表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】あの山にダンジョンを築城しよう! ~命の実を守るために俺だけの城に引き篭もってやる~  作者: 敷知遠江守
第三章 防衛

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/52

第11話 さらなる襲撃

田峯壮馬:女神から「命の実」を託された、スキル?「城郭知識」

アグレアス:地2水2火2風2、スキル「知識(命の実とリンク)」、得物は鞭(鞭技)

マルファス:地5水0火0風0、スキル「土木工事」「土人形創造」、得物はモーニングスター

スライムのビフロン:地1水2火1風2、スキル「陽光召喚」、得物はサック

 多聞櫓たもんやぐら内の部屋割りとしては、洞窟入口に近い方からスライムのビフロン、マルファス、居間、アグレアス、俺という風に決まった。

 席次順だとアグレアスは言うのだが、露骨にマルファスは納得いかないという顔をし、ビフロンは体から棘をピンピンと突き立てて怒りを表現している。


 元の小屋で一人で寝たいと俺は申請したのだが、何かあった時に対処できないと全員に反対されてしまった。挙句の果てにはマルファスに小屋を壊されてしまった。



 昼前に草色の鎧の男の襲撃を受け、午後に多聞櫓を作って、その日の夜を迎えた。


「急に大所帯になってしまって、食べ物の備蓄の減りが早くて困ってしまいますわね。このままですと遅かれ早かれ、食料が尽きてしまいますわ。ビフロンは良いとして、他の三人は食べないといけませんから、困りましたわね」


 一つ一つ土瓶の中を確認し、アグレアスがため息をつく。


 だが、俺にはアグレアスが何を悩んでいるのかがよくわからない。

 別にダンジョンの外に取りに行けば良いではないか。少なくともマルファスは『ソロちゃん(マルファスの命名)』と一緒に水を汲みに行ったのだから。

 別に俺が行っても良いし。


「壮馬様、わたくしたちと壮馬様とは命の実の魔力によって繋がっています。実をいうと、このダンジョンも同じなのです。その支配から逃れれば、一部の者を除いてわたくしたちは元の姿に戻ってしまいます。このダンジョンも同様なのです」


 つまりは命の実にはこのダンジョンの形を保つ事のできる範囲というものがあるらしい。じゃあ、最初にマルファスが作りに行った時には何で崩壊しなかったんだという疑問がわく。

 マルファス曰く、命の実の近く、影響範囲内で掘ったからという事らしい。


 なお、『遠隔活動』というスキルを持った者だけは、命の実の影響範囲――つまりはこのダンジョンを抜けて行動する事はできる。

 現在の二人と一匹の中では、唯一マルファスだけが『遠隔活動』というスキルを所持しているらしい。


「つまりは、『マルファス、食料調達よろしく!』って事?」


 お道化てそう俺が言うと、アグレアスとビフロンはケラケラと笑い出した。

 頬を膨らませてマルファスは口を尖らせる。そういう拗ねた顔をすると、妹味が強くなってちょっと可愛い。


「ですけれど、今日現れた草色の鎧の男、あの者が現れたという事は、襲撃が始まったという事になるかと思われます。仮にダンジョンの外でマルファスが倒れてしまったら、わたくしたちではどうにもできなくなってしまいますわ」


 だから、何とかこの中で完結できるように工夫をしていきたい。もしくはもう一人遠隔活動スキルを持つ者を仲間にしたいとアグレアスは説明した。


「確かに。マルファスの攻撃、ビフロンにすら避けられてたもんな。一人で外に行かせたら致命的な事になりかねないかもな。今建築できるのはマルファスだけだから、それ以上の建築ができなくなっちゃうもんね」


 みんな大切な仲間だからと俺が言うと、アグレアスとビフロンは素直に喜んでくれた。

 けなされた上に、頼りにされて、マルファスとしてはどう反応したら良いかわからないらしく、泣き笑いのような顔になってしまっている。



 そろそろ今日は寝ようかと俺が言うと、マルファスが報告があると言ってきた。

レベルアップの件である。


 この日レベルアップしたのはマルファスとビフロン。

 マルファスは多聞櫓の作成によってレベルが五から七に上がったらしい。

 これまで土木建築と遠隔活動、土人形召喚という三つのスキルを所有しているのだが、新たに土人形の強化ができるようになったらしい。


 一方のビフロンはレベル一から二に上がったらしい。

 残念ながら使えるスキルに追加は無く、洞窟内を照らす魔法『光源来召』の維持が若干楽になった程度だそうな。



 翌朝、目が覚めるとすでにビフロンの『陽光召喚』が発動されていた。

 ビフロン曰く、陽光召喚はビフロンがレベル一から使用できる魔法で、外の太陽の光をここに映してくる魔法なのだそうだ。一度発動させてしまえば、ビフロンが意図的に消さない限り延々と洞窟の外の輝きを移して来れるらしい。


 目が覚めると外が明るいというのは、何とも心が落ち着くというものである。



 朝、朝食の時にマルファスが宝石を一ついただきたいと要望してきた。

 その宝石で『ソロちゃん』を強化したいらしい。


 現在手元にあるのは、マルファスがここを掘った時に出た水と火の宝石の原石、ミスリル銀鉱石に、オリハルコン鉱石、それと草色の鎧の男が所持していた研磨済の宝石たち。


「申し訳ないんですけど、原石はダメなんですよね。なので、あいつが持ってたやつを一つで良いのでください。宝石によってソロちゃんに属性が付与されるんですよ!」


 アグレアスの行李の中から草色の鎧の男の宝石を出して来てもらい、中身を広げてみる。

 中身の宝石は三種。黄色い宝石、赤い宝石、青い宝石。好きな物を選んで良いよと言うと、マルファスは目を輝かせながら悩み、黄色い宝石を選んだ。

 これでソロちゃんが強化できるとマルファスは大喜び。


 少し興味が沸き、どんな感じになるのか見に行く事にした。


 崩れて土の山となっているソロちゃんに黄色い宝石を埋め、マルファスはごにょごにょと呪文を唱えながら指で地面をなぞっていく。

 最初に頭、そこから腕、足、そして徐々に頭へ。


 これまでのソロちゃんは細マッチョな阿修羅像のような造形であった。

 今回は……腕が二本に減ってしまった。三面あった顔も一つに減ってしまった。その代わり顔が前回よりも精悍そうになり、サークレットをかぶり、馬のたてがみを思わせる髪型をしている。

 額には先ほどあげた黄色の宝石がはめ込まれ、不気味に輝いている。

 前回は腰布だけであったが、今回は上下鎧を身にまとっている。

 前回と異なり、今回は非常に柄の長い三叉の槍を手にしている。


 マルファス曰く、「凄く強そうになった!」だそうな。


 そんな事を話していると、突然ソロちゃんの額の宝石が怪しく輝いた。

 それを見たマルファスが表情を険しくする。


「壮馬様、どうやら早速ソロちゃんの性能を試す時が来たようですよ。ここはソロちゃんに任せて、私たちは部屋の中で様子を見ましょう」


 俺たちが櫓に隠れ、窓から広間を見ていると、二人の間にアグレアスが強引に体を挟んで来た。

 渋々マルファスは隣の窓に移動。その肩にはビフロンが乗っかっている。


 ソロちゃんの様子を観察していると、すぐにその侵略者はやってきた。


 黄色の全身鎧に身をまとった騎士。手には青色の盾を持ち、もう片方の手には諸刃剣が握られている。頭部は完全にヘルメットで覆われ、性別の判断もつかない。

青い盾には赤でV字の模様が入っている。


 黄色の鎧の騎士はどうやら燭台に火を灯して入って来たらしい。

 だが洞窟内が明るい事を知ると松明を消した。代わりに右手に剣を鞘から抜いて構えた。


「こ、これは! ゴーレム! ではここは魔術師の住処!」


 ソロちゃんは長い槍を黄色い鎧の騎士に向けて構える。

 先手必勝とばかりに騎士に槍を伸ばす。だがその攻撃はあっさりというか、いとも簡単に避けられてしまった。


 ……飼い主に似て不器用なのだろうか?


 騎士が突いた剣がソロちゃんの腰に突き刺さる。

 だがそこはソロちゃんはゴーレム、その程度ではびくともしない。

 明らかに怯んだ騎士に向けて、ソロちゃんは槍を横に薙いだ。


 ソロちゃんが薙いだのはちょうど面当てを上げていた騎士の顔。

 避けきれず鼻柱から血が飛び散る。


 どうやら、血が目に入ってしまい視界が遮られてしまったらしい。必死に騎士は顔の前に盾を構える。

 だが、ソロちゃんはその盾を右足で蹴り飛ばし、騎士の喉に向けて槍を突き立てる。

 騎士も避けようとはしたのだが、三叉の横の刃が深々と突き刺さり、騎士は喉から鮮血を噴き出して仰向けに倒れた。

よろしければ、下の☆で応援いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ