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1 卒業式の夜会でいきなり婚約破棄をされました

「貴様との婚約を破棄する!」


私の婚約者様が卒業式が終わった後の夜会でいきなり婚約破棄を言い出しました




「はいっ?!」


驚いて思わず変な声が出てしました


ちょっと恥ずかしかったです(汗)





婚約者様とは政略結婚、もとい、政略婚約でした


それなりに順調だと思っていました





お互いの誕生日には贈り物をしていました


お茶会だってしていました


お互いの家族とも交流をしてきました





政略婚約なので、まあこんなものでしょう、って感じでしたね


愛情はないけどまあこんなもの


そう思っていました




ところが婚約者様は違っていたようですね


いきなり婚約破棄をしてきました


衆人環視の中で、です




婚約破棄をしたいのなら両親に言えばいいんです


そうしたら穏便に解消になったことでしょう


多分、ですけど




ところが何をとち狂ったのか公開婚約破棄ですよ


・・・頭大丈夫でしょうかね




まあ婚約者様の隣には見知らぬ女生徒がいた上に、腰に手を回しているのです


大体の所が判ったような気がします(苦笑)





「貴様はポリアンナに嫉妬して嫌がらせをしていたそうだな!」


ほら判りました(嗤)




「いえしていません」


きちんと言いました


言わないと勝手に冤罪をでっち上げられますからね





「しらばっくれるな!


ポリアンナの教科書を破いているのを見た者がいるのだぞ!」


いきなり目撃者が出てきました





やったことがないというのに出てくる目撃者


ある意味凄いですね


感心してしまいました




「わ、私が見ました!」と声を上げる女生徒


ドヤ顔をしている婚約者様


ふむふむ、シナリオ通りという訳ですか





ですが私がいうセリフは一択です


「やっていません!」





できるだけ悲壮な感じで言ってみました


だってここは相手のシナリオに乗る場面ですからね




そうしたら


「まだしらを切るのか!階段で突き飛ばしただろう!」


と畳みかけてきました





・・・凄いですね


次から次へとやってもいないことがやったことになっています




「私は押すところを見ました!」


今度は別の女性とが声を上げていました




またもや目撃者が出てきましたよ


この国の未来は大丈夫?って思っちゃいました(呆)




「これでもまだしらを切るか!」


と婚約者様は憤怒の表情をしていました




いややっていないものはやっていないですし、ね




それにその腰に手を回している女子生徒は嗤ってますよ


なにせ未来の伯爵夫人ですからね


思わず笑いもこぼれるでしょうね





「いや、でも、やっていないものはやっていないですし・・・」


この場になっても認めない元婚約者の役になり切りました




次はどんな手で来るのかしら?


思わずドキドキワクワクしてしまいました


・・・いい性格していますよね(笑)




「『男爵家のくせに生意気だ!』って言っていました!」


またもや新たな目撃者が出てきました





一体何人の目撃者を仕込んでいるのでしょう


感心を通り越して呆れました




でもそろそろ茶番劇もおしまいにしましょう


いくらなんでもシナリオが酷すぎます


もう少し上手くやって貰いたいものです




という訳で反撃です



まずは教科書を破いているのを見たと言った女生徒からです





女生徒の目の前にいき顔を覗き込みながら聞きました


「本当に破いているのを見たの?」


もちろん笑顔で、です




ここは「はい」と言ってもらう場面ですからね





そうしたらブルブル震えながら答えてくれました


「み、見ました!」





はい、有罪ギルティ




「おかしいですね、私は破っていないのに、貴方は破ったと言っている、どっちが本当なのかしら?」


重ねて聞きました


もちろん目は笑ってないですよ




目撃者はブルブル震えています


小心者ですね




ですから婚約者様が助け舟を出してきました


「おい、脅して取り消させようとするな」




でも聞いてあげません




「私は私がやっていないことを知っているの、そうしたら貴方が嘘を言ったことになるわよね」


肩に手をかけて顔を覗き込みながら言いました




「噓つきは罰せられるべきだと思わない?」


優しく聞きました





最後通告よ?


本当の事を言わないと罰を与えるわよ


そういう意図がわかるように、です





でも返事がありませんでした






涙目になっていることから偽証したことを後悔しているのではないでしょうか


ですが辞めてはあげません




護身用の短剣を取り出し、目撃者様の頬に当てました




目撃者様はブルブル震え始めました





このまま頬を切り裂いてもいいのですがそれでは面白くありません






目撃者様の手を取り、ナイフの柄に添えるようにしました


そしてもう一方の手も取り、以下同文です





両手でナイフを持つ目撃者様


そしてその手を両手で包み込むようにしている私





徐々に私の手に力が入ります


それとともにナイフの刃が頬に食い込んでいきます





涙を流す目撃者様


でも辞めてあげません


さらに力を加えます






とうとう頬が切れて血がでてきました





そこで握った目撃者様の手ごとナイフを動かします





さらに広がる傷口





とうとう目撃者様の目に溜まった涙は溢れ頬を伝って流れ出しました





「おい、証言されたからといって酷い事をするな!」


ようやく婚約者様が止めに入りました




ですが止めてあげません




「私は止めようとたのですよ?


でもこの方が嘘を言ったからと自分で頬を切り裂いたのです」






自分で頬を切り裂いたと主張しておきました


言い訳は完璧ですね





大体頼まれて偽証する方が悪いのです


自業自得というものです




「貴方は嘘をいったのよね?」


優しく聞きました





「ずみばせん」


泣きながら謝って来ました




ほら私は悪くないです




ですからとどめとばかり頬をバッサリ切りました




「わあああああっ」


目撃者様は床に倒れ込み頬を押さえると号泣し始めました

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