表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
9/488

港街の悪い噂 6

 恥ずかしくて耳をふさぎたいくらい喘いでた。

 顔を背けても、天蓋の鏡があたしを映す。

 何をされてるかも分かるほどのクォリティー。

 身を捩ると、後輩の手がTKBをきつく摘まんでくる。


 ま、あたしには抵抗なんて自由もない。

 ああ、何も考えたくない。

 今はあの行為を忘れたい。

「もう、激しすぎですよね! やっぱ、天蓋の鏡効果は絶大です」

 感想をありがとう。

 おかげでこっちは、水気もなくなったわ。

 ちっとは手加減ってのを...

「手加減なんて出来る訳ないじゃないですか!! 先輩のジュースですよ“()”の感覚がなくなるまで、味合わないなんて勿体ないこと私には出来ません!」

 力いっぱいの告白。

 その行為でヒリヒリする、あたしのは...どうしたらいいん?

「えっと、じゃ、もう一回」

 えー!!!!?


◆◇◆◇◆◇


 あたしと伽に耽った後は、

 彼女本来の仕事へと戻る。

 紅の修道女は、教会でも諜報員として活動する“死の天使”だ。

 炎の柱出身の魔法使いたちは、多くの職業を複数習得させられた。

 魔法使いだから体力が、筋力がないという常識を覆す。

 魔法使いだから近接戦、格闘戦が出来ないという常識も覆す。

 魔法使いだから~というあらゆる常識に捕らわれない、タイプの育成にも力を入れていた。


 その一つのタイプが、()()()であり、()()なのだ。


 ま、もっとも。

 規格外が大量に発生することは無かった。

 逸材と呼べるに値する子供たちでも、年に2、3人。

 ものになるまでの投資はプログラム上、大赤字だ。

 それでも、あの学校は今でも()()()を作ってるんだろうさ。

「姐さん?」

 部屋に戻ってきた修道女に声を掛けたのは、宿屋の番頭。

 この街のコソ泥みたいなギャングを統括している者でもある。

「一時凌ぎだけど、うちの姐さんの体液はポーションよりも純度が高くてね...失態こっちの進行を遅らせてくれる。吸血とか、或いは本気でまぐ合えば治療効果も高まるだろうけども」

 と、奇怪な形に変化している左腕に視線を落とす。

 彼女自身、調査中に大きなミスを犯してた。

 初めから助けを請えば...

「なら、治して貰えるなら」


「いや、部分変化って事は...連中、解毒薬を持っている。そこで教会こちらが女神の加護や奇跡なんてのを起して見せて、信仰を煽るとこまで見抜いておいて、高く売り抜こうって話なんだろう。それじゃあ、意図を汲んでやらないと、な」

 そのために腕は治せない。

 解毒薬もなく治せる術がある事も、知られてはならないという。

 あたしを切り札に使うのはいい。

 だけど...

「そんな無茶な!」

 無茶を承知で――って時は確かにあるが。

「姐さんの柔肌に...牙を、掛けたくないんだよな」

 が、本音だ。

 吸血する者たちはある。

 生きるために吸血するのではなく、行為的なものだったり、儀式的なものとか。

 後輩は、4分の1にノスフェラトゥの血脈が混ざる混血児。

 丸い耳のエルフ族。

 どっから見ても人間そのものなので、怖がられることは稀だ。

 横長にぴんと張ったエルフですよ~って、あたしとの差異は大きい。

惚気のろけはいいです」

 番頭さんは無表情で切り捨てたが、

 後輩は、壁に穴でも開くんじゃないかって勢いで殴ってた。

 他人にとっちゃあ、あたしと後輩おまえの情事は、どうでもいい話だろうに。

 壁に当たるな、壁にごめんなさい、しときなさい!

「で、先方ですが」


「教会に金を運び込んできた、領主の従者がソレだったようだね?」

 修道女とは別の部屋で似た取引が行われてた。

 毒はその時に盛られた。

「街の冒険者ギルドに...そうだな、ボディガードの依頼をよろしく」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ