突然、別れが来たり... 来なかったり? 2
この一行が向かう先は、
赤の塔だ。
確かに赤の枢機卿もあたしらにひどくご執心だったとは聞くけども。
あーあっ、れは、あれでしょ? ゴーレムを粉砕したという尾鰭のついた噂話の――『否だ。状況の検分と、証言などから噂なんかで報告書が作成できるわけがない。そもそも噂レベルで記載を望むのだというのであれば、先ずは郊外に出現していた禍々しい黒い太陽について答えてもらおう、か』
あれだ。
ここは口を噤むのが正解なんだ!!
ほどよくして――
塔に到着して応接間で再び遭遇したのが小兵の尋問官。
背が低く小太りで、後頭部のつむじの当たりがキレイに禿げているから...
小兵なんて表した訳じゃなく。
なんとなく。
こいつしつこいぞって第一印象で。
「あかんやつだな」
本音と建前がごっちゃだ。
心の声が駄々洩れてやがると、彼はあたしに指をさして告げて来た。
『まあ、そういう裏表のない子ですから』
乙女神ちゃん、ナイスなフォロー。
「これを甘やかさない方がいいぞ?」
『分かってます』
あー意気投合しないでよー。
セル、悲しくなる。
更に紅茶の時間。
昼食には早いというので間食という軽食が出て。
乙女神ちゃんからは『大人なのだから自重くらいはしろ』とちくり。
神殿の奥でふんぞり返ってる筈の乙女神がすまし顔でしおらしく座ってた。
本来ならコレを見て我がフリ直せと言うところなのだろうけども、あたしには関係のない話だ。
あたしに理性なんて二文字はない。
「言い切るなよ、ほとほと仲間が不憫になる」
小兵が嘆いてくれた。
ああ、うん。
そういうのも新鮮でいいね。
「本当に甘やかすなよ? 枢機卿さまは仕事の合間に抜けられてくる。会見は僅かな時間だから堅苦しくなく済むはずと、こちらでも見ているので。昼食を終えたのちに目的の『白の塔』まで我ら赤の神殿騎士が送り届けよう」
ほほう昼食も出ますか。
『セルは、軽食食べ過ぎないでね』
えー。
これ美味しいよ?
『言ってる傍から“おかわり”じゃない!! この軽食だって貴族並みの出費が出てるんだ、その一日に食されなかったものは修行中の子たちに下賜されて――ああ、もうこの子ったら、ほらお姉ちゃんに零れかすを掃除させなさい、こら腕を挙げて』
にゃー。
お腹の上に溜まったクッキーの屑。
心配する小兵と、甲斐甲斐しい姉の姿。
あたしの頭の中で『ダメ大人レベルを獲得しました』って声が聞こえた気がする。
やったー、スキルGetだぜ!!




