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【完結】あの山にダンジョンを築城しよう! ~命の実を守るために俺だけの城に引き篭もってやる~  作者: 敷知遠江守
第六章 小城(後篇)

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第26話 戦力不足

田峯壮馬:女神から「命の実」を託された、スキル?「城郭知識」「攻城知識」

アグレアス:地2水2火2風2、スキル「知識(命の実とリンク)」、得物は鞭(鞭技)

マルファス:地5水0火0風0、スキル「土木工事」「土人形創造IIIソロちゃん」「遠隔活動」、得物はモーニングスター

ビフロン:地1水2火1風2、スキル「陽光召喚」「宝石加工」「死霊傀儡」「栽培」、得物はサック

ロレイ:地0水1火0風1、スキル「遠隔活動」「狩猟」「偵察」、得物は弓(弓技)

ハーピーのピュセル:地0水5火1風0、スキル「水流操作」、得物は刀(刀技)

鳩のハルパス:地3水0火0風3

 ここに来て、急に怪我人が増えている気がする。

 ロレイはまだベッドで唸っているし、ビフロンはまだ目を覚ましていない。光魔法は継続できているが、骸骨兵は骨の山に変わってしまっている。


 現在、この城にやってきたのはアグレアス、マルファス、ビフロン、ロレイ、ハーピーのピュセル、鳩のハルパス。

 その中で戦闘力が高いのはアグレアスとロレイの二人だけ。

 マルファスにはソロちゃんがいるが、本人の戦闘力はさっぱり。

 ビフロンは骸骨兵を作れるが、こちらも本人の戦闘力はさっぱり。

 ピュセルは今のところ戦闘というより戦闘補助が主体。

 ハルパスは未知数。


 城作り、生活基盤作りばかりを重視しすぎて、いささか防衛を蔑ろにし過ぎた気がする。

 ソロちゃんやロレイの弓、ビフロンの骸骨兵を見て、戦力が増強されたと錯覚していた。

 ソロちゃんは敵意を感知しないと起動しない事が今回判明してしまった。

 ビフロンが作る骸骨兵は雑兵しか対応ができない。

 ロレイはここ二戦真っ先に標的になってしまっている。


「戦力不足か……」


 夕飯を食べながらそう呟いた俺を、申し訳なさそうな顔でアグレアスが見つめる。


「申し訳ございません。わたくしたちが至らないばかりに、壮馬様にいらぬ心労をおかけてしてしまって」


 そんなアグレアスに首を横に振って応える。


「そうじゃないんだ。君たちは本当に良く頑張ってくれている。そんな君たちを俺は何だか守れていない気がしてるんだよ」


 一度俯き、顔を上げた俺の視界に入ったのは、アグレアスとピュセルの焦り顔であった。


「ま、まずいです。こ、ここで新手だなんて。し、しかもこの感じ、か、かなりの強敵です!」


 アグレアスとピュセルが同時にこちらを見る。

 既にマルファスは窓から身を乗り出して一の丸を眺め、ソロちゃんの様子を窺っている。


「一人は屈強な男性、残りの二人は女性ですね。一人はかなりの薄着で、もう一人はローブ姿です。たぶん女性二人は魔術師系だと思います。ソロちゃんと相性が良くないですよ。どうしましょう」


 かなり焦った顔でマルファスがこちらに指示を仰いで来た。


 どうするもこうするも、ビフロンとロレイは戦力外。残りの四人でどうかしてもらうしかない。


「ところで、ハルパスは何ができるんだ? そういえばこれまで聞く機会が無かったんだけど」


 突然話を振られて、ハルパスは首を前後に揺らして少し乾いた笑い声をあげた。

 まあ、その反応で戦闘に役に立つ感じでない事は察した。


 ハルパス曰く経理スキルと兵站スキルを持っているらしい。

 経理スキルはビフロンのような骸骨兵を多数抱えるような場合に負担を軽減できる。

 兵站スキルは、ソロちゃんや骸骨兵のベース強化と自然回復ができるスキルらしい。


 ……つまり、どちらもビフロンがダウンしている時点で効果が無い。


 なお、武器はハンドアックスだが、マルファス曰く腕前は自分と同程度らしい。

 ようはほぼ戦力外。


 敵の姿をよく確認すると、確かにマルファスの言うように、敵は三人だけらしい。

 一人は武闘家風の男、黒髪の短髪に角ばった顎、筋骨隆々の体。

 女性の内の一人はかなりセクシーな服装をしている。ただ、その動きは身軽そのもの。武器は鉄扇。

 もう一人の女性はローブというよりワンピースのような服装。武器は護符。二人は姉妹なのか、同じような紫紺の長い髪をしている。


 その三人をソロちゃんが杖を向けて牽制している。


 ……ん?


「あの鹿は何だろう? あの三人のペットかな?」


 すると、隣の窓から一緒に覗いているアグレアスが首を傾げた。


「ペットにしては妙じゃありませこと? まるでソロちゃんの後ろに隠れているみたい」


 もしアグレアスが言う通りであれば、この三人は逃げる鹿を追ってこの城に辿り着いたという事になる。

 つまりはあの鹿は契約できる仲間!


「アグレアス、君一人であいつら三人相手にできるかい? その間にあの鹿を俺が確保しようと思うんだけど」


 アグレアスはじっと三人を観察。

 だが、首を横に振ってしまった。


「残念ですけど、わたくしだけで三人はちょっと。ですけど、ソロちゃんにあの男を押さえてもらえれば、女二人だけなら、わたくしだけでどうとでもなるのではないかと」


 マルファスに視線を送るとマルファスは無言で頷いた。


「よし。マルファスはここでソロちゃんを援護してあの武闘家を牽制、アグレアスは女性二人を。ピュセルはアグレアスの援護を。ハルパスはソロちゃんの支援を。俺はその間に鹿と契約してくる。命の実の色が薄くなってきているから怪我には気を付けてね」


 四人が一斉に頷く。

 真っ先にアグレアスが櫓の窓に鞭を絡めて、一の丸へ飛び降りていく。ピュセルも窓から外へ羽ばたいていく。

 残念ながら足しか移動手段を持たない俺は、走って命の実の杖を手に、四の丸から三の丸、二の丸と順に曲輪を通って一の丸へ。


 一の丸に到着した時には、すでにアグレアスたちは激しい戦闘を繰り広げていた。


 真っ直ぐ鹿に向かって走っていく。

 命の実を近づけると、いつもの如く黒い霧の糸が鹿に向かって伸びる。


「クン……きゃっ……あっ……」


 いつものように、気を失って倒れた鹿を多聞櫓に運ぼうとした時であった。

 目の前にひらりと一枚の護符が飛んできた。


「雷の精よ! 我が命に従いその怒りを解放せよ! 符術『雷召』!」


 ローブの女性が何やら呪文を唱えると、護符がぱりぱりという音を立てて放電を始める。

 放電は徐々に激しくなり、護符の周囲に白い光の玉を作り出す。


 まずい!

 とっさに鹿を地に置き命の実の杖を守るように背に隠す。


 ガリガリ……ジジジ……ズヴァアン!


 目の前で護符が光の塊となり破裂。

 その爆風は強烈で、空気の塊が容赦なく胸部から腹部を圧迫。

 立っている事ができなくなり、後方に吹っ飛ばされてしまった。


「そ、壮馬様!!」


 アグレアスの絶叫が聞こえる。


「よくも! よくも壮馬様を!」


 これまで聞いた事が無いアグレアスの怒声が聞こえる。


 だが聞こえたのはそこまで。

 徐々に周囲の音は書き消えて行き、意識が途絶えてしまったのだった。

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