6 後日譚 第三王子の溜息
「こいつらは一体何を考えているんだ・・・」
学園の卒業式後の夜会での騒動の後始末を押し付けられた第三王子は報告書を読んで溜息をついた
王立の学園で、それも公式行事の夜会でなぜ婚約破棄をするのかと言いたい
よしんば口論の末にそうなったというのなら情状酌量の余地もあるだろう
だが最初っから計画して、それも嘘の目撃者まで用意していたのだ
王家に喧嘩を売っているのか?
本気で思った
まあただのバカだったのだが(苦笑)
でもだからといって学園の看板、もとい王家の名に泥を塗られえたのだから断罪は仕方ない
とりあえず10年は王都に出入り禁止といったところだろう
要は実家の領地で謹慎していろ、という訳である
しかしそれで治まらないというか、治まっていなかった
すでに盛大に罰を食らっているのだ
偽証した令嬢達は顔に傷を負っていた
婚約破棄をしでかした伯爵家令息はナイフでめった刺しの重症
伯爵家令息をたぶらかした男爵家の令嬢も同様だった
令嬢にとって顔は命
傷跡なんてものがあれば将来は閉ざされたも同然
王都になんていられないことだろう
婚約破棄を仕出かした元凶の二人なんて身体中傷だらけだった
偽証をした令嬢を庇わなかったため逆恨みというか復讐のためナイフで襲われた
・・・夜会で大勢がいたのに誰も止めなかったとういのも怪我が酷くなった原因である
さらには婚約破棄された令嬢の家からは迷惑料と心理的外傷を負ったとして賠償金の請求が裁判所に来ていた
手続きの多さと手間を思って第三王子はため息をついた