まる。


「そ、そんなつまらない話はありませんわ。ちゃんと外から声が聞こえたんですの」


 若干言い訳がましく聞こえ、ピュセルまでもが疑わしい目でアグレアスを見る。


「まあ、良いじゃないか。戻って来てから続きをすれば良いんだから。さ、行ってみよう」


 そう言って、アグレアス、ピュセル、フルフルを連れて屋敷を出て、声がしたという所へ行ってみる事になった。

 骸骨兵たちは静かに寝ているようで、ほとんど物音がしない。今は夜。ビフロンの光魔法も消え、洞窟内は真っ暗。

 松明に火を灯し、三の丸、二の丸と進んで行く。所々に寝ている骸骨兵がおり、思わずドキリとしてしまう。

 

 一の丸に到着すると、アグレアスの言う『声』の主が判明した。大手門に一羽の梟が留まっていたのだった。


 ずっと鳴き声をあげていたようなのだが、残念ながら小さくて全く聞こえなかった。

 こちらに気が付いたようで、梟がバサバサと羽をばたつかせて合図する。


 いつものように命の実のはまった杖を向けると、糸状の黒い霧が梟に向かって伸びて行く。そしていつものように気を失い落下。


「この者は梟のソラスという者ですわ。見た目はこんなに小さいですけど、まさに智の巨人。良い者が来てくれましたね」

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