うんこビーム貸してください
「ホイップとキャラメルソースマシマシ、お姉さんの愛情もマシマシで。ホホハホホハホハホホホホホホホホホ」
街一番のイケメンイケメン男子高校生・ほたてババア崎 爪饅頭は今日も行きつけのスターバックスでいつもの味噌汁を購入し、駅へ向かって歩き出す。
「今日もお空が金ピカピカで美味しそうだにゃあ」
ポカポカ陽気の中歩くのは気持ちの良いものである。爪饅頭の後ろを大量のムカデがついてきていて気持ち悪いが、ポカポカのプラスと相殺してプラマイゼロのカラオケトラッパーだ。
「おう、爪饅頭! おは尿」
「おは尿、金玉新聞」
爪饅頭はいつもこの街一番のイケメンイケメンイケメン男子高校生の金玉新聞と一緒に通学しているのだ。スーパーイケメンコンビである。
「でさー、あいつの彼女が緑色でさぁ」
「ホホホハハハホハホハ」
他愛もない会話をしながら並んで歩く。
数分後、黒たい焼き駅に到着した2人はポッケからosiccaを取り出し、改札にピッ!!!!!!!!!!
「さぁ、勝負だ!」
「望むところにょ!」
2人は熱いキスを交わし、ホームに向かって走り始めた。ルールは簡プル、先に駆け込み乗車した方が勝ちだ。
「フンフンフンフンフンフンフンフン!」
「ワッショイワッショイワッショイワッショイ!」
両者龍のように階段を駆け昇り、同時に列車に駆け込んだ。銀曜日の電車はガラガラだ。この地域は基本的に歩曜、角曜、香曜以外はガラガラなのだ。
「ふわ〜ぁ、ちんちん触って寝よ」
「えっ?」
「間違えた、寝よ」
「ホハホホ」
運動の後は眠くなるのだ。
2人は仲良く知らないおじさんを挟んで寄りかかって眠った。
スヤスヤと眠る2人のイケメン。列車内は眼福眼福と小声騒ぎになった。
『次はイケメン2人の学校前〜イケメン2人の学校前〜。お出口は両側です』
「ふわ〜ぁ、よく寝た」
「ふにゅ⋯⋯はわゎぁ」
2人のイケメンが目を覚ますと、目の前に鬼のような顔をした中年男性が立っていた。
「お前らよくも俺を挟んで寝てくれたな。出ようにもスッポンかってくらい離れなかったから乗り過ごしたぞ」
「すみません⋯⋯」
金玉新聞が申し訳なさそうに謝りながら足を組んだ。
「どうしてくれんだよ」
「何でもしますから、どうかお許しを⋯⋯」ブッ
爪饅頭も同じように頭を下げて足を組んで放屁した。
「コラッ、何でもしますなんて言っちゃダメだろ!」
「へ〜、何でもねぇ⋯⋯。じゃあ、気持ちいいこと教えてやるよ⋯⋯ぐふふ。2人ともそこに立て」
2人は恐怖に震えながら舌打ちをし、その場に立ち上がった。爪饅頭の放屁は依然として続いている。ポポポポポ。
「そのまま両腕を伸ばして背伸びして、上半身をぐるんと回してみろ」
2人は言いなりになるしかなかったので、男の言う通り背伸びをしながら体をひねった。
2人の背中や腰のあたりからボキボキと物騒な音がする。
「どうだ? 気持ちいいだろ? ぐへへ⋯⋯朝はそれが1番だ」
「なんてヤツだ!」
「ひええ! 逃げ逃げしようね!」
2人は肩を組んでスキップで電車を降り、全力疾走で逃げ逃げした。
駅を出ると、2人の前に刃物を持った金髪の男4人組が現れた。1人がモヒカン、もう1人がモヒカン、残りの2人もモヒカンだった。
「ヒャッハー! ここは通さねぇぜ爪饅頭!? ⋯⋯ひえぇ」
モヒカンαが爪饅頭の美貌に恐れをなして足で走って逃げていった。
「お前らも足で走って逃げた方がいいんじゃないか?」
屁が出過ぎて酸欠になりかけている爪饅頭が虚勢を張った。
「フン、それには及ばん。ヤツは我々四天王の中でも最弱⋯⋯」
「その通りだ。貴様らイケメン2人組ごとき、我ら3人で十分だ」
「そうだそうだ、このナイフの錆になりやがれ!」
「刃物持ってるくらいでなに調子乗ってんだバーカ」
金玉新聞に挑発されたモヒカン3人が酸欠寸前の爪饅頭に襲いかかる。
「危ぬぁい!」
金玉新聞が咄嗟に左手を突き出すと、突如地面から真っ白な鳥居がゴゴゴゴと生えてきた。
「なんだこりゃあ!」
モヒカン3人と金玉新聞が鳥居を見て驚いている。
「お前が出したんじゃねーのかよ!」
「なわけないだろ! 常識で考えろよ! バカも休み休み言え! クソゲボゴリラのハゲウンコ!」
「おいあれ、あそこ!」
モヒカンδが鳥居の上の方を指さして叫んだ。そこには、赤十字に毛が生えたようなマークがあった。
「ちんげのホスピタル!?」
爪饅頭はそう叫ぶと、ズボンとパンツを脱いで走り出した。そろそろここを離れないと遅刻してしまうのだ。
「抜け駆けは許さんぞ! ボ!」
金玉新聞も金玉を広げて追いかける(飛んだりはせず、走っている。金玉を読みながら走っている)。
7時15分ピッタリに腕を組んで校門を通過する2人。1時間15分の余裕を持ってのゴールである。
金玉新聞は別のクラスなので、階段を上りきったところで耳くそのサンバを踊りながら東の方へ消えていった。
1時間後、爪饅頭のクラスにやっと2人目が入室した。爪饅頭のガールフレンド、ジャミボリッチョである。彼女は成績優秀スポーツ万能で、別名のび太くんと呼ばれている。
「おは尿、爪楊枝くん!」
「おは⋯⋯えっ、爪楊枝くん⋯⋯?」
爪から始まる別の男の名前を出されたことに動揺を隠せない爪饅頭。
「⋯⋯⋯⋯」
「何か言ってくれよ、ジャミボリッチョ!」
「うっふ〜ん、ねぇ爪饅頭くん⋯⋯あたしのヒゲ触る?」
「そういうこと言ってる場合じゃないのは分かってるよね」
「ごめーん、りっちょんバカだから分かんなーい」
「このアマァ!!!!!」
爪饅頭はジャミボリッチョの衣服を燃やして全裸にひん剥き、○○××とか☆☆☆☆☆とか*********とか、考えられる全ての【バキューン】を【あはぁ〜ん】した。
「もぅ♡⋯⋯らめぇ⋯⋯!」
「ホハハハハハホホホホホホホ!」
自分以外の男のことを考えられないようにした爪饅頭は彼女を立ち上がらせ、背中に乗るよう指示した。ケンタウロスモードである。
ジャミボリッチョを乗せた爪饅頭は学校を早退し、彼女の家に向かった。
「今日はお義父さんに折り入ってお話がありまして⋯⋯」
ひと目で緊張が分かる量の汗を目以外からダラダラと流しまくっている爪饅頭。ここでようやく屁が止まった。
「君にお義父さんと呼ばれる筋合いはないんだがねぇ。お嫁さんの父親を呼ぶ時に使うんだぞ?」
「確かにまだ結婚はしてませんけど、エッチはめちゃくちゃしてます! 娘さん一筋なんです! なので、娘さんを僕にください!」
覚悟を決めた爪饅頭。お義父さんがイエスと言うまで頭をTATAMIから離さない勢いだ。
「うーん⋯⋯」
目を閉じて考え込むジャミボリッチョの父親。
「⋯⋯んーう」
徐々にジャミ父の周りに妖精が集まり始める。
「⋯⋯うーんんーう⋯⋯」
セミの要領でジャミ父の頭に小便をひっかける妖精たち。
「⋯⋯Zzz⋯⋯Zzz」
頭についた小便が片っ端から青紫色になっていく。いわゆるヨウ素でんぷん反応である。
座布団の上で丸まって眠るジャミ父。お腹や頭を撫でてやるとゴロゴロと喉を鳴らし始めた。
「私喋らなすぎじゃねレロレロ」
飴と間違えて壁を舐め続けていたジャミボリッチョがついに口を開いた。
「それなペロペロ」
飴と間違えてジャミ父の背中の毛繕いをしていた爪饅頭も同調した。
「フ⋯⋯似た者カップルと言うわけか。よろしい、お前たちの交際を」
ヘソ天のジャミ父がついに笑みを見せた。
「⋯⋯Zzz」
(^_^;)
ジャミ父の最期の言葉は「ラッセンがすっきぃ!!!」でした。合掌。