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【完結】あの山にダンジョンを築城しよう! ~命の実を守るために俺だけの城に引き篭もってやる~  作者: 敷知遠江守
第九章 平山城(後篇)

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第37話 新体制始動

田峯壮馬:女神から「命の実」を託された、スキル?「城郭知識」「攻城知識」

アグレアス:地2水2火2風2、スキル「知識(命の実とリンク)」、得物は鞭(鞭技)

マルファス:地5水0火0風0、スキル「土木工事」「土人形創造IIIソロちゃん」「遠隔活動」、得物はモーニングスター

ビフロン:地1水2火1風2、スキル「陽光召喚」「宝石加工」「死霊傀儡」「栽培」、得物はサック

ロレイ:地0水1火0風1、スキル「遠隔活動」「狩猟」「偵察」、得物は弓(弓技)

ピュセル:地0水5火1風0、スキル「水流操作」、得物は刀(刀技)

鳩のハルパス:地3水0火0風3、スキル「経理」「兵站」「建築」、得物はハンドアックス

鹿のフルフル:地0水0火0風5、スキル「栽培」「精霊召喚」、得物は杖

牛のザガム:地0水4火4風0、スキル「酒造」、得物は長柄の鎚(鎚技)

エルフのウサグー:地2水2火2風2、スキル「治癒」、得物は鞭(鞭技)

 二の廊横の畑を少し狭くし、その分二の丸を少し広げた。その二の丸に元々造られていた釣堀を少し立派にして詰所とした。


 計画では、二の丸はピュセル、牛のザガム、エルフのウサグーの三人で守るという事になっており、その為に詰所を造ってもらったのだが、普段は誰も常駐していない。そのせいで単なる立派な釣堀と化してしまっている。


 三人はどこにいるのかというと、ピュセルとウサグーは一の丸で仲良く毎日お喋りしたりお菓子を作ったりして遊びまくっている。ザガムは、三の丸に工房を造ってもらって住み着いている。


 実はザガムには二つの特技がある。

 一つは金属加工。つまり鍛冶スキル。残念ながらまだ物を作る事まではできないらしいのだが、洞窟を掘った時に出てきた大量の鉱石を火炎魔法で溶かしてインゴットに変えている。

 そしてもう一つの特技は酒造。収穫して余った果物を片っ端から酒に変えている。


 その結果、最近、夕食に酒が出るようになった。

 マルファスやロレイ、ピュセルといったちょっと幼く見える面々が酒で酔っぱらっているのは若干倫理的にどうなんだと思わないでもない。しかも酔うと少し衣類が乱れてしまうので、目のやり場に困る。

 ザガム曰く、酒にはレベルアップ促進の効果があるのだそうだ。ただ、残念ながら俺が呑んでも命の実には何の効果も無いそうな。


 相変わらずウサグーはアグレアスを毛嫌いしており、全く口をきかない。それを周囲も気にしており、仲直りするように勧めているのだが、ウサグーは頑として聞き入れない。もう一度たしなめようかとアグレアスに言った事もあるのだが、アグレアスは寂しそうに首を横に振り、そのうちきっと誤解は解けるはずだから、そっとしておいてあげてと言われてしまった。



 ザガムの酒の効果なのか、はたまた、やって来る冒険者の頻度があからさまに増えたせいなのか、一気に三人が姿を変えた。

 鳩のハルパスは生成きなり色の短髪が印象的な高校生くらの女の子。大きな眼鏡をかけ、服装は山鳩やまばと色のサロペット。以前、斧が扱えると本人は言っていたが、どうみても戦力にはならなさそう。


 鹿のフルフルは焦げ茶色の長い髪を束ねた長身の細身女性。服は丈の長い煤竹すすたけ色のフード付きのローブ。非常に落ち着いた見た目なのだが、マルファスとは同レベルで喧嘩するのだから、なかなかのギャップだ。


 そして牛のザガム。何となく予想はしていたが、胸部とお尻の迫力が凄い。黒く長い髪は結って頭上高くでまとめており、服は白のTシャツに黒のデニムというかなり地味なもの。にもかかわらず色気が滲み出ている。



「ねえねえ、壮馬様! また宝石をください! ソロちゃんの強化ができるようになったんです!」


 朝食後、そう言ってニコニコ顔でおねだりしてきたマルファスに、さっそくフルフルが毒づいた。


「あの弱そうなの、造るのに宝石が要るの? ずいぶんと効率が悪いのね」


 その一言でそれまで嬉しそうだったマルファスの顔が怒りで真っ赤に染まる。

 そんなマルファスの肩に手を置き、まあまあと宥め、フルフルには喧嘩を売るなとたしなめた。


 バツの悪そうな顔をするフルフルの後ろにザガム立った。果実の収穫を手伝えと言って奥襟を掴んで引きずって行く。それを見て、ハルパスがケラケラ笑いながら付いて行った。


「くそっ、あいつめ! あたしのソロちゃんを馬鹿にしやがって」


 フルフルの後ろ姿を睨みながら、マルファスは俺が広げた宝石の中から一際大きな赤い宝石を手にした。


「見てろよ。お前の風魔法にびくともしないようにソロちゃんを改造してやるんだから」


 外を睨みつけるマルファスの頭上に手を置き微笑みかける。


「今度はどんな感じになるのか興味が湧くよ。さっそく一の丸に行こう」


 マルファスは顔をパッと明るくし、立ち上がって頭上じゃない方の手を取った。


 途中フルフルの姿が見えるとマルファスは舌を出して挑発。フルフルが歯を見せて挑発し返す。そんなフルフルをザガムが手を休めるなと叱責。

 こちらもマルファスの背中を叩いて、一の丸へと向かった。


 一の丸に着くと、俺たちを見て何事だろうと、ピュセルとウサグーが櫓から出てきた。


  いつものように土塊状態のソロちゃんに新たな宝石を埋め込み、鼻歌混じりに土に人の形を書いていく。最後に何やら呪文をむにゃむにゃと唱える。

 しばらくすると、明らかにこれまでとは異なる反応が起きた。

 地面がドロドロに溶け、赤く染まっていく。そのドロドロがマルファスの書いた人型全体に広がり、赤い泥の塊となり、徐々に盛り上がって豪奢な錦袍を身に纏った鎧武者の形になった。


「か……恰好良い……」


 思わず感想が漏れる。


「やん、ソロちゃん、強そう!」


 マルファスがそう言って俺の腕に抱き付き、ソロちゃんを指差す。ピュセルとウサグーも、ぽっと見惚れている。 


 そんなところにお誂え向きに冒険者一行がやってきた。


 冒険者は四人。赤い鎧の剣士、赤い軽装の女性、紺の重鎧の戦士、そして漆黒の鎧の男。武器はそれぞれ長刃剣、弓、戦斧、細身槍。


 ソロちゃんの実力を見てみようと、四人は一の丸の多聞櫓に身を潜め、様子を見る事にした。


「な、なんか、あ、あの紺の戦斧を持った戦士、ちょ、ちょっと強そうじゃないですか? だ、大丈夫なんでしょうか?」


 簡単に大手門を破壊し、一の丸に進入してきた冒険者たちを見て、ピュセルが心配そうな顔をする。

 ソロちゃんは初陣で実力が不明。マルファスもハラハラしながら祈るような目でソロちゃんを見ている。


 今度のソロちゃんは二刀流。右手に戟、左手に剣。長柄の戟を軽々と片手で持つ姿がなんとも勇ましい。


 最初に行動してきたのは冒険者であった。

 剣士がソロちゃんの左から、正面から戦斧の戦士、後方で女性が弓を構え、漆黒鎧の男が奇妙な形で指を組んで魔法を唱えている。彼らのフォーメーションというやつなのだろう。


 ソロちゃんは、剣士の長刃剣を左手の剣で受け流し、右手で持った戟を戦士に向けて振り下ろす。

 戦士が戟を戦斧で打ち払うと、ソロちゃんは身を半回転。

 戟を薙ぎ払うように剣士の手首にぶち当て、左手の剣で戦士の喉を切り裂いた。


 ピュセルが強そうと言った戦士はあっという間に絶命してしまった。

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