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守銭奴エルフの冒険記  作者: さんぜん円ねこ
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神の盾、黒の信徒たち 3

「――案じて、賊徒から街の人々の営みを守るって。傍から聞いてるといい話のように聞こえるけど?」

 あたしの台詞にマディヤが首をふるふる振った。

 磯の香りがしまずぞ!

「セル姉さんは、何もわかってない。脇が酸っぱい残念なエルフだよ」

 ぐはっ。

 妹柱だよと告げてきて。

 あたしを見るなり『これ、ポンコツじゃないですかー』と。

 失礼を発した子だ。


 まあ、いい。

 あたしは寛大だ。


 周りに寄ってきて。

 パンツの神さまの手を引き、あたしから遠ざけたのち。

 すんすん、周りの匂いを嗅いだ後。

「やっぱり酸っぱいーぃ!!」

 ほほう。

 このあたしを怒らせたら。

「セル、ステイ!!」

 なぜに。

 ミロムさんから静止させられた。

 ステイ、便利。



 お風呂タイムでは、女の子のウフフ、キャワワ、あひゃあひゃ...なんてのがあって。

 多分、打ち解けたと思ったものだが。

「セル姉さん、次女としての威厳はどこに?!」

 と、蒸し返された。



 えー、

 もう世界をいた魔女から離れようよ。

 あたし、ソレ卒業したいよ。

 てか部分的に忘れてるし、ふふ、思い出しても。

 なんかあたしが小さく見えそうでヤだな。

「恐らくは聖櫃テンプルの知識に依存しているものと思われますが。自立起動型オートマタ・ゴーレムの試作モデルが各街に配置されました。起動鍵トリガーは、殺気の検出でしょうか」

 錬金の研究は他の研究部門や、発掘品の管理以上に金のかかる代物で。

 いち派閥だけでは限界がある。


 故のゴーレム。


 完全自立起動型ゴーレムが完成すれば。

 複雑な命令に最適解で実行する優秀な兵士が生まれる。

 これを傭兵ビジネスに投下したら、莫大な利益を生むだろう。

「そっか! 殺気に強弱はないから」


「明察です。初期バージョンは配置した都市で殺戮が起きてセーライムの存続危機になったといいます」

 魔法生物たるゴーレムの謎は解明されていない。

 黒の枢機卿一派は、今のゴーレムに満足していないのだ。

「でも、いやそうなると。聖櫃騎士団がもたらした知識を理解したんじゃなく、模倣したってこと?」

 マディヤからの視線。

 姉さん『酸っぱい』のに湯舟でうつ伏せで死にかけて、覚醒したんですか。

 と、驚いてくれたが。

 やっぱり殴っておきたい。

「錫を銀と偽っている研究室のものたちです。サンプルをそのまま量産したのでしょう」

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