再会、そして―― 3
ほら。
やらかしましたよ、今のあたし。
「ほう、この神聖なる裁きの間で随分と余裕じゃないか?! のうセルコット・シェシー」
法務大臣の役職にある聖法国・伯爵さまが睨んでらして。
あーなんか瓜に見えるなあって思ってた細い人。
外見の齢は60以上。
「儂は50代じゃ、失敬な!! そんなに老けとらんぞ」
「に、にゃ。老けてるよ、十分、老けてる。シェシー被告が漏らさなかったら、朕がじじぃ~って呼んであげたよ? 前々から思ってたことを口の葉に乗せてくれて感謝する! まあ、これとそれと? あとあれとは、他の諸々は帳消しにならないから... うん、ご愁傷さまでいい?」
よくはない。
よくはないけど、この朕っ娘が、巫女陛下だ。
たしか齢ぃ~。
「あ、待って!」
『はい?』
乙女神が目を大きく瞬きしながら、聞き返す。
「いあ、神さまじゃないよ。そっちのオマケの方!!! 朕っ娘って言った?」
いえ、なにも。
まったく一言も、なんのことでしょうか、ちん...そんなあ、疑うなんて。
「このエルフ、極刑かな?!」
ぎゃー
「陛下はいつまで一人称を『ボク』で通す気ですか?」
飛び火した。
例の瓜っぽい伯爵さまが、だ。
爺さん呼ばわりしてた巫女姫さんに食いついた。
さあ、日頃の鬱憤を。
「鬱憤は無いですけどね、気にはなるんですよ。しかし、そこのエルフのように本音で会話が成立するとは思えませんし、白の枢機卿が信任すると言うからこの場に召喚してみれば、こんなにもフザケタ珍妙な生き物だとは」
バカにされた?
◇
乙女神が地上顕現に用意したアバターでも。
巫女姫の目から見れば、光り輝く神さまにしか見えなかったという――これが信仰力。
『違うでしょ』
乙女神ちゃんは別室にて用意された、ドレスに着替えてる。
下着の履き方は、あたしがレクチャーした。
あ、それ前後、逆だわ。
『ちゃんと教えてよ』
怒るとは理不尽な。
前後がわかり難い時があるんだよ、ぷんすか。
「何が違うの?! 信仰心でないというと... こうボディの作りかな」
むっちり田舎娘然としていて、おっぱいがロケット風に大きいとか。
『ボディ提供の子に失礼!! ジロジロ見るな』
提供してくれた子に、しばらく下着を用意しなかった乙女神に言われたくはない。
公共の道沿いにしゃがんだと思ったら、糞、シてたヤツだ。
物理的に誰がケツを拭いたと思ってやがる。
『マディヤだよ、出来た妹柱だよねえ~』
糞の処理は、あたしだぞ!!
別室とはいえ――
「早くしろ、着替え終わったら枢機卿がお待ちだ!!」
部屋の外に衛兵。
巫女姫は公務があるって言うし、簡易裁判も結果的にはセルコット・シェシーの品定めだった。
枢機卿の数寄に乗っただけという。
が、一応。
刑罰は下った『社会奉仕3日分』軽いのか、重いのか。
あたしには分からない。




