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【完結】あの山にダンジョンを築城しよう! ~命の実を守るために俺だけの城に引き篭もってやる~  作者: 敷知遠江守
第六章 小城(後篇)

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第24話 見えない敵

田峯壮馬:女神から「命の実」を託された、スキル?「城郭知識」「攻城知識」

アグレアス:地2水2火2風2、スキル「知識(命の実とリンク)」、得物は鞭(鞭技)

マルファス:地5水0火0風0、スキル「土木工事」「土人形創造IIIソロちゃん」「遠隔活動」、得物はモーニングスター

ビフロン:地1水2火1風2、スキル「陽光召喚」「宝石加工」「死霊傀儡」「栽培」、得物はサック

ロレイ:地0水1火0風1、スキル「遠隔活動」「狩猟」「偵察」、得物は弓(弓技)

ハーピーのピュセル:地0水5火1風0、スキル「水流操作」、得物は刀(刀技)

鳩のハルパス:商人の伝書鳩

 商人が去ってからしばらく平穏な日々が続いた。


 その間に、マルファスにお願いして四の丸に多聞櫓を建ててもらった。

 四の丸にはベッド以外に食卓が置かれ、一の丸にはベッドだけ。そこで、俺、アグレアス、マルファスが四の丸、ビフロン、ロレイ、ピュセル、鳩のハルパスは引き続き一の丸で生活する事になった。


「住む建物は別れてしまうけど、俺たちは家族だから。だから三度の食事はみんなで同じ食卓で行う。それだけは忘れないようにね」


 食事はみんなでわいわい食べようね、そんな意味で言ったつもりだったのだが、皆の顔色が変わった。

 アグレアスとマルファス、ビフロンは憧憬の目でこちらを見て、ロレイ、ピュセル、ハルパスは感動で顔を紅潮させ、今にも泣き出しそうになっている。


「みんなの食事、獲って来る……」


 照れを隠すかのように、ロレイが真っ先に櫓を飛び出して行った。


「ではぁ、作物のぉ、様子をぉ、見に行ってきますねぇ。ピュセルもぉ、行きましょう!」


 嬉しそうな顔をしてビフロンがピュセルを引き連れて櫓を出て行った。


「そういう事でしたら、早急に竈と机、椅子を用意しなくてはなりませんわね。ハルパス、手伝ってちょうだい。マルファスは四の丸の土蔵作りをお願いいたしますわね」


 机と椅子にかけられた布を取り外し、ハルパスに声をかけてアグレアスは櫓を出て行った。



 俺はといえば、最近趣味にしている事がある。

 何がどうしてそうなったのかはわからないのだが、城の堀に川魚が住み着いているのを見つけてしまった。

 そう。趣味になったのは釣り。


 アグレアスによると、恐らくは幼魚の時に水源を通り抜けて堀に落ちたのでは無いかという事であった。

 何を食べているのだろうと疑問に感じるのだが、それも恐らくは一緒に落ちて来た昆虫の幼虫などがいるのでは無いかという事らしい。



 毎日、夜は焚火を囲みながら、皆でわいわいと食事を楽しんでいる。

 食事が終わったら、温泉に入り、広い櫓で就寝。


 朝は顔を洗ってから全員集まって畑の収穫。

 その後朝食。

 そこからは各自自由時間。


 なんというスローライフ。



 だが、そんな平穏が長く続くはずは無く、それは突然やってきた。


 洞窟内は木の成長が著しい。すでに植えた木が成長し、いくつかの木は果樹を付けている。

 昼食を食べている最中にデザートにするので何か果樹をもいで来て欲しいとアグレアスがビフロンにお願いした。

 わかりましたと言って一の丸に向かうビフロン。


 だが、そのビフロンが全然戻って来ない。

 代わりに木の枝を加工して命の実をはめ込んだ杖から、黒い霧が放出された。


「え? 命の実から勝手に? ま、まさか!」


 皆、一斉に四の丸の多聞櫓に向かい、窓から一の丸を見下ろす。

 だが、誰もいない。

 ビフロンもいない。


「何か……いる! え? 三の丸?」


 ロレイの報告に全員が耳を疑った。

 恐らくはロレイの偵察スキルに引っかかったのだろう。

 だが、ソロちゃんも反応しておらず、ビフロンの骸骨兵も反応していない。

 これはいったい?


「あ! そこにっ!」


 ロレイが後ろを振り返った瞬間、胸に矢が深々と突き刺さった。


「壮馬様は櫓内に隠れていてくださいませ。恐らく敵は何らかのスキルを使っているものと思いますわ。マルファス! 壮馬様をお願いいたします」


 そう言うとアグレアスは右手に鞭を取り出した。いつもの感じでは無く、胸部を守る革鎧も身に着けている。


 どこかから矢が飛んでくる。

 それをマルファスがモーニングスターで弾き落そうとし、失敗して腕を矢が貫いた。


 ピュセルは水の塊から少し細身の片刃の刀を取り出し、顔の前に浮かせている。

 ピュセルに向かって矢が飛んでくる。

 刀がくるくると回転し、矢を弾き落とす。


 その矢が飛んできた方角にアグレアスが鞭を伸ばす。


 パチン!


 何に鞭が当たった。

 だが姿は現さない。


 ピュセルとアグレアスが背中合わせになって周囲の音を聞いている。


「こ、このままでは、ら、埒があきませんね」


 非常に小声てはあったが、確かにそうピュセルは言った。

 刀を地面に差し、何やらごにょごにょと呪文を唱え始める。すると右手の水源の一つから靄が発生。

 徐々に四の丸に漂い始めた。


「そこっ!」


 アグレアスが鞭を伸ばすと、何も無い空間に鞭が当たった。

 どうやら何か魔法のアイテムを使用して自身を透明化させていたらしい。それが今のアグレアスの一撃で壊れてしまったらしい。


 姿を現したのは背に立派な剣を構え、弓矢を構えた青年。パッと見は狩人にも見える。濃い緑色のチュニックに同色の頭巾を被っている。かなり美しい金髪、整った顔、透き通る水色の眼。

 尖った耳は、最初に会ったアグレアスと同じ。という事はこの狩人はエルフ?


 狩人は弓を腰にかけ、背から剣を抜き、黄色い三角形の模様の書かれた小盾を手にした。

 剣を持つ手は左手。


 アグレアスが鞭を伸ばす。


 パチン!


 どうやら最初のアグレアスの攻撃は盾に当たったらしい。その時と同じ音がした。

 狩人が舌打ちをする。


「ちょっと偵察のつもりだったが、しくじっちまった」


 アグレアスは剣を構えた狩人を見て何かに気付いたらしい。

 鞭を蛇のようにうねらせて牽制をしながらピュセルの前に立ちはだかった。


「一つ聞きたい事があります。あなたサルトゥスという地をご存知ではありませんか?」

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